毎年1月に開催される「十日戎」で知られる、商売繁盛の神様。お祭り以外の時期は非常に静かで心落ち着く場所です。本殿の裏には大きな銅鑼(どら)が2つ置かれていますが、これはいったい何なのでしょうか。
長い歴史を持つ神社
大阪市浪速区に立つ今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)。その歴史は古く、推古天皇8年(600年)、聖徳太子が「四天王寺」を建立する際に、その西の守護神として建立されたと伝わっています。実に1400年もの歴史を持つ神社なのです。
その後、豊臣秀頼によって慶長年間(1596年~1615年)に社殿が造営されるも、昭和20年(1945年)の大阪大空襲によって焼失してしまいます。
「えべっさん」とも呼ばれて親しまれており、商売繁盛の神様として信仰されています。毎年1月に開催される「十日戎(とおかえびす)」のにぎわいは凄まじいのですが、それはまた後程。
えびす様を祀る社殿
大通りから一本入ったところに鎮座しています。周辺は住宅や雑居ビルが立ち並んでいますが、境内はとっても広々としております。
拝殿と本殿は前述の通り空襲で焼失。現在は、昭和31年(1956年)に再建されたものが建っています。拝殿の内部には、立派な鯛の絵が飾られていました。
主祭神は、天照皇大神、事代主命、素盞嗚尊、月読尊、稚日女尊の五柱。このうち事代主命は大国主命の息子にあたり、「えびす様」としても信仰される神様です。
願いが込められた円満成就絵馬も吊るされています。カラフルでとってもきれいです!
本殿裏の2つの銅鑼
参拝後は、ぜひ社殿の裏へもまわってみましょう!本殿を囲む玉垣の奥には、なにやら銀色のものが見えます。
こちらは銅鑼。この神社では、参拝後にこの銅鑼を叩くという風習があるのです。
「えべっさんは耳が悪いから銅鑼で強調する」という説もありますが、これは俗説。江戸時代の商売の中心地となる船場から見ると、本殿は南向きでそっぽを向いておりました。帰り際にこの本殿裏を通る際、「最後の念押し」としてこの銅鑼を叩く風習が始まったようです。
コロナ禍以降は表に出ていないとのウワサもありましたが、訪問時は玉垣越しに手で叩けるようになっていました。
熱気あふれる商売人フェス
今宮戎神社といえは、十日戎(とおかえびす)。毎年1月9日から11日にかけて開催される祭事です。
以前大阪に来た際に、友人のYさんよりちょうど開催中だと教わって訪問。いざ神社へ向かってみると、「商売繁盛!笹もってこい!」の掛け声が流れ続ける、まるでフェスのようなにぎわいでした。
訪れた人は「福笹」と呼ばれる笹を持ち、境内で売っている木槌や小判などの縁起物を「福むすめ」につけてもらいます。あふれる商人の熱気と、笹を持った人々が女の子に飾りをつけてもらうというちょっと変わった光景を見ることができます。
ちなみに初期装備となる福笹は無料であり、そこに着ける縁起物は有料。無課金ではじめられるため、ついついはじめていつの間にか課金してしまいそうです。
そんな熱気が嘘のように、普段はとっても静かな境内。私は初めて訪問したのが十日戎の日であったため、同じ場所とは思えない感じがしました。
アクセスと営業情報
・南海高野線「今宮戎」駅から徒歩約1分
・大阪メトロ「大国町」駅3番出口より徒歩約5分
・大阪メトロ「恵美須町」駅より徒歩約5分
・阪堺線「恵美須町」駅より徒歩約5分
・JR「新今宮」駅徒歩約10分
開門時間 | 6:00~17:00 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.imamiya-ebisu.jp/ |
※掲載の情報は2025年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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