珍しい医療系ミュージアム『健康と医学の博物館』(文京区・本郷)

東京都(23区)

東京大学本郷キャンパスにある、健康と医学をテーマにした小さなミュージアム。近代医学の歴史から、現代における健康まで、幅広く扱っています。内容は難しめですが、ちょっとした体験コーナーも備えております。

訪問日:2025/8/31(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

医学部併設のミュージアム

健康と医学の博物館は、東京大学医学部・医学部付属病院の創立150周年記念事業として、2011年にオープンした大学博物館。本郷キャンパス内の東大病院外来診療棟の向かい、竹内調剤薬局とアイン薬局の間に入り口があります。

レンガ造りの外観は重厚な佇まい。ここは大学博物館としては珍しく土日祝日でも開館しています。

受付はありますが、手続きは不要。入館料も無料なので気軽に入れるミュージアムです。ちなみに同じく本郷キャンパス内にある「東京大学総合研究博物館」は平日のみのオープンなのでご注意を。

医学史を学べる展示

廊下の左右に小さな展示室が複数並ぶスタイル。常設展示室が3部屋、企画展示室が5部屋で構成されています。

常設展示室では「近代から現代への医学の歩み」がメインテーマ。安政5年(1858年)に設立されたお玉ヶ池種痘所にはじまる東京大学医学部と附属病院の歴史、世界で初めて発生に成功した人工癌、がん細胞の研究の道を開いた吉田肉腫など、様々な切り口で医学の歴史が語られます。大学博物館らしく、研究業績なども記されていました。

難易度の高いテーマですが、読みやすい解説パネルと、さらにはQRコードによる音声ガイドまで備えており、わかりやすく工夫がされています。

様々な医学史料

明治14年(1881年)に来日したドイツの外科医、ユリウス・カール・スクリバが東大在職時に使用した機器。添えられた「耳鏡」「咽頭鏡」などの名称から、なんとなく使用用途が見えます。

「ガストロカメラV型」「ファイバースコープ付胃カメラ」という胃カメラの展示も。世界で初めて実用化された胃カメラは日本製であったそうです。私はまだ未経験の胃カメラ、いつか飲む時が来るのかと思うと早くもドキドキしてきました。

こちらの万年筆のようなもの、いったい何かわかりますか?

これは旧看護学校にて使用されていた体温計。木や金属のケースとともに展示されています。「ゼヒ体温計」「キバ体温計」など、今では名前を見ないものから「オリンパス」のように今も名前が残っているものまで。

健康に関するあれこれ

企画展示室はカジュアルな雰囲気。健康についての展示が広がっています。

並んでいる食品サンプルは、糖質や塩分量が記載されています。それぞれを抑えた献立メニューや、食べる順番など、健康的な食生活へのアドバイスがされています。

運動器症候群ロコモティブシンドロームのチェックも可能!大股でどれくらい歩幅が開けるか、座った状態から立ち上がれるかを測定して、ロコモ度判定が可能です。

血圧測定器もあります!たまにはと思い測ってみたところ、最高98:最低64という数値でした!たぶん、低血圧っぽいですね。

他にも顕微鏡体験や人工関節の実物、展示内容に関連した絵本など、幅広い世代が楽しめる展示が並んでいます。じっくり見ても、30分程度で見終えるボリューム。入館料無料なので、近くを訪れた際は、気軽に立ち寄ってみても良さそうです。

なお、今回日曜の午後に訪問したところ、来館者は私以外に誰もいませんでした!混雑とは無縁のスポット、静かに過ごしたい方にもおすすめのミュージアムでした。

このあとは、同じく東京大学内にある「農学資料館」へ。こちらはこの健康と医学の博物館よりもさらに小さなミュージアムなのです。

アクセスと営業情報

・都営地下鉄地下鉄大江戸線の「本郷三丁目駅」より徒歩8分
・東京メトロ丸ノ内線の「本郷三丁目駅」より徒歩10分
・東京メトロ千代田線の「湯島駅」より徒歩12分
・東京メトロ千代田線の「根津駅」より徒歩12分
・東京メトロ南北線の「東大前駅」より徒歩12分

開館時間 10:00~17:00
休館日 水曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/

※掲載の情報は2025年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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