園部の歴史を学ぶことができる歴史ミュージアム。古墳や遺跡の出土品の展示から、戦国時代、近現代まで幅広く展示されています。すぐそばに立つ天守閣の姿をした園部国際交流館もあわせて立ち寄りました!
知られざる園部の地
みなさま、園部(そのべ)をご存知でしょうか。京都市の中心部から少し離れた場所にある町で、現在は南丹市に属しています。ここは古来より、京都と山陰地方をつなぐ交通の要衝であった地。明智光秀の丹波平定によって、織田政権の支配下に入ります。江戸時代に小出氏が入ると、園部城を築き城下町を整備します。
実は私、まったく知りませんでした!!ちょうど京都の友人に車で案内してもらう中で、初めてその名を知ったエリアなのです。
そんな歴史深い土地にあるのが南丹市立文化博物館。かつての園部城の城郭の一部を整備した園部公園内にあります。入口には巨大なカワセミの像が設置されていました。

広々とした園内を進んでいくと、立派なお城の姿が見えてきます。

日本最後の城
この天守閣は、二条城などを参考にした模擬天守。いわゆる天守閣風の建造物です。

そもそも園部城は築城当初、天守閣がなく陣屋形式の建造物でした。建造されたのが戦国の世が終焉を迎えた江戸時代初頭。防衛のための拠点というよりは、政治の中心としての機能が重視されていた時代のお城だったのです。
幕末の動乱期に、京都と近いことから争いの影響を恐れた園部藩は江戸幕府に築城を申し出ます。大政奉還が行われますが、明治政府からも許可を得ることに成功し、櫓や堀を造営。陣屋から城郭へと姿を変えました。明治時代に入ってからの完成であったため、「日本最後の城」と称されています。
その建造物もほとんどが取り壊され、残された一部の建築は、学校の門などで利用されているそう。現在でも見学できるポイントはいくつかあるようです。今回は時間の都合でめぐれませんでしたが、次来たときは回ってみたいです!
まさかの交流スペース
この天守閣が文化博物館かなと思いきや、こちらは園部国際交流会館。イベントホールや会議室を備えた、地域交流のスペースなのです。

観光客が立ち寄る場所ではなさそうですが、5階が展望談話室となっているので、エレベーターで上ってみることにしました。設置されたモニターでは「園部藩のあゆみ」という映像も流れています。

窓から外を見ると、現在は学校となっているかつての本丸跡や小麦山、さきほど訪ねた生身天満宮などを見渡すことができます。

歴史を学べる博物館
さて、天守閣を出ると、すぐ隣に博物館があります。こちらが南丹市立文化博物館。入館料はおとな310円です。

館内は様々なものが展示されていますが、残念ながら撮影禁止とのこと。
池上遺跡・天若遺跡・大谷口遺跡の出土品である「縄文土器」や「尖頭器」、垣内古墳や黒田古墳の出土品である「鉄鏃」や「鏡」、徳雲寺北古墳群からの出土品の「家形埴輪」や「蓋形埴輪」など、歴史資料が多数並んでいました。
明智光秀の丹波攻略に関する展示や、水車や吸子などの稲作の道具、園部町上本町にて昭和以前から平成19年まで営業していた銭湯「旭湯」を再現した一角など、展示のバリエーションは豊か。特に銭湯は写真に撮れないのがもったいなく感じました。
というわけで、散策はこのあたりでおしまい。最後の1枚はこちらの写真。さきほどの天守閣へ向かう橋の下のお堀です。

あれよく見るとスタート台やラダーなどが置かれています。もしかしてここはプールでしょうか!?まさかのお堀プールに、思わずテンションが上がってしまいました!!
アクセスと営業情報
| 開館時間 | 9:00~17:00 |
|---|---|
| 休館日 | 月曜、年末年始 |
| 料金 | 310円 |
| 公式サイト | https://nantan-museum.jp/wp/ |
※掲載の情報は2025年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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