島根県が誇る2つの湖「宍道湖(しんじこ)」と「中海(なかうみ)」。ゴビウスでは、似ているように見えて大きく異なるこの2ヶ所の水域に暮らす生き物がたっぷりと展示されています。貴重なサンショウウオも多くそろっており、マニアックな楽しみ方もできる水族館です。
宍道湖の湖畔にたつ水族館
宍道湖自然館ゴビウスは、宍道湖や中海といった島根県の湖や川に暮らす生き物を飼育・展示した水族館。宍道湖の西岸、宍道湖グリーンパークに隣接する形で2001年にオープンしました。
館内はとってもキレイ!水槽もきれいに掃除されており、写真も撮りやすいです。わかりやすい解説もたっぷりあります。
あまりにもインパクトのある名称「ゴビウス」ですが、ハゼなどをあらわすラテン語とのこと。県内の小中学生を対象とした公募によって決められたそうです。小中学生からラテン語が飛び出すなんてすごすぎます。
2つの湖に暮らす生き物
宍道湖は全国7位、中海は全国5位の面積を誇る、日本を代表する湖。館内の水槽では、そんな大きな湖に暮らす生き物がたくさん。
展示水槽の多くは、宍道湖と中海それぞれをテーマにしています。自然環境をリアルに再現したジオラマ水槽も、真ん中で中海と宍道湖にわかれています。
大型水槽は「宍道湖と川」と「中海と海」の水槽が向き合う形で設置されており、それぞれを見比べて楽しむことができます。すぐ近くの湖なのに生息している生き物にはけっこう違いがあるようです。いったい何が理由なのでしょうか。
宍道湖と中海の違い
宍道湖と中海はいずれも淡水と海水が混じる汽水湖に分類されますが、その塩分濃度は大きく異なっています。
中海を再現した水槽ではスズキやアカエイといった海水魚の姿が目立ちます。海水の約1/2にあたる塩分濃度1.5%なので、海に暮らすサカナがたくさん。
一方、宍道湖の塩分濃度は0.3%。宍道湖水槽では、ワカサギやギンブナなど淡水魚がメインです。小型のサカナが中心かと思いきや、コイやウナギ、そしてアリゲーターガーやカムルチーなどの外来種なんかもいます。
同じ汽水であっても、塩分濃度によってこんなにもラインナップが変わるのですね!
宍道湖七珍と中海七珍
宍道湖七珍というコトバをご存知でしょうか?スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミのことで、宍道湖で獲れる7種類の魚介類を指します。頭文字をとって「スモウアシコシ」という覚え方があるそう。
横たわるニホンウナギと、そのまわりに散らばった黒いものはヤマトシジミ。ゴビウスでは、そんな宍道湖七珍に数えられる生物も展示されています。
まるで糸くずのようにただよう白いものはシラウオ。透き通った体がライトに照らされてキラキラ輝きます。泳ぎ方もふよふよとしており、まるでクラゲを見ているかのような癒やし。全国の水族館で初めて1年間の継続展示に成功、さらに人工繁殖にも成功しているそう。(※ちなみにシロウオとは別のサカナです。)
七珍は宍道湖だけでなく、中海にもあります。中海七珍はオダエビ、マーカレ(サッパ)、エノハ、アオデガニ、ゴズ(マハゼ)、アカバイ(コナガニシ)、クロメバル(クロイソ)。
こちらに覚え方はないのでしょうかね。調べてみてもヒットせず。「オマエアゴアク」とかどうでしょうか・・・?
珍しいサンショウウオ
サカナばかりに目が行ってしまいますが、実はサンショウウオもかなり充実しております。山陰地方の名を冠したサンインサンショウウオは、体長10cm程度の小型のサンショウウオです。
隣にはイワミサンショウウオ、ヒバサンショウウオが並んで飼育されているのですが、これらの種は非常にそっくり。正直なところ見分けがつきません。それもそのはず、かつては全て「カスミサンショウウオ」と分類されていたそうです。
こちらは隠岐の島後にしか生息していないオキサンショウウオ。渓流などの流れの早い場所に暮らしているそうです。
最大の両生類、オオサンショウウオの姿も。山陰地方ではハンザケと呼ぶそうです。まったく動かないので見ごたえはあまりありません。
様々な種類があるサンショウウオですが、オキサンショウウオ、オオサンショウウオは絶滅の危険が増大している「絶滅危惧II類」に指定されています。さらにサンインサンショウウオは、近い将来野生での絶滅の危険性が高く、絶滅危惧II類よりもさらに危険な「絶滅危惧IB類」に指定されています。
土地開発や土壌汚染などで年々その数を減らしているサンショウウオ。いつか野生の個体に出会ってみたいものです。
アクセスと営業情報
一畑電車の湖遊館新駅から徒歩10分。山陰自動車道の宍道ICから約15分。
開館時間 | 9:30~17:00 |
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休館日 | 火曜 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://www.gobius.jp/ |
※掲載の情報は2022年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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