湖東三山 Part 3 闇深く血染めの紅葉輝いて 『金剛輪寺』(愛荘町)

滋賀県

勅令によって建立された歴史を持つ、天台宗の寺院。「血染めの紅葉」と称されるあざやかな紅葉が有名で、夜間ライトアップも開催しています。ゆったりと紅葉を眺めたい方におすすめです。

2020/11/21(土)

天皇によって建立された寺院

金剛輪寺の創建は奈良時代である741年。聖武天皇の命により、行基によって開山されました。

聖武天皇は、日本各地に国分寺建立の詔を出したり、奈良の大仏でおなじみの東大寺を建立したりと、仏教の力で国を守る「鎮護国家」の思想に基づいて政治を行っていた天皇。行基もまた日本各地に多くのお寺を開山した僧侶です。

平安時代に入ると、比叡山より慈覚大師こと円仁が訪れ、天台宗の道場へと再興。戦国時代には周辺の寺院と同様に焼き討ちの被害を受けるものの、本堂などの伽藍は守られました。

紅葉ライトアップ

百済寺・西明寺と合わせて湖東三山と呼ばれている金剛輪寺。いずれも紅葉の名所として知られています。

2020年はこの金剛輪寺のみライトアップを開催。期間は11月21日(土)~29日(日)の約1週間。境内の明壽院庭園の紅葉が照明で輝きます。

湖東三山の真ん中に位置するお寺ですが、拝観時間が20:00まで延長されるため、ここをラストに持ってきました。

駐車場前の屋台では、味噌田楽やマツタケなどの販売も行っております。拝観前後に軽く腹ごしらえしたり、ホットドリンクで体を温めることもできますね。

色づく3つの庭園

紅葉のメインスポットは庭園。南庭・東庭・北庭と作庭時期の異なる3つの庭園が連続して繋がっています。

まずは安土桃山時代に作られたと推定される南庭。大きな紅葉が一本そびえます。

続いて江戸時代初期の作と推定される東庭。岩石が積み上げられた迫力のある庭園です。夜間は見分けにくいのですが、よく見ると岩に混じって刈り込まれたツツジも。いずれも紅葉を積もらせており、どことなくかわいらしい。

最も奥にあるのが、江戸時代末期の作といわれる北庭。水面にはたくさんの散り紅葉が広がり、水面に首を持ち上げた亀のような岩も浮かんでいます。
金剛輪寺の紅葉は、ヤマモミジやトウカエデの濃い赤から「血染めの紅葉」とも称されています。

ゆったり派におすすめ

庭園はそれほど広くないため、がっつり派には少々物足りないかもしれません。しかし、歩行距離は少なく、斜面など歩きにくい箇所もほとんど無いため、のんびりと紅葉を楽しみたい方におすすめ。

庭園の前にある本坊・明壽院は縁側が開放されており、腰掛けて庭園を眺めることができます。防寒対策をしっかりしていれば、ゆったりとした時間を過ごしてみるのも良さそう。

11月末の土曜日の訪問でしたが、日没後の人影はまばらでした。

拝観できるのは庭園のみ

一点注意が必要なのは、夜間になると庭園以外の場所は通行止めとなってしまうということ。

元寇での勝利を記念して建てられた本堂や鎌倉時代の建築である三重塔など、ほとんどの伽藍は門が閉じるため見ることができません。唯一見ることができた伽藍が、庭園までのルート上にある西谷堂。とはいえ、ここも扉が閉ざされています。

千体地蔵もちらっと見られましたがすぐにこちらも閉門してしまいました。歴史文化博物館や食事処ももちろん閉まっています。

どうやら17:00頃に閉門してしまうようなので、16:00頃に訪問すれば境内をひとまわり散策した後、そのまま紅葉ライトアップも楽しめて満喫できそうです。

アクセスと営業情報

西明寺と同様に、こちらも路線バスではアクセスできません。その代わり、予約制の乗合タクシー「愛のりタクシーあいしょう」が運行しております。JR稲枝駅から15分、料金は800円。出発時刻は決まっているのでご注意ください。

車の場合は彦根ICから約15分、八日市ICからも同じく15分ほど。ETC車の場合は、湖東三山スマートICから約5分でアクセスできます。

開館時間:9:00〜17:00
料金:500円

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