1933年開業という長い歴史を持つロープウェイ。わずか3分で向かう展望台駅からは、中禅寺湖や華厳滝を一度に見渡すことができます。かつて運行していたケーブルカーの遺構もお見逃しなく!
歴史あるロープウェイ
第2いろは坂の終盤に広がる明智平。そこには、明智平ロープウェイの山麓駅「明智平駅」があります。
その歴史は長く、開業は1933年。戦時中には「不要不急線」として一時営業停止するも、1950年には営業再開。不要不急線となったロープウェイの中で復活したのはここだけであったそうです。
現存するなかでは日本で2番目に歴史のあるロープウェイとのこと。乗り場には、黒柳徹子、高木ブー、オノ・ヨーコ、藤子・F・不二雄と同い年という記載も。急に大御所感がただよってきました。
ここが2番目ということは、1番目はどこでしょうか?さくっと調べてみたところ、奈良県吉野山の「吉野山ロープウェイ」が1929年開通で日本最古のようです。こちらは住民の脚であり、如意輪寺参拝にも利用されたため、戦時中の営業停止は免れていたそう。
レトロなゴンドラ
運行間隔は9:00~15:30の間で毎時00分から10分おき。けっこう頻度が高く利用しやすいです。
ゴンドラは16人乗りの小型タイプ。東武N100系電車「スペーシアX」のラッピングが施されていました。
コースの全長は300m、高低差86m。所要時間約3分で「展望台駅」へと到着します。
開放的な展望台
標高1,373メートル地点に設置された展望台駅。駅舎の上が、広々とした展望広場になっております。
目の前に広がるのは、中禅寺湖・華厳滝・男体山といった奥日光のパノラマ。特に、中禅寺湖から華厳滝が流れ落ちる様子が見られるのはココならでは。
東側には、筑波山・鬼怒川といった関東平野の壮大な景色が広がります。
同じく東側から見ることができるのは、切り立った断崖の連なる屏風岩。全国に同じ名前の岩が多数存在していますが、そんな中でもスケールは飛び抜けています。
展望台の先は、中禅寺湖方面の「茶の木平」まで抜ける遊歩道。1時間30分ほどの道のりだそうです。楽しそうですが、車で来てしまったので今回はここまで。
展望台駅にはお店やパーラーなどはなく、景色を見るだけ。滞在時間は10分もあれば充分でした。
ケーブルカーの遺構
かつては明智平駅には明智平パノラマレストハウスという大規模なドライブインが建設されていたそうです。さらに、日光駅・東武日光駅から路面電車とケーブルカーがつながっており、この明智平までアクセスできたそう。様々な交通機関が接続する感じ、登山鉄道やロープウェイ、遊覧船が接続する「箱根」を思い出しますね。
駐車場から受付に向かって右奥へ進むと、そんなケーブルカーの遺構を見学することができます。
現在は下り専用の「第1いろは坂」と上り専用の「第2いろは坂」とルートがありますが、かつては「第1いろは坂」のみで、時間帯によって一方通行であったそう。ケーブルカーの開業により交通の利便性が大幅に向上しました。
「第2いろは坂」が開通すると、メインは自動車へシフト。その役割が薄れていき、1968年に路面電車が廃止、続く1970年にケーブルカーが廃止。現在はこのロープウェイだけが孤立するように残っております。
アクセスと営業情報
第2いろは坂をほぼ上りきったところに乗車場があります。いろは坂は上り専用の「第1」、下り専用の「第2」いずれも一方通行なので、うっかり通り過ぎてもUターンはできません。ぐるっと一周すると30分程かかってしまうので、見逃さないようにご注意くださいね。
駐車場は500円ですが、ロープウェイを利用すると駐車料金が無料に。受付で乗車券購入の際に尋ねてくれました。
開館時間 | 9:00~15:30 |
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料金 | 600円 |
公式サイト | https://www.nikko-kotsu.co.jp/ropeway/ |
※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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