滋賀県で最も古いお寺である百済寺は紅葉の名所。巨石が多く配置された庭園は、燃えるような紅葉で色づきます。11月後半に訪れたところ、地面を染める散り紅葉も大変見事でした。
1400年の歴史を持つ古刹
百済寺は聖徳太子によって西暦606年に建立されたといわれています。1400年の歴史を持っており、数多くの寺院が残る近江の国(滋賀県)でも最古であるそう。
平安時代には比叡山の勢力下に入り、天台宗の寺院として発展。多くの坊が建ち、かなり大規模な寺院となります。室町時代に入ると、戦火や火災により多くの建造物を焼失。また、戦国時代には織田信長による焼き討ちを受けます。
江戸時代に入ると幕府の庇護を受けて、復興を果たします。西明寺、金剛輪寺と合わせて湖東三山(ことうさんざん)と呼ばれており、現在でもその3つの寺をめぐる三山めぐりは湖東地方の人気観光ルートとなっております。
なお、百済寺という名前は、創建当時の朝鮮半島にあった国・百済(くだら)の寺を模していたため、その名が付いたそうです。
紅葉で色づく庭園
本坊・喜見院(きけんいん)の前に広がる本坊庭園は、色鮮やかな紅葉で染まります。縁側に腰かけて水面に映る紅葉を眺めていると、時間が止まったような落ち着いた気持ちに・・・と言いたいところですが、紅葉シーズンはかなり混雑しております。
百済寺の紅葉で最も美しいと感じたのは散り紅葉。岩場を流れるせせらぎに積もる赤い葉は、まるで流れに染みこんで行くようです。
百済寺の拝観ルートは、基本的に上り坂。気がつけばこんなに眺めが良い場所に来ていました。紅葉の庭園と波打つ瓦屋根の向こうには、広がる琵琶湖と比叡山を中心とした山々が見渡せます。そのスケール感から「天下望遥の庭園」と称されています。
石垣を越えて本堂へ
こちらの石垣は、百済寺城の跡。戦国時代には多くの僧兵を抱えた城塞と化しており、百済寺城とも呼ばれていました。信長と敵対する勢力に味方していたため焼き討ちされてしまい、大きな石は安土城建築のための資材として運ばれてしまいますが、ここの石垣は小さな石がメインであったため、それを免れたそうです。
仁王門には大きな草鞋(わらじ)が掲げられています。これはもともと仁王像のためのもの。当初は像の大きさに合わせて50cmほどでしたが、人々がそれを拝むようになり、さらに大きい方がご利益があるという考えのもとどんどん大きくなっていきました。現在では、なんと3mにまでなってしまっています。
石段を登っていくと、本堂が見えてきます。もともと建てられていた本堂は焼き討ちで焼失してしまっているため、こちらは江戸時代に再建されたもの。紅葉の庭園は大混雑でしたが、ここまで来ると人影はまばら。落ち着いた空気が流れます。
アクセスと情報
電車の場合は八日市駅からバスで約30分。車の場合、名神高速道路の八日市ICから10分、ETC専用の湖東三山スマートICからは8分ほど。
細い山道を登るため、紅葉シーズンは道が非常に混雑します。車が渋滞してなかなか進まず、土曜日15:00頃の訪問でも20分ほど待ちました。北側から向かったのですが、こちらは観光バスも通っており、狭い道のためすれ違いに時間がかかっているようでした。
(南側から向かう道はバス進入禁止のようでしたので、こちらの方がスムーズかもしれません)
余談ですが、駐車場にて販売している松茸フライがめっちゃ美味しいです!揚げたてサクサクの衣の中、松茸の旨味がじゅわっと広がります。見かけたらぜひチェックしてみてください!
コメント
滋賀の事を色々紹介ありがとうございます
永源寺や湖東三山も近いけど
行った事が無くまた行ってみます。
去年まで品川区にいましたが、
コロナなどもあり、滋賀に
帰って来ました、都市部は
今大変だと思いますが、気軽に旅行に
行ける様になると良いですね。
ギターゼウスさん
コメントありがとうございます!
滋賀県にお住まいなのですね。色々と見どころが詰まった魅力的な県だと思います。
まだまだ行けてない所がたくさんあるので、また落ち着いた頃、お邪魔させていただきます〜✧◝(⁰▿⁰)◜✧