圧巻のアンダーグラウンドスペース『大谷資料館』(宇都宮市)

栃木県

採石場跡に作られた大谷(おおや)資料館では、かつて石を切り出していた地下坑道の見学が可能。地下神殿、古代遺跡、地下迷宮など様々に形容されるミステリアスな地下空間が広がります。近年では、ドラマや映画、音楽のPV撮影スポットとしても頻繁に利用されています。

2021/2/19(金)

採石場跡に作られた見学施設

栃木県宇都宮市にある大谷町は、古来より石の産地として有名です。役目を終えた採石場に広がる巨大な地下空間は、大谷資料館として一般公開されており、予約不要で見学することができます。

駐車場から歩いていくと、立ちはだかる巨石。この時点で既に迫力満点!巨大な岸壁に空いた穴は自販機が並ぶ休憩所となっています。

その隣にあるこちらが受付。館内には採掘の歴史や、実際に使用されていた道具が並ぶ資料館があります。

地下坑道へは、館内から続く階段で潜っていきます。ひんやりとした空気が流れており、2月訪問時の坑内気温は7℃ほど。外が暑くても中は冷える場合があるので、服装にはご注意ください。

巨大な地下空間

いきなり目に入るのがこちらのダイナミックな広場。地上からは想像もつかないような巨大な地下空間が広がっており、思わず声が出てしまいます。ミステリアスなBGMと滴る水の音が神秘的な雰囲気を盛り上げます。

ここは採石場跡なので、この空間は石を切り出したあとにできたもの。ここまでキレイに切り出されていると、意図的に造り上げた神殿のようです。

ルートは決まっていますが、内部は歩いて散策することができます。古代遺跡を探検しているようなスリリングな世界は、まるでテーマパークのアトラクション。歩いているだけでもわくわくしてきます。採石場跡は日本各地に数多く存在していますが、これほどの異世界を作り上げているのはココだけではないでしょうか。

坑内の見どころ

溶け込むように置かれているこちらは石材裁断機。掘り出された石材を規定のサイズにカットする機械です。サビついて役目を終えた今、訪問者に当時の様子を伝えるという余生を過ごしています。

天井を見ると真四角の穴が空いています。こちらは立杭と呼ばれており、ここが地表のどの位置であるかを判別するために掘られたそうです。照明の効果も相まって、異世界へのワープホールのような存在感。

大きなプールのような水たまり。ここは流れ込んだ雨水が溜まったもので、最大水深はなんと30mもあるそうです。地底湖って吸い込まれそうなコワさがあります。

壁にはフワフワした白い結晶が現れている。こちらは、石に含まれる塩分が吹き出したもので、石の華と呼ばれています。夏場は消滅してしまうため、冬にしか見ることができないそう。

時代に合わせて変わる利用方法

ここでは大正8年(1919年)から昭和61年(1986年)にかけて採掘が行われており、約1,000万本もの石が切り出されました。

戦時中は陸軍の軍事倉庫や戦闘機の機体工場としても利用されます。戦後は、年間平気温が一定なことから政府米の貯蔵庫としても活用されました。

そして、1979年には大谷資料館がオープン。地下坑道の一般公開が開始されます。今では栃木県を代表する人気の観光スポットへと姿を変えました。

現在では、コンサートや美術展、セミナーなど、地下ホールとして様々な用途で使用されています。

ロケ地でもおなじみ

さらに、近年では撮影場所としても人気。坑内ではドラマや映画など、様々な作品のワンシーンが展示されています。

壁に付いているこちらの金属製の輪っかは、映画るろうに剣心で人を天井から吊るすために使用されたそう。

PV(プロモーションビデオ)も非常に多く撮影されており、B’z「May」、GLAY「SOUL LOVE」、ACIDMAN「ある証明」、東京事変 「喧嘩上等」、三代目 J Soul Brothers「S.A.K.U.R.A.」、[Alexandros]「NEW WALL」などなど、様々なミュージシャンが訪れています。

受付に設置されているモニターでは、そんな様々なPVが次々と映し出されます。同じ場所で次々と違うミュージシャンが出てくるため、何だかフェスや音楽番組見てるみたいな気持ちになりました。

撮影実績については、公式サイトに一覧で載っています。かなりの作品が撮影されているので、きっとどれか1つは見たことがあるのではないでしょうか。
公式サイト(撮影実績):http://www.oya909.co.jp/as-studio/

非公開の教会

突然現れる植物のアート作品。こちらは、2019年に行われた「假屋崎省吾の世界展」にて展示されていた作品が寄贈されたもの。刺激的な作品は、地下空間に潜むモンスターのようです。

その先にあるのが教会ゾーン。通常は非公開ですが、たまたま期間限定で見学することができました。大きなリースや、活けられたパンパスグラス、そして、壁から天井につながる大きな裂け目が荘厳な空間です。

さらに、十字架のようなモニュメントが立つ祭壇のような部屋も見かけました。こちらも遠くから眺めることしかできない非公開ゾーン。期間限定で公開されるのか、もしくはロケ用に作られているのか定かではありませんが、見えないところにも多くの部屋があるようで、さらなるポテンシャルを感じます。

アクセスと営業情報

車の場合は東北自動車道の宇都宮ICから12分、鹿沼ICから20分ほど。バスの場合は、宇都宮駅から20分ほどのバス停《資料館入口》から徒歩5分ほどでアクセスできます。

開館時間:9:00〜17:00 ※12〜3月は9:30〜16:30
休館日:無休 ※12〜3月は火曜
料金:800円

コメント

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  3. […] 524: かちかち映画速報 2022/11/13(日) 21:03:26.33 >>477 https://chihirog.com/oya-museum/ […]

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