京都北部の綾部市に鎮座する私市円山古墳公園は、府内最大規模を誇る巨大な円墳。再現された葺石や円筒埴輪で、古代の雰囲気を存分に味わうことができます。自由に登ることができる墳丘上部からは、田園風景や車が走り抜ける高速道路など、様々な眺めを楽しむことができます。
見学自由な大型古墳
京都府綾部市にある私市円山古墳(きさいちまるやまこふん)は、古墳時代中期に築かれたとされている古墳。舞鶴若狭自動車道(旧・近畿自動車道敦賀線)の建設に伴い発見されました。古墳発見に伴い道路建設はトンネルに変更され、墳丘は保存されることになりました。
綾部市によって復元・整備が行われ、1993年に「私市円山古墳公園」としてオープン。自由に見学することができるようになりました。
駐車場からはこちらの小さな入口を進みます。非常に控えめなので、最初入り口が見つからずさまよいました。
木々に包まれた道は、軽い登山気分。整備されていますが、ずっと登りなので少々ハード・・・かと思いきや、わずか3分くらいなのでご安心を。
京都最大級の円墳
木々が開けると、すぐに芝生に包まれた墳丘が見えてきました。こんもりとした丘は、まさに古墳の墳丘の姿。
私市円山古墳の形状は「円墳」という丸いタイプの古墳。その墳丘は直径70メートル、高さ約10メートルと京都府内の円墳の中で最大規模を誇ります。
墳丘は3段構成になっており、斜面には6万個もの葺石が、平坦部には1,000本余りの円筒埴輪が並べられていたそう。その姿は一部復元されて、埴輪も並べられました。レプリカではありますが、このような演出があるとイメージがしやすく、古代ロマンに浸ることができますね。
墳丘からの眺望
墳頂部にはベンチが設置されており、抜群の眺望を楽しむことができます。
眼下を通り抜けるのは、冒頭で触れた古墳発見にかかわる高速道路・舞鶴若狭自動車道。古墳に並ぶ埴輪越しに引っ切り無しに行き交う車を眺めるというのも、なかなか新鮮です。
ゆったりと流れる由良川と、水を張った田んぼも美しい。5月の水を張った田んぼは、太陽の光を反射してキラキラ輝きます。ここは夕陽スポットとしても知られており、訪問時には三脚を立てたカメラマンさんの姿も見えました。
被葬者は誰?
最上部の地面に記された跡、こちらは埋葬施設を示したもの。写真に映る第1主体部と第2主体部、そして少しだけずれた第3主体部の3箇所に埋葬施設が設けられていたそうです。
副葬品として第1主体部からは鎧、兜、鉄鏃、鉄剣、鏡などが、第2主体部からは鉄鏃、鉄刀、農工具、玉類などが発掘されたそうです。さらに、外側の埋葬施設からは当時としても貴重な金箔を張った胡簶(ベルト付き矢袋)が見つかったそう。
被葬者については、他の多くの古墳同様はっきりとわかってはおりませんが、古墳の規模や豪華な副葬品から、この地域を治めていた王であったと考えられています。
古墳からの眺めの良さは、きっと今も昔も変わらないことでしょう。その昔、山は信仰の対象であった時代もあります。古墳という巨大な墳墓を造り上げたのは、そんな山を自ら作り上げて神になろうとした、もしくは周りの人が神として祀ろうとしたのかな、と思えてきました。
アクセスと営業情報
最寄り駅は高津駅で、約2km・徒歩25分ほど。綾部駅よりバスで24分のバス停《湯殿》下車、徒歩5分でアクセスすることもできます。
福知山城から車で15分ほどなので、合わせての訪問もおすすめです!
開園時間 | 見学自由 |
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公式サイト | https://www.ayabe-kankou.net/spot/kisaichimaruyamakofun/ |
※掲載の情報は2022年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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