伝説の味を確かめる『みなとや幽霊子育飴本舗』(京都市東山区)

京都府

かつて冥界の入口とされたエリアに残る、幽霊子育飴伝説。幽霊が飴で子育てをした話らしいのですが、いったいどのようなストーリーなのでしょうか。飴も実際に販売しているとのことなので、現地に行って確かめてきました。

訪問日:2025/3/29(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

冥界へとつながる道

かつて平安京の葬送の地である鳥辺野(とりべの)へ続く道であることから、冥界への入口とされた「六道の辻」。冥府に仕えた小野篁が利用したという「冥土通いの井戸」のある六道珍皇寺が立ち、今でも様々な伝説が残されています。

そんな中でも特に有名なのが「幽霊子育飴の伝説」。いったいどのような話なのでしょうか。ディティールはいろいろなパターンがありますので、概要だけざっくりとまとめてみました。

幽霊子育飴の伝説

昔むかし、夜中に飴を買いに来る女性がいたそう。主人が水あめを渡すと、無言で一文銭を置いて去って行きます。これが連日続き、7日目以降は銭が木の葉に変わってしまっていました。

不思議に思った主人は女性の跡をつけてみることに。すると女は墓場へ入り姿を消してしまいました。この話を寺で伝えると、数日前に若い女性を葬ったとのこと。その女性の墓に行ってみると、女性の亡骸の上で飴を舐めながら泣いている赤ん坊の姿が。女性はこの世を去ってもなお我が子のために飴を買いにきていたのです。

7日目以降、葉っぱに変わってしまったというのも、かつては三途の川の渡し賃として六文銭を持たせて送っていたため、6日目まではその六紋銭を使用、7日目以降は葉を持って買いにいっていた、ということでした。

この話はまだ続きがあります!

この赤ん坊は住職のもとで育てられ、8歳にて出家。その後は霊鷲院 日審上人として妙情寺を中興したりと実際の記録が残されています。

ときの権力者や高僧に「凄い出生エピソード」が後付けされるというのはありそうなパターンですが、この話は偉大さよりも不気味さが勝ってしまいそう。わざわざ後付けするとは考えにくいので、妙にリアルに感じます。

みなとやで絶賛販売中

その後、飴屋は「幽霊飴」と呼ばれ大繁盛したのだとか。そんな幽霊子育飴、なんと現在も販売されています!

六道の辻に建つみなとや幽霊子育飴本舗で購入が可能。450年以上の歴史を持つ老舗であり、「日本一歴史のある飴屋」とのこと。

お店の前に吊るされているのは、雰囲気抜群な木の看板。かなり年季入ってますが、いったいいつから使用されているものなのでしょうかね。

幽霊子育飴は150gが500円。真っ赤な紙に包まれて積まれています。試食もできるので、味が気になる方は一度試してみるのもおすすめ。

ちなみにお店のおじいさんは物腰柔らかくて、優しそうな方でした。

幽霊子育飴のお味

ということで、買ってみました!!

伝説では水飴でしたが、今は固形タイプ。原材料は「水飴(国内製造)」と「グラニュー糖」のみというシンプルさ。

めっちゃ甘いのではと思ったのですが、意外にも優しい甘さ。砕いたタイプの飴ですが、大きさも食べやすくちょうど良い感じです。

今回の旅では、ポケットに忍ばせてずっと舐めてました!京都旅行で訪ねる際は、ぜひ序盤に訪問してその後の旅のお供におすすめでございます!

アクセスと営業情報

京阪電車の「清水五条」駅より徒歩10分。六道珍皇寺、六波羅蜜寺、建仁寺、安井金刀比羅宮あたりと合わせて訪問するのがおすすめです。

営業時間 10:00~16:00
定休日 なし
公式サイト https://kosodateame.com/ame/

※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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