湖東三山 Part 2 紅葉と絡めて魅せる秋さくら 『西明寺』(甲良町)

滋賀県

紅葉の名所でもあり、秋のサクラ、苔の庭園も楽しめる植物の寺。長い歴史を持つ境内には、鎌倉時代の三重塔や、十二神将像をはじめとした仏像など、多くの見どころが詰まっています。

2020/11/21(土)

平安から続く寺院

西明寺の創建は平安時代の初期にあたる834年。

琵琶湖の西岸を歩いていた三修上人は、湖の対岸に不思議な光を見つけます。それをたどると、光り輝く池があり、そこから薬師如来・日光菩薩・月光菩薩・十二神将が出現。その話を聞いた仁明天皇は、その地に寺を建てるように命じます。西へ向けて光を放っていたことから「西明寺」という名が付けられました。

鎌倉時代、室町時代と修行道場として栄えた西明寺は大寺院へと姿を変えていきますが、戦国時代になると他の寺院同様に織田信長の焼き討ちを受けます。

荒廃してしまいますが、江戸時代に天海、公海らの手により復興。金剛輪寺・百済寺と合わせて湖東三山と呼ばれるようになります。

2020年になって、本堂の柱に菩薩の絵が描かれていたことが判明しました。調査によると、この絵は飛鳥時代に描かれたものである可能性が高いとのこと。もし、この調査結果が正しければ、平安時代よりも前からこのお寺が存在していたことになり、創建の時期はさらに古くなります

火災を免れた建築

こちらが西明寺の本堂。鎌倉時代の初期に建立されたもので、焼き討ちを受けた際に火災を免れた建築物です。

織田軍による火の手が迫ったとき、僧侶たちは山門周辺をあえて激しく燃やすことで、奥地にあったこの本堂を火の手から守ることに成功しました。

本堂の隣には三重塔。総ヒノキ造りでその高さは23.7m。内部には、国内唯一とされる鎌倉時代の壁画が残っており、法華経の図解などが描かているそうです。こちらも本堂と同様に火災を免れた鎌倉時代の建築です。

名高い紅葉の庭園

百済寺・金剛輪寺と同様に、紅葉の名所としても知られる西明寺。境内あちこちで色づく木々を見ることができます。

一番の見どころは小堀遠州を参考に造られた池泉回遊式庭園・蓬萊庭(ほうらいてい)。折り鶴や亀を模した岩が浮かぶ池の水面を、散り紅葉が真っ赤に染め上げます。

紅葉の色付きはまばらですが、そのおかげで緑、黄、オレンジ、赤と様々な色合いがでており鮮やか。

苔も多く育っており、優しいグリーンと紅葉の赤のコントラストは息を飲む美しさ。立て札には「この苔は西明寺が好きです 大事にしましょう」と書かれています。苔の感情なんて考えたこともありませんでした。

豊かな植物も見どころ

小さな白い花をつけている木は不断桜。9月頃から咲き始め、ちょうど紅葉のシーズンに満開になる秋のサクラです。

こちらはセンリョウ。赤い実を付けたものと、黄色い実を付けたものが交互に植えられており、非常にカラフル。実の色だけでなく、葉の色も少しトーンが異なっていますね。

濃いピンクの花は、おそらくサザンカ。庭園の奥地でひ人目を避けるようにひっそりと咲いており、隠れキャラを見つけたみたいで嬉しくなりました。

他にもウメやドウダンツツジ、シャクナゲなど、様々な植物が植えられています。西明寺は、紅葉だけでなく季節によって様々な花を楽しむことができる「花の寺」でもあるのです。

様々な仏像も拝観可能

御本尊は薬師如来像ですが、秘仏のため非公開。住職一代につき、一回だけ御開帳されるそうで、現住職は既に開帳済みとのことです。

※イメージ写真

※イメージ写真

薬師如来像の入る厨子(ずし)を囲むように十二神将像も勢ぞろい。12という数から干支の神様としても知られており、それぞれ頭の上に干支を乗せています。

※イメージ写真

他にも、日光菩薩・月光菩薩、四天王像など多くの仏像を安置しております。本堂には、非常にわかりやすく解説してくださるお坊さんがおり、いろいろと教えてもらいました。

アクセスと営業情報

西明寺へアクセスする際に気を付けなくてはいけないのは、路線バスが無いこと。その替わり、予約型の乗合タクシー「愛のりタクシーこうら」があります。JR河瀬駅から約15分900円、もしくは近江鉄道尼子駅から約12分450円。出発時刻は決まっていますので、時刻表を確認してから予約しましょう。

車の場合、彦根ICから約15分、八日市ICからも約15分ほど。ETC車の場合は、湖東三山スマートICから約6分でアクセスできます。

拝観時間:8:30~17:00
料金:600円
公式サイト:https://saimyouji.com/

コメント

  1. 匿名 より:

    いいんじゃないの

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