サステナブルを感じる自然派ミュージアム『GREENable HIRUZEN』(真庭市)

岡山県

レジャー客でにぎわう高原リゾート・蒜山高原にそびえる不思議な施設。写真映え抜群なパビリオンに吸い寄せられるように人々が集まって行きます。ここはいったいどんなスポットなのでしょうか?

訪問日:2022/5/4(水)

GREENable HIRUZEN

岡山県真庭市にある蒜山高原は、西日本有数の高原リゾート。夏でも涼しい気候であるため避暑地としても知られており、「西の軽井沢」と呼ばれることもあるエリアです。

そんな蒜山高原に2021年7月にオープンしたのがGREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)。新国立競技場などでおなじみの世界的建築家・隈研吾が設計・監修をしており、施設内にはショップ、ミュージアム、サイクリングセンターが入っております。

聞きなれない“GREENable”というコトバですが、自然を表す“GREEN”と持続可能という意味の”Sustainable”を組み合わせた造語だそうです。

ここは「サステナブルの価値を発信するための拠点施設」として造られています。サステナブルの価値ってなんでしょうかね・・・?公式サイトには理念についていろいろ掲載されていますが、私の頭では追いつけなかったのでとりあえず現地に行ってみることにしました。

巨大なオブジェ「風の葉」

目を引くのは、ミュージアムの目の前に建てられた巨大な木造オブジェ。こちらはパビリオン「風の葉」。真庭市産のCLT(直交集成板)によって造られています。

内部へ進んでみると、張り巡らされた木の板がずらりと並び圧巻です。風の葉というタイトルが示す通り、まるで葉っぱが風で舞い散るかのような光景です。

このパビリオンは、東京・晴海にて展示されていたものを移築しているそう。コンクリートにはなかなかできない移築可能な性質、もしかしてサステナブルってことでしょうか・・・!?

隈研吾の世界

ミュージアム館内は木造の内壁のいたる所に木組みの装飾が施されており、隈研吾の世界が広がります。大きな窓から降り注ぐ自然光が心地よい空間です。

びっしりと組まれた木のオブジェは階段になっており、自由に上り下りができます。なんだかワクワクしませんか?

隈研吾の建築資料も何点か展示されています。「中国美術学院民芸博物館」や「ところざわサクラタウン」の建築模型なんかもありました。

館内は写真撮影OK!ただし動画とフラッシュ撮影はNGとなっています。

ユニークな企画展

ミュージアムの展示内容は、その時期によって変わります。これまでの展覧会はこんな感じ。

第1回展覧会
「隈研吾展 ハコからの解放 ― たし算,ひき算,かけ算,わり算 ―」
 開催期間:2021.7.15(木)-10.12(火)
第2回展覧会
「隈研吾展 ネコの目でみる公共性のある未来」
 開催期間:2021.10.28(木)-2022.3.6(日)
第3回展覧会
「柴川敏之展 | 41世紀の蒜山博物館」
 開催期間:2022.3.19(土)-2022.7.3(日)

私が訪問した日は第3回展覧会の開催期間。「高原ミュージアムを後にすると、そこは21世紀だった。」なんとも意味深なフレーズです。

41世紀の蒜山博物館

この展覧会では、「2000年後から見た現代社会」をテーマにした展示が並んでいます。

どういうことかといいますと、遠い未来に現代社会のいろいろなものが遺跡として発掘される、というシチュエーションを想定しています。このように書くと凄く難しそうに見えますが、展示物のモチーフは身近なモノばかりでとってもキャッチー。

キューピー人形を発掘した未来の人々は、これを何と捉えるのでしょうか。「祭祀で使う人形」とか、「母体を表している」とか、考古学者が真剣に考える姿を思い浮かべると吹き出しそうになります。

お皿の上に乗った細長いもの。手前には2本のスティック。こ、これはもしかして蒜山の名物ひるぜん焼そばではないでしょうか!

この展示は、火山の噴火によって一瞬にして消滅した古代都市ポンペイなど、突如消失した文化がモデルとなっているそう。7時17分で止まった時計、この時にいったい何があったのでしょうか。「大山が噴火してしまったのかな?」などなど、いろいろな未来を想像してみるのも楽しい。

実は各展示物に添えられた解説も「21世紀には○○が流行していた」といったような感じで41世紀の目線で書かれています。館内を歩いていると、自分がはるか未来から現代を見ているような不思議な気分になれる、とってもユニークな企画でした。

独特な展示や、ショップで販売されている品々を眺めていると、ぼんやりとサステナブルという概念が見えてきた気がします。私のように「サステナブルってなに?」って思った方は、ぜひ一度足を運んで体感してみるのをおすすめします!

アクセスと営業情報

住所的には岡山県ですが、岡山市街地からは約70分ほどかかります。限りなく鳥取県なので、米子からは約25分ほど。

開館時間 9:00~17:00
休館日 水曜
料金 300円
公式サイト https://greenable-hiruzen.co.jp/

※掲載の情報は2022年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

駐車場は「蒜山高原センター駐車場」を無料で利用できます。蒜山高原センタージョイフルパークという遊園地の駐車場でもあるため、土日祝日は非常に混雑しますので御注意ください。

さきほどの展示で「ひるぜん焼そば」欲が高まってしまったので、こちらの屋台にてうっかり買ってしまいました・・・!

コメント

  1. […] サステナブルを感じる自然派ミュージアム『GREENable HIRUZEN』(真庭市)https://chihirog.com/greenablehiruzen/ […]

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