曲線的なの石とガラスでできた空間が広がる石の教会。太陽光や植物に包まれており、自然に溶け込んだ神秘的な建造物です。人気のスポットですが、結婚式場であるため見学できる時間は限られています。事前に見学時間を確認の上、訪問するのがおすすめです。
※2022年11月28日より補修工事を行っており、見学は停止しております。再開は2023年の5月ごろとのことです。
見学時間にはご注意
軽井沢の人気スポット石の教会。普段はチャペルとして結婚式が行われている場所ですが、タイミングが良ければ無料で見学させてもらえます。
とりあえず向かってみたのですが、「本日は結婚式のため見学不可」!!たまたま居合わせたスタッフさんに尋ねてみたところ、金土日祝の見学時間は朝の7:30~8:30の間のみらしい。人気の結婚式場なので、どうしても限られた時間になってしまうそう。このあたりは時期によって変わったりすると思いますので、訪問予定の方は事前確認をお忘れなく。
今夜は軽井沢周辺で車中泊する予定なので、明日の朝再チャレンジします!軽井沢の美術館って、その多くが10:00オープン。朝行ける観光スポットは少ないのでちょうど良かったです。
森の中を歩いて
気を取り直して翌朝、7:20に駐車場へ。もしかして混雑して駐車場も入れないのでは・・・・かと思いきや、そこそこの人手。集まっているのはおそらく20人くらいでした。
入口にはガラス屋根の付きの曲線で構成された木のベンチ。ここでしばらく待っていると、7:30を少し過ぎたくらいにスタッフさんがやってきて道を開けてくれました。
教会までは、森の中の石畳を歩きます。早朝の森ってなんて清々しいのでしょうか。
こちらが石の教会の外観。外からみると石でできた曲線の構造物です。石とガラスのアーチが徐々に立ち上がるデザインは、試練を乗り越えて成長していく人生を表しているそう。
現代的な装飾などは控えており、どことなく未開の惑星の原住民の住みかのような、プリミティブなイメージを受けます。言われないと教会とはイメージしにくいデザインです。
静かに建つ石の教会
石に包まれた教会の入口。なんだか洞窟の中に入るような気分です。
この石の教会を手掛けたのはケンドリックケロッグという建築家。自然界に存在する生き物のような建築を目指した「オーガニック建築」を提唱しています。近代建築の巨匠と呼ばれるフランクロイドライトの弟子にあたるそう。
独特な雰囲気の教会は『天地創造の五大要素:石・光・水・緑・木』によって構成されているとのこと。撮影禁止の礼拝堂では、石積みの中に太陽の光と流れる水の音、そこから育つ緑の植物、暖かみのある木の椅子と五大要素がフルに生きた空間となっていました。
五大要素といえば、中国の五行思想「木火土金水」や仏教の「地水火風空」が浮かびますが、この「石光水緑木」というのは、何かの思想に基づくのでしょうか?ちょっと検索してみたのですが、石の教会以外で使用されているシーンは見当たりませんでした。
内村鑑三ってどんな人?
石の教会の正式名称は石の教会・内村鑑三記念堂。教会内部には、内村鑑三の生涯を解説したパネルや直筆の書が展示されています。なんとなく名前は知っていましたが、内村鑑三とはいったいどのような人物であったのでしょうか。
内村鑑三はキリスト教の思想家。アメリカ留学時に現地でのキリスト教のあり方に疑問を持ち、信仰の制度化・儀式化には常に警戒し続けていました。
内村鑑三の名を世間一般に広めたのが内村鑑三不敬事件。教育勅語奉読式で、天皇の署名に対してただ一人最敬礼のお辞儀をしなかったことが同僚や生徒から非難され、社会問題となりました。(敬礼をしなかったわけではなく、最敬礼をしなかっただけだったそう)
この事件を受けて、内村鑑三は日本中からバッシングを受けてしまいます。その後、『教会は祈りの場であって、建物のことではない 私たちが心から祈ることができるすべての場所が真の意味での教会である』という思想、無教会主義を提唱しました。
カリスマ性が高く激しい人だったといわれていますが、個人的には純粋で真っ直ぐ、そして不器用な人といった印象を受けました。
無教会主義の人物を記念して教会を造るのは一見すると矛盾しているようにも見えます。しかし、無教会主義というのは形骸化した宗教体系・組織の否定であり、教会そのものを否定するわけではないものと取れるので、相違は無さそうです。その証拠に、この石の教会は教会とはつきますが、特定の宗派や教団には属していないようです。
アクセスと営業情報
上信越自動車道の碓氷軽井沢ICより20分、小諸ICより25分。ホテルブレストンコートに隣接しています。
見学時間 | 10:00~17:00 ※土日祝日は結婚式の関係で早朝のみとなることがあります |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.stonechurch.jp/ |
※掲載の情報は2022年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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