調布駅近くに立つ布多天神社は、「式内社」という非常に歴史のある神社。市街地にありながらも豊かな自然に包まれており、静かで澄んだ空気が流れる場所です。実はゲゲゲの鬼太郎に関連が深い神社でもあります。
長い歴史を持つ神社
調布駅の北口から延びる天神通り商店街。ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターたちが設置された、楽しい雰囲気のストリートです。ここ調布は漫画家・水木しげるが50年近く住んでいた町。第二の故郷とも呼ばれており、街のあちこちで妖怪の姿を見ることができるのです。
そんな商店街の先に鎮座するのが布多天神社。正確な創建年は不明ですが、延長5年(927年)に編纂された「延喜式神名帳」に記述が残っているため、少なくとも1000年以上の歴史を持つ古社。ここに記載されている神社を式内社と呼び、多摩群に鎮座する八社の式内社を「式内多摩八座」または「多摩八社」と呼びます。布多天神社はその一社でもあります。
もともとは別の場所にありましたが、多摩川の氾濫を受けて文明9年(1477年)に現在地に遷座しました。
少名毘古那と菅原道真
御祭神は少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)。経営の神、酒造の神、温泉の神、医薬の神として信仰されています。
前述の文明9年の遷座の歳に、菅原道真が合祀。学問の神、書道の神、天神さまとして祀られています。道真を祀る天満宮や天神社では、牛の像が設置されていることが多く、この神社にも立派な牛の像が置かれていました。道真は丑年生まれであり、この世を去った際に御遺骸を運ぶ牛車の牛が座り込んだ場所を墓所とした、というエピソードから牛はお使いとされているのです。
境内末社である大鳥神社の御祭神・日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、少名毘古那神の兄にあたる神様です。
樹木が立ち並ぶ境内
境内は広々としており、多数の木々がそびえ立っています。にぎやかな駅前や参道とは空気が変わり、静かで落ち着ける雰囲気。
御神木は樹齢約500年のケヤキ。養生されていましたが、令和3年(2021年)夏に寿命が尽きてしまいました。
御神木はなくなってしまったのかと思いきや、実は平成30年(2018年)に「天皇陛下御即位三十年記念事業」として御神木の種から育てた稚樹を植樹しており、御代替わりは済んでおります。
ケヤキは1年で30cm~60cmほど成長するそう。今はまだ小さく細いですが、あっという間に立派な姿に育ってしまうでしょうね。
奥に広がるゲゲゲの森
拝殿の奥に続く道。フェンスで閉ざされたポイントに掲げられた案内板には「ゲゲゲの鬼太郎が棲む森」との記載が!!
水木しげるの「墓場の鬼太郎」「ゲゲゲの鬼太郎」では、布多天神社の本殿の裏の森に鬼太郎が棲んでいるという設定であるそう。調布に暮らしていた水木しげるは、墓地とつながるこの森を見て、作品の構想を練ったと考えられています。
2018年~2020年に放送された「ゲゲゲの鬼太郎(第6シリーズ)」では原作を踏まえ、布多天神社の裏の御神域を鬼太郎が棲む森として描かれており、布多天神社も多く登場しているそうです。
おまけで鬼太郎茶屋
ゲゲゲな気持ちが高まった方は、すぐ近くにある鬼太郎茶屋への立ち寄りもおすすめ。以前は深大寺の参道にあったのですが、建物の老朽化により駅チカな天神通り商店街に移転してきました。
ここでは妖怪グッズやカフェメニューを楽しむことができます。様々なグッズが並ぶ中で、気になったのはコチラ!
これは砂でできた妖怪フィギュア。その砂はなんと鳥取砂丘のものであるそう。水木しげるの故郷、鳥取県に縁のあるアイテムなのです。
買うならやっぱり「砂かけばばあ」でしょうかね?
アクセスと参拝情報
京王線の調布駅から徒歩5分。
開門時間 | 6:00~16:00 |
---|---|
料金 | 無料 |
公式サイト | http://fudatenjin.or.jp/ |
※掲載の情報は2025年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント