500年前の地震の影響で誕生した地獄。園内では熱泥が噴き出し多数の坊主が次々と出現します。他ではあまり見かけないような珍しい像も見どころです。
大爆発でできた地獄
かつてこの地には「延内寺」というお寺がありました。
1498年に発生したマグニチュード7.0~7.5規模と推定される日向灘地震によって、なんと境内が大爆発を起こしてしまいます。裂けた地面より熱泥が噴き出したのがこの坊主地獄のはじまりであるそう。
1959年に「鶴見の坊主地獄」として大分県の天然記念物に指定されました。
入口で出迎えるのは一枚岩仁王像。まるで仁王門の如く、訪れる人に睨みをきかせています。本来は寺院の守護神ですが、ここでは地獄の門番のようにも見えますね。
なお、別府地獄組合の「鬼石坊主地獄」と名前が似ていますが、別の施設。こちらは別府地獄組合には入っていないため、共通券でめぐることはできません。
出現する坊主たち
園内では、しっかりと手入れされた庭園を回遊して見どころをめぐります。
坊主地獄といっても大量のお坊さんがいるわけではありません。その名の由来となっているのがこちら。熱泥が噴き出し、まるでお坊さんの頭の様に見えるのです。
大量に発生しては消えて行く坊主たち。それほど熱そうには見えませんが、実は約100度という高温であるそう。
ちなみに、この天然坊主地獄の坊主は、それぞれ屋根付きの個室です。
なお、撮影難易度は高め。坊主が出てきた瞬間にシャッターを切っても手遅れなので、予想して押すしかありません。
地獄を体感できる見どころ
園内のあちらこちらに赤い粘土層の窪みがありますが、ここはもともと坊主地獄であった「坊主地獄跡」。時代によって吹き出す場所が変わっているため、このような跡が多数点在しているのです。
「蒸気井」と呼ばれるポイントでは、地下200mから源泉が噴き出しています。青く変色した硬貨が印象的。
平成元年に熱泥が噴出した、一番新しく勢いのある坊主地獄「平成泥火山口」。最も若い坊主ということになりますが、粘度が低いのか丸い坊主姿にはなっておりませんでした。
このくぼみは「延内寺爆発跡」。最初に記載した坊主地獄発祥となった噴火口跡です。想像していたよりもかなり深く、なかなか迫力あります。今はもう活動しておらず、火口に土が積もっています。
丸い穴の空いた木箱。こちらは「手蒸し湯」。手を入れて蒸し湯体験をすることができますが、火傷の恐れがあるため1分以内にするようにとのこと。時計とアクセサリーも外したほうが良さそうです。
様々な像が並ぶ園内
竹の樋の傍にいるのは「寒山(かんざん)」と「拾得(じっとく)」という唐時代の高僧。学問の祖ともいわれており、ホウキを持つ姿と巻き物を読む姿が印象的です。
並んだ石像は「十王尊像」。延内寺があった頃には9体あったとされる十王像ですが、今は6体だけが残っています。残る3体は延内寺爆発跡に沈んでいるそう。爆発時からあったということは、室町時代以前からこの地に存在しているのですね。
岩の上であぐらをかくような姿勢の像、こちらは「蝦蟇(がま)仙人」。青蛙神を従えて妖術を使う中国の仙人です。左手と頭の上をよく見ると、2匹のカエルがちょこんとのっかっています。
園内はそれほど広くないので20分もあれば充分。ただし坊主撮影に取りつかれると、思ったよりも時間がかかる可能性があります。
ちなみに園内のトイレはピラミッドパワートイレという不思議なトイレ。私にはパワーは感じられませんでしたが、感受性の高い人は何か感じ取れるのかもしれません。
アクセスと営業情報
別府駅西口よりバスで約20分のバス停「本坊主」下車後、徒歩4分。車の場合は別府ICより約3分。無料駐車場を備えています。
開館時間 | 8:00~17:00 |
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休館日 | 年中無休 |
料金 | 400円 |
公式サイト | https://bouzujigoku.com/ |
※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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