6つの古墳から技術の発展を知る『南下古墳群』(吉岡町)

群馬県

A~E号墳と名付けられた6つの古墳からなる古墳群。近くにある文化財センターでは、石室内の映像も視聴可能。それぞれ年代が異なっているため、比較して技術が発展していく過程を実感することができます。

訪問日:2024/7/15(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

まずは文化財センターへ

群馬県の吉岡町に残る南下古墳群は、6世紀後半から7世紀末に築かれた6つの古墳の総称。それぞれA〜F号墳とアルファベットの名前が付けられています。

まず最初に向かったのが吉岡町文化財センター

ここでは、A〜E号古墳の解説及び石室内部を映した9分間の映像を見ることができます。古墳めぐりの前に見ておくのがとってもおすすめ。

企画展示として吉岡町の鬼面石宮の紹介も行っていました。鬼瓦とは違う、屋根の両サイドに鬼の顔が付くという鬼面石宮。非常に気になるので、今度探しに行ってみようかな。

さてさて、ここからは外に出て実際に古墳をめぐってみます!いずれも文化財センターから徒歩圏なので、気軽にめぐることができるのです。

A号古墳

最初に向かったのはA号墳。かなりの高さがある墳丘がなかなかのインパクト。7世紀後半に築造された二段構成の円墳であり、墳丘径は30m・高さは8mにも及びます。

石室は巨大な天井石を供えた切石積み。加工された石がキレイに積み上がっています。作業線である朱線も残っており、さらに漆喰の跡も見られたそう。

B号古墳

A号墳の奥にあるのがB号墳。草木に包まれておりあまり全貌が見えませんが、墳丘径22m・高さ5.2mの円墳。7世紀中頃に築造されたそうです。

石室は自然石の乱積みで、一部に切石が混じる。天井が高く、畿内の古墳に通じる造りであるそう。

C号古墳

墳丘上に階段が伸びるのはC号墳。墳丘径15m・高さ4m円墳であり、草木が刈られているのでシルエットがわかりやすいです。こちらは6世紀後半に造られたものであり、この古墳群で最も古いようです。

石室は自然石の乱積み。加工された石が並んでいたA号墳と比べると、まだ石材加工技術が発達していなかったことがわかります。

D号古墳

ツルに包みこまれたD号墳。7世紀前半の円墳であり、墳丘径13m・高さ3mと古墳群の中で最小。

C号墳の次に古い古墳であるため、石室は自然石の乱積み。山石と川原石が混じっているようです。

E号古墳

鉄塔のそばでほとんど古墳の面影がないE号墳。こちらも円墳で、その規模は墳丘径17m・2.8m。

石室はA号古墳と同じく切石積みで、朱線も残されていたそう。7世紀末の造営であり、この古墳群で最も新しい古墳です。

F号古墳

古墳群の端っこにあるF号墳。年代不明な円墳であり、墳丘径21m・高さ4m。

このF号墳、石室は確認されていません!!

発掘調査がされていないのかと思いきや、石室そのものが見つかっていないのです。道路工事の際に「巨石を除去した」という話があるので、そのときに失われてしまったのではないかと考えられています。

めぐってみた感想

ということで、6つの古墳をめぐってみました!いずれも近い位置にあるため、全部まわってもさらっと見るだけなら15分ほど、じっくり案内板を読んでも30分ほどでまわることができます。

ただし、墳丘だけだとあまり情報が得られないので、やはり「文化財センター」と合わせての訪問がおすすめです。

なお、古墳をめぐるならば夏以外が良いです!!!

今回7月に訪問したところ、草木と虫が元気過ぎました。おそらくいずれも墳丘に登頂可能なクライミング古墳だと思うのですが、あまり近づけなかったです。

おまけですが、近くにある三津屋古墳は、激レアな八角形の古墳。車で5分ほどのところにあるため、合わせての訪問がおすすめです。こちらの文化財センターにて、三津屋古墳のペーパークラフトももらえますので、ぜひぜひ挑戦してみてください~!

■三津屋古墳&ペーパークラフトについては以下の記事にて

激レアなオクタゴン古墳『三津屋古墳』(吉岡町)
前橋市に隣接する吉岡町にある三津屋古墳は、八角墳という非常に個性的な姿をしています。日中は石室内部も公開されており、自由に見学可能。おまけで記事の最後にペーパークラフトについても載せてみました。

アクセスと営業情報

開館時間 9:00~16:00
休館日 月曜
料金 無料
公式サイト https://www.net.yoshioka.ed.jp/%E5%90%89%E5%B2%A1%E7%94%BA%E6%96%87%E5%8C%96%E8%B2%A1%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC-1

※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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