徳島中心部を流れる新町川&助任川をぐるりと一周する人気アトラクション。街の名所や歴史の解説に耳を傾けながら、ゆったりとしたクルージングを楽しむことができます。ところで、ひょうたん島って何でしょうか・・・?
アトラクション風な船
徳島駅を中心とした徳島市の中心街は、新町川(しんまちがわ)と助任川(すけとうがわ)に囲まれた中州となっています。今回ご紹介するひょうたん島クルーズは、その周りをぐるりと一周するアトラクション。
駅から徒歩で10分ほどの新町川水際公園・両国橋の近くに乗船場があります。料金はたったの300円ぽっきり。安すぎませんか・・・?
この料金も、乗船料というより保険料とのこと。市によって運営されているのかと思いきや、NPO法人である新町川を守る会によって運営されているそう。
こちらがクルーズに使用される船。まるで遊園地のライド系アトラクションみたいなデザインで、わくわくしてきました!
座席はふかふかのソファータイプ。ライフジャケットがクッション替わりにもなるため、思った以上にラグジュアリーな船旅が楽しめます。
まちなかクルーズ
1周6km、約20分のクルーズのはじまり!船が動き出すと、船頭さんのガイドがはじまります。
緑色の三ツ合橋。新町川と助任川の交流地点に架けられているため、真ん中で3つに別れるとても変わった橋です。
徳島城跡に広がる城山公園を横目に見ながら船は進んでいきます。
茶色い大きな建物は徳島県庁。そして、その背後にそびえるのが徳島市のシンボルである眉山(びざん)。先ほどロープウェイで登ったばかりですが、早くもなつかしい。
のんびりしたクルーズかと思いきや、この船は意外とスピードが出ます。いくつもの橋をくぐるのですが、頭すれすれなときもびゅーんと駆け抜ける!なかなかスリルがあります。
まさかの人柱伝説
途中にあった福島橋。その真ん中には、謎の石積みがあります。
橋脚かと思いきや、橋とは接しておらず、まったく支えていません。何か意味があるのでしょうか?
これは、かつての福島橋の橋脚。なぜ撤去せずに残しているのか、その理由がちょっとコワイのです。
江戸時代、人々にとって重要なルートであった福島橋。しかし、洪水などの災害により度々崩壊していました。あるとき、「工事の晩、亥の刻に通りかかった者を人柱にしよう」という提案があがります。
ちょうどその時間に通りかかったのが、鉦(かね)を鳴らして題目を唱えて歩く六部(ろくぶ)。
※六部(ろくぶ)=六十六部の略。六十六回写経した法華教を持ち、六十六箇所の霊場をめぐる巡礼僧のこと。
人々は六部に犠牲になってくれるよう懇願したところ、ことの重大さを感じた六部はこれを承諾。棺に入り橋の中へ埋まりました。六部の鉦を鳴らす音は、その日から49日続いたそうです。
この話にはパターンがあり、六部ではなくお遍路さんだったり山伏だったりするようです。また、橋を架けた際「一番最初に通った人を人柱にした」なんていう恐ろしい無差別バージョンもあります。
そんな伝説が残るため、この橋脚は取り除くことができないとのことです。
ここまでだと心霊スポットのように見えますが、実際は史跡として保存されており、近くには案内板も立てられています。また、「福島橋の人柱伝説」として、とくしま市民遺産にも登録されています。
ちなみに、石積みの隙間から浸水しており、崩壊が危惧されているそう。人柱、出てきてしまうのでは・・・・
徳島市の市制120周年を記念して2010年に選定された、徳島市を代表する景観や伝統文化のこと。「自然・景観」「歴史」「街・暮らし」「文化」の四項目、合計45件が選ばれています。
ひょうたん島=徳島?
いろいろと脱線しましたが、20分のクルーズを終えて船は新町川水際公園へ帰ってきました。
ところでひょうたん島って何でしょうか?
徳島駅のある中心エリアは、新町川と助任川に囲まれており、まるでひょうたんのような形をした中洲となっています。これをその形状から「ひょうたん島」と呼んでいるそうです。
たしかに、ひょうたんみたいなカタチです。すっきりしました!
ここで気になったのですが、「徳島」って名前に「島」の字が入っています。徳島市の中心部は多くの川が流れており、橋だらけ。川に囲まれた中洲も多く、そのため、地名にも島がつくところが多いです。もしかして徳島駅のあるこのひょうたん島こそが、実は「徳島」という名前の島だったりしないでしょうか?
調べたてみたところ、徳島というのは、もともと吉野川にある三角州の名前とのこと。良い名前だったので、城と城下町の名前として使われるようになったそう。
ひょうたん島=徳島という説は崩れましたが、徳島駅が島にあるっていうのは本当です。いつか「おすすめの日本の島教えて」ときかれたら、堂々と「徳島」と答えてみたいものです・・・!
アクセスと営業情報
徳島駅より徒歩で約10分。阿波おどり会館&眉山ロープウェイからも徒歩10分ほどでアクセスできます。
運航時間 | 11:00から40分間隔(最終15:40) |
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運休日 | 年中無休 |
料金 | 300円 |
公式サイト | http://www.city.tokushima.tokushima.jp/kankou/taiken/hyoutanjima.html |
※掲載の情報は2022年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
※乗船時(2018年11月26日)の料金は200円でしたが、リライトするにあたり300円に書き換えています。
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