東条湖に生息している淡水魚をメインに展示している小さな小さな水族館。写真映えするような水槽はありませんが、その代わりじっくりと生き物に向き合えます。小さいころにサカナを捕ったりしたことがある方は、なんだか懐かしい気分になってしまうかも。
湖畔に立つミニ水族館
兵庫県加東市にある鴨川ダムによってできた東条湖。アクア東条はその湖畔に立つ淡水魚水族館で、1988年にオープンしました。入館料は無料なので、ドライブついでなどに気軽に立ち寄ることができます。
館内に入ると、大きなニシキゴイ水槽のまわりに小さな水槽が並ぶ。展示室はこの一部屋だけという、とってもコンパクトな水族館です。
様々なタナゴやカワムツ、さらには外来種のオオクチバスやブルーギルなど、東条湖で見ることができるサカナを中心に展示しています。
珍しい淡水魚
シルバーに輝くイトモロコ。小さいサカナですが、コイの仲間。口もとをよくみるとヒゲが生えています。岐阜・愛知・三重にまたがる濃尾平野以西に生息しているため、関東では見ることができません。
すいすいと泳ぐカワヒガイ。西日本に暮らす小型のコイの仲間です。黒い一本線の模様と黄色いヒレが特徴的ですが、成長するとオスは婚姻色に染まり、目やエラが赤く染まるそうです。ヒガイは漢字にすると「鰉」と書きます。かつて明治天皇が滋賀県で昼食に献上されたヒガイを気に入ったというエピソードからサカナへんに「皇」の字が当てられたそう。そんなに美味しいのでしょうか・・・?
真っ黒いハゲギギ。ナマズそっくりですが、ヒゲの数は8本と倍の数が生えています。背中や胸ビレにトゲがあり、さらに体をつかもうとするとヒレを振動させて「ギギッ」と大きな音を立てるという、高い防御スキルを持っています。
名前の由来はその音にちなんでいるようですが、ハゲはどこから来ているのでしょうか?ギギの仲間ってほぼ全てハゲていると思うのですが・・・・。ちなみに煮付けや天ぷらにするとかなり美味しいらしいです。
魔法のような好適環境水
「好適環境水」をご存知でしょうか。岡山理科大専門学校の山本俊政アクアリウム学科長が発明した特殊な水で、海水魚が暮らすために必要な成分であるカリウムやナトリウムを上手く溶かした人工飼育水です。
これを使用すると、海水魚も淡水魚も同じ水で飼育することができるのです。貼られている紙にはルリスズメダイ(海水魚)、クマノミ(海水魚)、ニシキゴイ(淡水魚)、タイリクバラタナゴ(淡水魚)が共存と書かれています。
通常なら絶対に混泳することのない魚が一緒に泳いでいる姿は胸アツ!そう思ったのですが、実際にその姿は見えず。今はやっていないのでしょうか?
尋ねてみたところ、最近アクシデントがあったため、2021年9月現在海水魚は休止中とのこと。近いうちに再開する予定だそうです!
ウーパールーパー
淡水魚の他にもイシガメやスッポンなど爬虫類や両生類も飼育されています。そんな中でも目を引くのがウーパールーパー。10匹以上飼育されており、20cmくらいの大型の個体も多く、なかなか見応えあります。
メキシコ原産のサンショウウオの仲間で、正式名称はアホロートルといいます。通常のサンショウウオは大人になるとエラが見えなくなるのですが、この種類は子供の姿ままで成熟するという不思議な生態をもっています。
真っ白な体と真ん丸のお目々がとってもキュートで、飼育も用意なことからペットとしても人気。特に1980年代には一大ブームを巻き起こしました。
なんだか妙に凄みのある個体も。目を光らせて歩み寄ってくる姿は、まるでタタリ神みたいです。
アクセスと営業情報
公共交通機関でのアクセスは難しめ。最寄りのバス停は中国ハイウェイバス・東条バス停ですが、そこから徒歩で30分かかります。
すぐ近くに東条湖おもちゃ王国という遊園地があり、新三田駅から無料送迎バスが出ています。合わせて訪問する、というのもアリかと。
車の場合は中国自動車道のひょうご東条ICから車で6分ほど。無料駐車場あります。
開館時間 | 9:30~17:30 ※10〜2月は10:00〜16:00 |
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休館日 | 木曜、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.hyoturi.or.jp/aqua/ |
※掲載の情報は2021年11月時点のものです。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
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