白石島からフェリーで金風呂港に降り立ったのが前回までのおはなし。まずは北木島最大の見どころである「石切りの渓谷展望台」へ!港から徒歩数分で、石の壁がそびえ立つダイナミックな渓谷が広がります。
お昼限定の展望台へ
石の産地として知られる笠岡諸島の北木島。全盛期には多数の石材業社が並び、次々と石が島外へと運ばれていきました。多くは閉業しておりますが、現在も営業を続けているのが鶴田石材。ここでは、採石場に展望台を設置し、「石切りの渓谷展望台」として開放してくれています。
見学は予約不要ですが、平日12:00~13:00、土日祝11:00~13:00と非常に限定的な時間であるため、島へ渡る際は考慮して計画を立てる必要があります。
こちらのプレハブ小屋が受付。入場料金は1,000円です。最初に、採石場の簡単な歴史などを説明してくれます。
このポスター、腕を組んでいるのは鶴田石材の社長ではありません。いったい何者かわかりますか・・・?
正解はいちばん最後に書きますね!
圧巻の石切り渓谷
さあ、これが石切渓谷展望台!!深い谷にそびえ立つ展望台、このスケール感は他ではなかなか体験できません。
谷の深さは70m。水が溜まっており、水面からは30〜40mとのこと。以前は排水も行っていましたが、現在は停止しているため水は日々増えています。
岩肌は、手作業の時代と機械化した時代では質感が異なっています。この写真だと、左側が手作業・右側が機械による採石の跡。その違いは一目瞭然です。
てっぺんに見える重機からは、現在も採石が行われていることが伝わってきます。ここで採れた石は、丸亀城(香川県)の石垣修繕に利用されているそうです。
展望台におじさんが常駐しており、いろいろと解説してくれました。なんと「石切唄」の披露も!手拍子とともによく通る声で歌われる石切唄。採石場によるホール効果で、周囲に響き渡ります。そんな音のソノリティ。
なお、この展望台、けっこう揺れます!!
耐震のためにわざと揺れるように設計されているそうですが、これがなかなかのスリル。展望台まで降りられない人もいました。
独特の景観広がる丁場跡
北木島の採石にかかわる名所は石切りの渓谷展望台だけではありません。金風呂港・豊浦港の周辺には、石にかかわる見どころがたくさん!
こちらの北木の桂林は、石を切り出す採石場「丁場」の跡。今岡丁場跡とも呼ばれています。そり立つ岩の壁に木々が広がり、山水画のような美しさ。
切り出した石を引き上げるためのウィンチも残っています。錆びついた姿がノスタルジックな佇まい。
採石道具の手入れを行っていた「ふいご小屋」もそのまま残されています。内部には道具もそのまま置かれていました。
北木の桂林のすぐ近くにあるのが大丁場。水が溜まった丁場湖には、なんと湖上のステージが設置されています。周りには石の座席もあり、イベントが開催されるそう。石の壁に包まれた空間、音がよく響き渡りそうです。
ベニスとトレビとメビウス
豊浦港へ向かって歩いていると、様々な石の見どころが。おもむろに置かれたこちらの石、残念石という名がつけられています。
何が残念なのかといいますと、もともと靖国神社の鳥居の予備であった石材ですが、奉納されなかったためこのような名で呼ばれるようになったそう。
採石の際に出た端材を組み合わせてできた船着場もあります。エメラルドグリーンの美しい海水とのコントラストがとっても鮮やか。イタリアの都市にちなんで北木のベニスとも呼ばれています。
北木のベニスの近くには、こちらもまたエメラルドグリーンのきれいな水たまり。石の端材が持つ浄化作用でキレイになっているそうです。こちらもまたイタリアにちなみトレビの泉と呼ばれています。コイン投げても良いのかな?
豊浦港のそばに立つのはメビウスの輪。兵庫県出身の彫刻家・牛尾啓三による作品で、北木石を使用した彫刻です。
島内を散策しているとモアイ像も見つけてしまいました!つるっとしており、肌艶の良いモアイ像。
日本各地のモアイ像を記録している私にとっては嬉しい発見!石材屋のモニュメントは対象外という気もしますが、観光マップにも載っていたのでリストインさせていただきます!

金風呂港からいろいろめぐってたどり着いた豊浦港。ここにはK’sラボというスポットがあるのですが、長くなったのでまた次回にしますね。
あ!冒頭のポスターの人物ですが、正解は千鳥・大悟さんのお父さん!番組の企画で撮影した写真であるそう。大悟さんに買ってもらった良い車を乗り回しているなど、ちょっとしたエピソードも聞かせてもらいました。
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