横浜港を見渡す眺めの良い場所として知られる港の見える丘公園。園内にはフランス領事館の遺構や展望台、さらには西洋館やミュージアムまであり見どころたっぷり。時間をかけてゆっくりめぐりたい公園です。
丘に広がる都市公園
小高い丘の上に広がる港の見える丘公園は、様々な見どころをそなえた人気の観光スポット。こんな晴れた日は2人で上りたくなる丘です。
この公園のある丘は、幕末の開港以降にフランス軍が駐留していた地であるため「フランス山」とも呼ばれています。公園入口に延びるツタに包まれた橋はフランス橋。公園の先は堀川を渡り、元町・中華街方面へと繋がっています。
園内は観光客はもちろん、ウォーキングや犬の散歩をしている人の姿も。周辺の人々の憩いの場なのでしょうね。
フランス領事館邸の遺構
階段を上り園内を進んで行くと、ツタに覆われた廃墟のような建造物が見えてきます。
こちらはフランス領事館邸の遺構。1875年にフランス軍が撤退した後、フランス山には領事館と領事館邸が建立されました。しかし、1923年の関東大震災によって倒壊。1930年に領事館邸が再建されるも、1947年に不審火により焼失してしまいます。この遺構は、その領事館邸の跡であるそう。
天井はなく壁しか残されていませんが、自由に中へ入ることもできます。
遺構の裏側にそびえ立つのは風車。公園整備に際し、かつてのフランス山をしのぶモニュメントとして設置されたものであるそう。写真ではわかりにくいのですが、羽の色はがフランス国旗にちなんだ「トリコロール (青・白・赤)」に塗り分け られています。
レンガ造りの井戸遺構
園内を進んで行くと目に入るのはレンガ造り井戸遺構。明治29年(1896年) のフランス領事公邸竣工時に、上水道が延びていなかったために設置されたものです。
円形にするため、使われているレンガは扇形というちょっと特殊なカタチをしています。
深さは約30m。井戸の中はライトアップしておりました。
水はすでに涸れていますが、植物が生い茂っており、その先には深い闇が続いています。なんだか吸い込まれてしまいそうな井戸です。
公園整備の工事に際し、井戸の周囲から 井戸水汲み揚げ用風車の基礎4基も出土したそう。先ほどの風車は、この井戸から水を汲み上げるためのものであったようです。
港を見渡す展望台
遺構を抜けた先にあるのは、広々とした展望台。大きくカーブを描く屋根と、多数のベンチが設置された開放的な空間です。
目の前に広がるのは横浜港のパノラマ。本牧埠頭やベイブリッジをはじめとした、港らしい景色が飛び込んできます。何もない午後の入江を往く船をただ見つめていたいですね。
ここから見える範囲は、あくまで横浜港。現在横浜のシンボルとなっているランドマークタワーなどみなとみらいの景色は見ることができないのでご注意を。
ちなみにですが、Wikipediaによると、いしだあゆみの楽曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』はここから見た景色をイメージしたものであるそう。また、B’zの『TIME』の歌詞に登場する「港が見渡せる丘」はこの公園を指しているそうです。
多数の洋館と記念館
さてさて、そんな見どころたっぷりな公園ですが、まだ終わりではありません。園内には「横浜イギリス館」「山手111番館」という西洋館、さらに「大佛次郎記念館」「神奈川近代文学館」というミュージアムも建っています。西洋館は無料で見学できますので、散歩ついでに立ち寄ってみるのもおすすめです!
なお、先ほど載せたフランス領事館邸の遺構は、フォトスポットとしても人気!普段あまり写真を撮らないのですが、ここに来るとついつい撮ってしまいます~!
アクセスと営業情報
みなとみらい線の元町・中華街駅の6番出口より徒歩5分ほど。
開園時間 | 24時間 ※フランス山の一部は夜間閉鎖あり |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/midori-koen/koen/koen/daihyoteki/kouen007.html |
※掲載の情報は2024年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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