石間港から時計回りに車でめぐる大入島(おおにゅうじま)。「カンガルー広場」「万葉歌碑」「神の井」といった名所をめぐっていきます。静寂の海に延びる一本道「海の細道」は島に来たら見逃せない絶景ポイント。
大入島食彩館
佐伯港から大入島の石間港に車を運んだのが前回までの話。島の周りを取り囲む道路を時計回りに進んで行くと、最初に見えてきたのが食彩館。
ここは、「ゴマだしうどん」などのメニューがそろうレストラン。「やまももジャム」や「やまもも飴」などお土産も販売しています。
この食彩館の目の前は、佐伯行マリンバスのりばでもあります。また、地元の人が集まるスポットでもあるようで、GWに開催される島まつりの準備で盛り上がっていました。恐竜のエア着ぐるみを着て走る「きょうりゅうレース」が開催されるらしいです。めっちゃ楽しそうですね。
カンガルー広場
食彩館の目の前は広々とした公園。寝そべるカンガルー像があるため、そのまんまカンガルー広場とも呼ばれています。
このカンガルーは、平成8年に佐伯市とオーストラリア・グラッドストン市が姉妹都市になった友好の証であるそう。
他にも、石で作られたモニュメントも。こちら、よくみると大入島のカタチをしており、マップになっています。高低差もしっかりと作られており、なかなの再現度。大入島ってユニークなかたちをした島ですね。
絶景・海の細道
お次は、大入島を代表する絶景スポット、海の細道へ。食彩館から北へ1kmほど進んだところにある恵比寿神社で左折すると入口が見えてきます。
民家のそばにある道が入口。白い小さな看板があるので、お見逃しなく。
未舗装ですが、広くて歩きやすい道。途中には案内板もあるので、ここまで来ればもう迷うことはないかと思います。
見えてくるのは波穏やかな入江。水面が鏡のようで美しい光景です。人の気配はほとんど無いため魚もたくさん、ゴミもまったく落ちておりません。ここは「船隠(ふなかくし)」と呼ばれるポイントであり、かつては船を隠していた場所であったようです。
その奥にあるのが海の細道。コンクリートで作られた堤防の道です。静かな入り江に延びる一本の道は、なんとも絵になる光景。この道もまた、実に渡りたくなる道です。
ささやかな波の音と鳥の声、静かな雰囲気もあいまって神秘的なスポットでした。
謎多き加茂神社
船隠からさらに北上し、周回道路から一本それたところにあるのが加茂神社。異世界に通じて神隠しにあってしまいそうなトンネルを抜けた先にあります。
木立に包まれた石の鳥居。苔むした姿は、荘厳な雰囲気です。
鳥居の先には立派な社殿が建てられております。保戸島のように京都の上賀茂神社を勧請したのかと思いますが、由緒などの記載がなく詳細は不明。ネット上にもほとんど情報がなく、謎が多いです。
万葉歌碑と人形碑
島の北部にある名所が万葉歌碑。まるで海の上に浮かぶように設置されてます。どうやって置いたのか気になるところ。
そこに刻まれているのはこちら、万葉集にある豊後国の白水郎(漁師・海人)の歌。
にほいはすとも 移ろはめやも
紅花で染めた衣は雨に濡れて色濃くなる事はあっても、決して褪せて色が薄くなるような事があろうか、いやありはしない、といった意味であるそう。
万葉歌碑のすぐ傍にあるのが人形碑(にんぎょうばえ)。特に案内などは見つけられませんでしたが、人の形に見える岩とのことなのでたぶんコレだと思います。
伝説残る神の井
島の北部の集落日向泊には、神の井と呼ばれる場所があります。ここには、初代天皇・神武天皇にまつわる伝説が残されています。
かつて神武天皇が東征の途中に、飲水を求めて日向泊の海岸に立ち寄りました。しかし、島に水がないことがわかります。これに心を痛めた天皇は、持っていた弓矢を地面に突き立てます。するとそこから清水が湧き、井戸ができ上ったそうです。
注意点としては、ここには駐車場もなく、路肩に停められるスペースもありません。交通量は少ないためさっと見るだけなら一時的な路上駐車も可能ですが、長く停められる雰囲気ではないです。
じっくり見たい方は、神の井から北に400mほどの日向泊港に停めて歩いて向かうのが良さそうです。
そろそろ帰りのフェリーの時間が近づいてきたので、石間港へと戻ります。
帰りも乗船時と同じように、券売所に車検証を持っていき、乗船券を購入。行きと同様に他に車はなかったので、一番乗りでした。
今回の滞在時間は1時間38分というショートステイ。車があったので、そこそこ観光名所をまわれましたが、ちょっとサクサク進み過ぎた感じもあります。
次は天気が良い時に自転車でぐるっとまわってみたいところです。
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