吊り下がる大量の塩引き鮭『千年鮭きっかわ』(村上市)

新潟県

サケのまちとして知られる村上を代表する「塩引き鮭」。冬の風物詩でありますが、「千年鮭きっかわ」を訪れればいつでもその光景を見ることができます。無数のサケが吊り下がる様子は圧巻です!

訪問日:2024/5/5(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

サケのまち・村上

新潟県の北部に位置する村上市。祭屋台である「おしゃぎり」「村上城跡」、海辺に広がる「瀬波温泉」など見どころの多いまちです。

そんな村上市の名物といえばサケ!市内を流れる三面川(みおもてがわ)はサケが海から遡上するポイントとして知られています。そのため村上では古来よりサケ文化が栄えてきました。自然の恵みであるサケを大切にするという思いのもと、頭から尻尾まで無駄なく使い切るため100種類以上ものサケ料理が伝えられているそうです。

江戸時代には青砥武平次(あおと ぶへいじ)という人物が、サケが生まれた川に戻る回帰性に着目。三面川の支流を整備してサケの繁殖環境を整える「種川の制」を確立。村上藩の主要な財源となりました。

詳しくはこちらの記事にて。

江戸から続くイヨボヤのストーリー『イヨボヤ会館』(村上市)
日本で最初のイヨボヤ専門の博物館であるイヨボヤ会館。イヨボヤに関する歴史や文化を、映像や模型、さらには実物を通して学ぶことができます。ところで、イヨボヤってなんでしょうか?

千年鮭きっかわ

そんなサケ文化を体感することができるのが、千年鮭きっかわ。古民家を活用したショップであり、様々なサケの加工品を販売しています。

店内は鮭を中心とした加工品がずらり。「鮭の味噌漬け」や「はらこ醤油漬け」といった伝統的なメニューはもちろん、「鮭の生ハム」や「鮭のクリームスープ」などモダンなラインナップも。

店員さんもとっても親切。写真撮って良いか尋ねると、奥の方がもっとすごいのでぜひご覧くださいと教えてくれました。ということで、店内を奥へと進んでみます!

営業時間 9:00~17:30
定休日 1月1日
公式サイト https://www.murakamisake.com/

※掲載の情報は2024年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

圧巻の塩引き鮭

店内奥の扉を抜けて進んだ先に広がるのはこちらの光景!

天井から吊るされているのは大量のサケ。これは村上のサケ料理で最も代表的な「塩引き鮭」という製法。サケに天然の粗塩のみを刷り込み、日本海の冷たい風にあてて干します。

村上の冬の風物詩と呼ばれる塩引き鮭ですが、ここきっかわでは通年その様子を見ることができるのです。真下から見上げてみると、大量のサケに襲われてサーモンパニックな気分になりました。

新巻鮭との違いは?

この「塩引き鮭」、北海道や東北で見られる「新巻鮭」とは何が異なるのでしょうか?新巻鮭は内臓を除いた鮭を塩漬けにしたもの。様々なパターンがあるようですが、塩引き鮭と同様に吊るして干すこともあるため、非常に似ている製法です。

大きな違いとしてはこの干す行程。村上ではサケが凍結しない適度な低温の風が吹くことで、新巻鮭よりも長い期間干しています。数週間風にさらすことで、低温熟成が進み旨味が凝縮されていくそうです。

さらに干し方にも特徴があります。新巻鮭はエラから口にヒモを通して頭を上向きに吊るすのに対し、塩引き鮭は尾にヒモをかけて頭を下に吊るします。これには「首吊りを連想するから」「武士に対して頭が高くなるから」といった理由があるそう。

また、よく見ると、お腹の裂け目が2つに分かれています。これは止め腹といい、「かつて城下町であった村上では切腹を嫌った」という説や、「鮭は大切な天の恵みであることから切腹させてはならぬ」という考えから切腹になるのを避け、あえて一ヶ所だけつなげたままにしているそう。

おまけの鮭料理

イヨボヤ会館にてサケと村上の歴史を学んだ後に見る塩引き鮭は、なんとも感慨深いです。そして、お腹が空きました!!

千年鮭きっかわの系列に「井筒屋」というレストランがありますが、ラストオーダー14:00。市内中心部の鮭料理のお店は、お昼のみの営業ばかりなのです。そんな中、夜も営業していたのが市街地から少し離れたレストラン美咲へ。目の前に日本海が広がる開放的なロケーションが魅力です。

注文したのは鮭親子丼。旨味たっぷりの自家製塩引き鮭と、特製の醤油はらこがのったゴージャスなお丼です。

つぶつぶのはらこは弾ける美味しさ!塩引き鮭もしっかり味がついており噛みしめると味が染み出してきます。こんなにしっかり味わって鮭を食べたの初めてかもしれません。はらこも塩引き鮭もどちらもご飯が進みます。

そして米が旨い!!!この辺では普通なのかもしれませんが、私のように違うエリアから来た人間にとっては感動のお味でした。

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