住宅街に突然現れる巨大な船『アイセルシュラホール』(藤井寺市)

大阪府

静かな町に突如姿を現すのは巨大な船「アイセルシュラホール」。まるで要塞か宗教施設のようなインパクトのある姿で、名前からもどんな施設なのか想像がつきません。ここはいったい何なのでしょうか?

訪問日:2025/10/18(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

住宅街に浮かぶ巨船

藤井寺市の住宅街に突然現れるのは巨大な船!これはいったい何なのでしょうか。

こちらはアイセルシュラホールという、地域のコミュニティ施設と博物館が融合したスポット。インパクトがありすぎる外観は、三ツ塚古墳から出土した巨石運搬ソリ「修羅(しゅら)」と、岡古墳から出土した「船形埴輪」をモチーフしてデザインしたものです。

船は東を向いているので、外観の写真を撮りたい方は東側から向かうと、とっても良い感じです。

気になるのは「アイセルシュラ」というカタカナのネーミング。「アイセル」はActivity、Information、Consultation、Exchange、Learningの頭文字を並べたもの。そして「シュラ」は外観モデルとなった修羅から来ているそうです。

地域のコミュニティ施設

1階はライブラリーやカフェとなっており、にぎやかな雰囲気。地元の方が多く訪れています。2025年3月30日にリニューアル完了したため、ぴっかぴかです。

2階に「世界遺産ガイダンス・歴史展示コーナー」があるので、観光で訪れた場合はそちらを見るのがおすすめ。3階は生涯学習センターや公民館となっており、4階は屋内多目的広場。人工芝でゲートボールを楽しむおじいさんたちがいました。

1階には観光案内所兼ショップもあります。古墳クッションや埴輪ぬいぐるみなどの「古墳・埴輪グッズ」も多数取り揃えています。ついつい買ってしまいそうになりますが、それなりにお値段がするのが悩みどころ・・・。

巨大な古墳ジオラマ

2階へ進むと目に入るのは「世界遺産 百舌鳥・古市古墳群ガイダンスコーナー」。仲哀天皇陵古墳、津堂城山古墳などの古市古墳群の模型や、仲姫命陵古墳の7mを超えるジオラマが展示されています。

このジオラマは、カプセルトイでおなじみの海洋堂が制作したもの。墳丘に敷かれた葺石や、ずらりと並ぶ円筒埴輪など細部まで丁寧に仕上げられています。壁に描かれたポップな解説イラストもわかりやすくて良いです。

このジオラマ、トイレの側の通路から見ると断面図を見ることができます。そこに見えるのは納められた石槨。ここに被葬者で眠っていたのですね。

かわいすぎる水鳥形埴輪

続く「歴史展示コーナー」は、古墳や遺跡からの出土品をはじめとした様々な歴史資料が展示されています。

こちらの大きな展示物は「西墓山古墳の主体部」。墳丘の中央に掘られた穴には、鉄製の武器や農耕具が入った箱が納められていたそうです。

横たわるカプセルのようなものは土師の里8号墳から出土した「円筒埴輪棺」。内部に少量の骨が残っており、若い男性が葬られていたことがわかっています。

津堂城山古墳より出土した「水鳥形埴輪」も展示されています。コハクチョウを模したと考えられているその姿、アヒル口がとってもかわいらしいです。

「盾形埴輪」や「衣蓋形埴輪」、そしてこの建物のモデルにもなった岡古墳から出土した「船形埴輪」もあるのですが、国立民族学博物館の特別展「舟と人類 アジア・オセアニアの海の暮らし」に貸し出し中でした。

屋外に配置された石室

ひととおり展示を見終えたので外に出ると、そこには人口芝の広場が。このカタチ、前方後円墳ですね!

フェンスで囲われているのは移設された藤の森古墳の横穴式石室。応神天皇陵古墳のそばにあった、直径22mの円墳。小さな石が積み重なった石室はすぐに崩れてしまいそうですが、こんなにきれいに移設できるのですね。

さてさて、最後の一枚は入館口にあるこちら。

津堂城山古墳より出土した水鳥形埴輪のトリックアート。翼を広げて迫り来る姿と無垢な表情がインパクト抜群です!!

この後は歩いて「葛井寺(ふじいでら)」へ。月に一度の公開日を狙って、リアル千本手の千手観音像を見に行きます~!

アクセスと営業情報

近鉄南大阪線「藤井寺」駅より徒歩約10分。

開館時間 9:00~17:30
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.city.fujiidera.lg.jp/soshiki/shiminseikatsu/kankou/fujiiderasi-nigiwai-manabikouryukan/19441.html

※掲載の情報は2025年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました