縄文の女神とカイギュウの化石『山形県立博物館』(山形市)

山形県

霞城公園内にある山形県立博物館。国宝に指定された貴重な土偶「縄文の女神」や「ヤマガタダイカイギュウ」の化石をはじめ、山形県らしい展示が魅力のミュージアムです。

訪問日:2024/5/2(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

お城の中の博物館

山形県立博物館は、山形城跡を整備した霞城公園内にあります。明治百年記念事業の一環として1971年にオープン。地学・植物・動物・考古・歴史・民俗など、様々な分野の展示を行うミュージアムです。

展示室は昔ながらの博物館といった雰囲気。びっしりと書かれた解説パネルは非常に読み応えあります。

こちらは高畠町にある、縄文時代に人が暮らしていた日向洞穴の再現ジオラマ。縄文人を模した人形も置かれており、イメージしやすいです。

山形県のシンボルである県の鳥オシドリ、県の獣カモシカ、県の魚サクラマスが剥製で展示されています。都道府県のシンボルって意外と知られてない気がします。皆様は、自分の住んでいる都道府県のシンボル、わかりますか・・・?

ヤマガタダイカイギュウ

圧倒的な存在感を放つのはヤマガタダイカイギュウの全身骨格模型

1978年、小学生によって最上川にて発見。当初はクジラと考えられていましたが、歯がみつかると違う動物であることがわかります。1982年に海牛類の研究者ドムニング博士の鑑定により新種のカイギュウと判明、地名を冠してヤマガタダイカイギュウと名付けられました。

カイギュウというのは、水中生活に適応して後ろ脚が退化、前脚はヒレになった哺乳類。ゾウと同じ祖先を持つ動物であり、現代におけるジュゴンやマナティーの仲間です。このヤマガタダイカイギュウは全長3.8m程度であったと推測され、ジュゴンやマナティーよりも一回り大きかったと考えられています。

縄文の女神

さて、この博物館の目玉といえば「縄文の女神」。山形県舟形町にある西ノ前遺跡から出土した土偶で、縄文時代中期に製作されたと考えられています。

日本で発掘された土偶の中では最大級で、その高さは約45cm。八頭身の美しい容貌から、「縄文の女神」という素敵過ぎる名前が付けられました。

よく見ると小さな穴がたくさんの空いており、ここには鳥の羽を挿したり紐を通していたと考えられています。もし鳥の羽を挿していたら、さらに存在感強めなビジュアルになりそうですね・・・!

1992年に尾花沢新庄道路建設の際に発掘されます。当初は5つのパーツに分かれた状態でしたが、組み合わせることで完全な姿として復活。このような完全な姿が残る土偶は非常にレアで、2012年9月6日に国宝に指定されました。

■残る4つの国宝の土偶
縄文の女神以外の国宝土偶はこちらの4点。まだいずれも見たことがないので、いつか制覇したいところです。
・「縄文のビーナス」(長野県茅野市)
・「仮面の女神」(長野県茅野市)
・「中空土偶」(北海道函館市)
・「合掌土偶」(青森県八戸市)

テンサラバサラ

最後に、個人的に気になったこちらを紹介させてください!

この白いモフモフは、テンサラバサラ。2月から3月にかけて、神社や森の中で天から舞い降りてくるものです。

拾った人は、一生幸福にめぐまれ、家族も健康になるという良いことづくめ。もし見つけたら、食べ物のオシロイとともに桐箱に入れ、さらに呼吸穴もあけて家宝として神棚に祀る慣わしがあるそう。

生き物の要素は感じないけれどまるで生き物のような扱い、そしてフワフワな姿・・・。これは「ケサランパサラン」ですね。

ぜひ出会ってみたいところですが、注意として「1年に一度しか見てはいけない、2度見ると幸せが逃げてしまう」という点があげられます。

この博物館で見たのも1回にカウントされるのでしょうか?もしそうであるならば、今年1年はゼッタイに見たくないです・・・!

アクセスと営業情報

JR山形駅西口から徒歩10分。車の場合、霞城公園は北門からのみ入ることができます。駐車場は博物館前にもありますがわずか10台ほど。

今回は、北門から入って左折した先にある公園管理事務所の近くの駐車場に停めて、大手門などを見学しながら向かいました。

開館時間 9:00~16:30
休館日 月曜、年末年始
料金 300円
公式サイト https://www.yamagata-museum.jp/

※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

  1. […] […]

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