瀬戸内市の特産であるオリーブの木が一面に広がる広大なオリーブ園。日本のエーゲ海と呼ばれる瀬戸内海の眺めに加えて、オリーブショップやフォトスポットでのんびりと楽しむことができます。
絶景広がるオリーブ園
岡山県瀬戸内市の牛窓(うしまど)は、穏やかな瀬戸内海に面した港町。古くは風待ちや潮待ちの港として栄え、近年は「日本のエーゲ海」とも呼ばれる人気のエリアです。
そんな牛窓において人気な観光スポットが牛窓オリーブ園。日本オリーブ会社によって1942年に開園しました。戦時中である開園当時、軍部から食料増産のための畑の開墾要請を受けた創業者の服部和一郎は「オリーブは栄養もよく、薬用にもなり、灯にもなり、自然も守る」との信念からオリーブを植樹したのがはじまり。現在では「小豆島オリーブ園」と並ぶ、国内最大規模のオリーブ園が広がっています。
入園は無料なので、観光ついでに立ち寄るのにもぴったり。純粋に眺めを楽しみたいだけの方にもおすすめなスポットです。
オリーブショップと展望台
山頂広場に立つのは特徴的な建物。1階がオリーブショップとなっており、様々なオリーブ加工品を販売しています。
オリーブオイルはもちろん、シャンプーや化粧用オリーブオイル、オリーブの木でつくったスプーンやお皿なども。オリーブのソフトクリーム販売、2階にはカフェ「山の上のロースタリ」も入っています。展望を楽しみながらひと休みしたくなりますね。
さらに3階のテラス、そして5階部分は展望台となっています。階段でえっちらと登っていくと、目の前に広がるのは日本のエーゲ海と称される牛窓の海の景色。
5階まで上るとけっこうな高さ。錦海湾の牡蠣筏や、天気が良いと淡路島や明石大橋も見えるそう。今日は天気が良いのでとっても気持ち良いです!
多数のフォトスポット
園内にはフォトスポットが多数。オリーブショップには、フォトマップが掲示されており、これをめぐってみるのもオリーブ園の楽しみ方のひとつ。
人気なのは幸福の鐘。日本オリーブ会社の創立50周年を記念して1999年に設置されたもので、心を込めて3回鳴らすのが良いそう。園内では訪れた人が鳴らす鐘の音が鳴り響いており、なんだか胸が高まります。
ピンク色のポストは「幸せを運ぶ恋ポスト」。恋人の聖地であることにちなみ2021年に設置されたものです。オリーブショップでお手紙セットも販売しており、気になる方に手紙を送ることもできます。
オリーブショップで見つけたのはウルトラマンA!窓辺に置かれているため、瀬戸内海をバックに佇む姿で写真に撮ることができます。このオリーブ園は、16話「怪談・牛神男」のロケ地。超獣カウラが登場した回ですね!
アート作品も楽しめる
突如現れる支え合うように立つ石。こちらはアート作品《大地の骨》by 寺田武弘で、これまた眺めの良い場所に置かれています。
この牛窓オリーブ園では牛窓国際芸術祭が開かれており、この作品は1992年に制作されたもの。園内には他にもいくつかの作品が屋外展示されています。
こちらの赤屋根と呼ばれる建築は、開園から10年後に建てられた「清風亭」。画家のアトリエや個展会場、ワークショップスペースとして使用されているそうです。
ローマの丘の柱の正体
オリーブショップから歩くこと10分弱、ローマの丘と呼ばれる場所にたどりつきました。
遺跡のような柱が並ぶ、異国情緒あふれる広場。オリーブショップ周辺は多くの人でにぎわっていましたが、ここはほとんど人がおらず、とっても静か。瀬戸内海の景色を独占できます。
でもちょっと気になるのが、こちらの柱、なんだか壊れているように見えます。遺跡感を出すためにあえて倒壊したような姿で造ったのでしょうか?
実はこの遺跡のようなもの、アート作品やモニュメントではありません。第二次世界大戦の空襲によって被災した「旧三井銀行 岡山支店」の一部であるそう。
最初は市内の学校の校庭に移設されていましたが、現在はここ牛窓オリーブ園に再移設されています。穏やかな景色が広がる中で、戦争の影を感じさせられます。
突然あらわれる古墳
園内を歩いていると、目に入るのは立入禁止の案内。
整備されてなかったり、植生保護のためかと思いきや、よく見ると、「古墳」と記されています。
牛窓オリーブ園には古墳が多数残されており、阿弥陀山古墳群と名付けられています。この牛窓エリアには100基以上、阿弥陀山古墳群だけで50基以上というかなりのボリュームの古墳があるそう。
今回は立入禁止とあったため、あまりしっかりとは見学しなかったのですが、牛窓オリーブ園の公式サイトには写真とともにいくつもの古墳が紹介されています。石が積まれた横穴式石室もあるようで、もっとちゃんと見ておけば良かったとちょっぴり後悔・・・。もし古墳に興味がある方は、園内散策ついでに探してみると面白そうです!
アクセスと営業情報
最寄り駅はJR赤穂線の邑久(おく)駅ですが、10km以上離れているため徒歩で向かうのは非常にハード。バスを利用しても、最寄りバス停となる《オリーブ園入口》または《紺浦口》から徒歩30分ほどかかります。
開園時間 | 見学自由 ※ショップは9:00~17:00 |
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休園日 | 年中無休 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://nippon-olive.info/ |
※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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