モダンなアートミュージアム『大分市アートプラザ』(大分市)

大分県

大分城(府内城)のすぐ隣に建つアートミュージアム。磯崎新によって造られたデザイン性の高い建築は圧倒的な存在感を放ちます。館内ではホール空間に「ネオ・ダダ」と呼ばれるアーティストたちの現代美術作品がずらりと並んでいました。

訪問日:2024/4/4(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

目を引くコンクリート建築

大分城址公園の西側に建つモダンなコンクリート建築。こちらは大分市アートプラザという複合文化施設。

幾何学的なデザインのコンクリートを積み上げたような不思議な外観をしています。

この建築を手掛けたのは大分市出身の建築家・磯崎新。1966年に竣工した当初は大分県立大分図書館でしたが、1996年の図書館移転にともない、1998年に文化情報の交流の場「アートプラザ」として生まれ変わりました。

1998年には公共建築百選に選定。さらに2003年にDOCOMOMO Japanが選定する日本におけるモダン・ムーブメントの建築にも選ばれます。そして、2022年(令和4年)10月31日には、国の登録有形文化財に登録されました。

館内は「60′Sホール」「磯崎新建築展示室」「市民ギャラリー」の3つがメインの展示室。今回は「60′Sホール」「磯崎新建築展示室」の2つを見学させていただきました。

訪問前に知っておきたいコト

【1】開館時間
アートプラザの開館時間は9:00~22:00。夜遅くまで利用できるので、スケジュールに組み込みやすいのが魅力です。ただし2F「ミュージアムショップ」は17:00まで、3F「磯崎新建築展示室」は18:00までとなっています。それでも早いわけではありませんが、訪問する際はご注意を。
【2】入館料
アートプラザの入館料はなんと無料!「60′Sホール」も「磯崎新建築展示室」ももちろん無料で見学できます。諸注意の説明や展示室の案内がありますので、受付にはお立ち寄りください。
【3】写真撮影
作品は撮影OK!ただし、著作権の関係でSNSアップはNG。また、三脚、フラッシュは禁止です。

ということで写真はたくさん撮りましたが載せられません!当ブログは文章力の低さを写真に頼りまくっているので、今回の記事は少々苦しい戦いになりそうです。

①60′Sホール

60′Sホールは、大分市美術館所有の現代アートを展示したスペース。2〜3階吹き抜けの大空間の左右に作品がずらりと並びます。

訪問時は1960年代前半に活動した前衛芸術家グループ「ネオ・ダダ」を中心とする現代美術の作品を展示した展覧会が開催中。期間が長いので、ほぼ常設展示と考えて良さそうです。

「ダダ・リバイバル」
会期:2023年9月30日~2026年3月31日(最長)
観覧時間:午前9時~午後10時
休館日:年末年始(12月28日~1月3日)のみ
観覧料:無料

1910年におこった芸術運動「ダダ」。様々な分野において反芸術・不合理を標榜し革新的なアプローチが繰り広げられます。一度はシュールレアリスムへと発展的解消を遂げますが、第二次世界大戦後の不安定な世界情勢にて再燃。

廃材を利用した篠原有司男のジャンクアートをはじめ、吉野辰海、レッド・グルームス、風倉匠といった芸術家の大胆でありながらも繊細な作品を見ることができました。

②磯崎新建築展示室

3階の展示室では、建築家・磯崎新の建築に関する模型や資料などを展示しています。

「磯崎新のデザイン術」
会期:2023年9月30日~2026年3月31日(最長)
観覧時間:午前9時~午後6時
休館日:年末年始(12月28日~1月3日)のみ
観覧料:無料

磯崎新は、大分県大分市出身の建築家。丹下健三研究室で黒川紀章らとともに東京計画1960に関わったり、くまもとアートポリス事業の初代コミッショナーを務めたりと様々な現場で活躍。2019年には「建築のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を受賞します。

「北九州市立美術館」(福岡県)、「奈義町現代美術館」(岡山県)、「グローバルタワー」(大分県)、「水戸芸術館」(茨城県)など、一度見たら忘れられないような特徴的な建築も多数。知らず知らずに彼の作品を記憶しているかもしれません。

展示室では、そんな磯崎新による建築模型がずらり。「円筒形」「半円筒形」といったテーマに合わせて様々な建築が並んでいます。円柱と四角柱という2種類のツインタワーからなる「香椎浜集合住宅」、巨大な内部空間が広がる「東京都新都庁舎計画」など実現しなかった建築模型も。もし東京都庁でこの案が採用されていたらと考えるとわくわくしてきました。

色鮮やかな通路

なお、展示室をつなぐ通路はグリーンやピンクでとってもビビッド。つやつやの床のリフレクションもあざやかです。

さきほどの60′Sホールに架かる橋も、同様にカラーリングされています。展示された作品を上から見ることができるのもまた新鮮です。

建築はもちろん、60′Sホールのインパクトある作品からたくさん刺激を受けることができるスポットでした。磯崎新建築展示室は少々難しめの内容だったのでさらっとしか見ることができず。建築に詳しい方でしたら、きっと何倍も楽しめるんだろうなといった印象です。ちなみにトータルの滞在時間は30分ほどでございました。

アクセスと営業情報

大分駅から徒歩10分。車の場合は大分ICから15分ほど。

駐車場は大分城址公園の「大分城址公園臨時駐車場」を利用しました。無料で利用できますが、駐車場受付にて利用の目的を聞かれます。「アートプラザ」と答えると駐車券を渡され、アートプラザの受付でチェックしてもらうというフローがありました。

開館時間 9:00~22:00 ※「磯崎新建築展示室」は18:00まで
休館日 年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.art-plaza.jp/

※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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