江戸城から移築した建造物と五百羅漢『喜多院』(川越市)

埼玉県

多数の寺院が残る川越において、最も見応えのあるのが喜多院。江戸城の面影が残る「江戸城移築建築」や「五百羅漢」、徳川家康を祀る「仙波東照宮」など、境内には様々な見所があります。川越散策のおすすめ立ち寄りスポットです。

訪問日:2026/2/21(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

江戸以前から続く歴史

川越にある喜多院は、長い歴史を持つ寺院。平安初期の天長7年(830年)、淳和天皇の命で慈覚大師こと円仁が、天台宗の教えを東国に広めるために無量寿寺として開創したのが始まりの古刹です。

江戸初期、徳川家康・家光の庇護を受けて隆盛、天海大僧正によって大伽藍が建立されますが、寛永15年(1638年)の川越大火によって焼失。その後、江戸城紅葉山御殿の一部を移築して再建されました。

山門は、寛永9年 (1632年)に天海僧正により建立されたもの。前述の通り川越大火で多くの建築は失われましたが、この山門は焼失を免れました。喜多院では現存する最古の建物です。

一度1/17(土)に訪ねるも、江戸城移築建造物の拝観時間に間に合わず。1ヶ月後の2/21(土)に再訪しました。

立ち並ぶ堂宇

本堂にあたる慈恵大師堂。比叡山延暦寺の第18代座主・慈恵大師良源(元三大師)を祀るお堂です。銅板葺が重厚な雰囲気を作り上げています。川越大火後にいちはやく再建、昭和に解体修理が行われ現在に至ります。

慈恵大師堂のそばにそびえたつのは、総高13mにも及ぶ立派な多宝塔。川越大火後である寛永16年 (1639年) に、山門と日枝神社の間にあった古墳の上に建立されました。その後、老朽化が進んだため、明治43年(1910年)に慈恵堂と庫裏玄関との間に移築され、さらに昭和48年(1973年)に現在地に移され、解体修理の後に復元されました。

正保2年(1645年)建立の慈眼堂。その名の通り、慈眼大師こと天海を祀るお堂です。内部を覗くと、赤い衣を纏った姿の像が安置されていました。

残された江戸城移築建築

前述の通り、川越大火後に江戸城紅葉山御殿を移築された喜多院。現在もその建築は残っており、400円にて拝観が可能。この拝観入り口となる庫裏も江戸城の建築です。

江戸幕府3代将軍である「徳川家光誕生の間」と言われる部屋のある客殿、家光の乳母「春日局化粧の間」を含む書院が見学可能。狩野探幽筆の格天井花絵や襖絵、将軍使用の厠と湯殿など見どころは豊富ですが、残念ながら写真撮影禁止。

庭園に限り撮影OK。客殿に面した紅葉山庭園は立派な梅の木が植えられています。1ヶ月ずらしたおかげで、ちょうど花が咲く季節に訪れることができました!

書院に面した遠州流庭園は、「曲水の庭」と題された枯山水庭園。中心の一本松や大きな石組みがダイナミックな庭です。

ずらりと並ぶ五百羅漢

先ほどの戸城移築建築拝観券で、五百羅漢も拝観可能。受付は別ですが無人となっており、自分で拝観券を切り離して入れるスタイルです。

ずらりと並ぶ五百羅漢像。川越北田島の僧侶・志誠の発願により、天明2年(1782年)から文政8年(1825年)にわたり建立されたものです。

羅漢というのはお釈迦様の弟子のことですが、ここではそれ以外にも釈迦如来、文殊・普賢菩薩、阿弥陀如来、地蔵菩薩など、全部で538体が鎮座しています。

石仏はすべてが異なる表情とポーズ。よく見ると、輪郭や顔のパーツがけっこう異なっています。手に持っているものも様々で、じっくり見ていくのも楽しいです。

「深夜、羅漢の頭を撫でると1つだけ温かいものが必ずあり、それは亡くなった親の顔に似ている」という伝承が残っているそうですが、これだけあると撫でていくのはかまり時間がかかりそうですね。(※現在はさわるのは禁止、夕方以降は閉門しているので検証は不可ですよ・・・!)

家康を祀る仙波東照宮

境内の奥へと進んでいくと、長い石段が見えてきます。この奥に鎮座するのが仙波東照宮

「東照宮」という名が示す通り、東照大権現こと徳川家康を祀る神社。元和2年(1616年)に駿府城で徳川家康が没すると、一旦久能山に葬られますが、元和3年(1617年)に日光山に改葬の途中、3月23日から26日までの4日間に遺骸を喜多院に留めて天海僧正によって大法要が行われました。

そのことから境内に東照宮が祀られますが、ここもやはり川越大火により焼失。徳川家光公の命により寛永17年(1640年)に完成したものが現在の社殿です。貴重な江戸時代初頭の建築であり、国指定重要文化財に指定されています。

拝殿&幣殿の奥に鎮座する本殿。境内に置かれた多数の石灯籠は、歴代の川越城主が奉納したものです。


そんなわけでたっぷりと滞在した喜多院。「江戸城移築建築」「五百羅漢」「仙波東照宮」など見所が多く、たっぷりと楽しめました。メインストリートからは少し離れているため、混雑は控えめというのも良いところ。

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ただし、「江戸城移築建築」「五百羅漢」は拝観時間が決まっています。時期と曜日によって異なりますが、15:30~16:20には受付終了となるのでご注意くださいね!

アクセスと営業情報

東武東上線・JR線の「川越駅」より徒歩約20分
西武新宿線の「本川越駅」より徒歩約15分

開門時間(江戸城移築建築&五百羅漢) 【3/1~11/23】平日:9:00~16:30
【3/1~11/23】日祝:9:00~16:50
【11/24~2月末】平日:9:00~16:00
【11/24~2月末】日祝:9:00~16:20
※受付は30分前
料金(江戸城移築建築&五百羅漢) 400円
公式サイト https://kitain.net/

※掲載の情報は2026年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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