笠岡市にある猿田彦を祀る神社。本殿の裏手にまわると、小さな祠がたくさん!中を覗いてみると、そこにはヘビの置物が。いったいどのような信仰なのでしょうか。
猿田彦を祀る神社
カブトガニ博物館のすぐ近くに立つ道通(どうつう)神社。「道開きの神」である猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)を主祭神とした神社で、商売繁盛・出世開運・交通安全などのご利益があると信仰されています。
この神社、全国的な知名度はそれほど高くなく、Wikipediaにも掲載されておりません。今回まったくノーマークでしたが、「道の駅笠岡ベイファーム」にて偶然案内を見つけ、気になったので訪問してみることに。都合良く捉えるならば「呼ばれた」ような気がしたのです!
目を引くのは拝殿の両サイドに構える天狗の像。2m程となかなかの大きさで、強い存在感を放ちます。波の上に立つのは神通力で海を渡っている姿でしょうか?
実はこの像、天狗ではありません!
この神社の祭神・猿田彦は長い鼻と真っ赤な顔であるそう。下駄や結袈裟といった天狗に見られる「山伏的な要素」はありませんが、その顔はどう見ても天狗。他人の空似なのか、天狗のモデルになったのか、どこかで信仰が混じったのか気になるところですが、今回はいったんこのあたりで。
多数の摂社・末社
境内向かって右奥には、摂社・末社が多数。八幡神社、金刀比羅神社、菅原天満宮、摩利支天宮、足腰の神様である足王神社など、様々な神様が祀られています。
そんな中にある絆の宮。こちらで祀られているのは天鈿女命(アメノウズメノミコト)という、天岩戸にて踊った芸能の神様です。実は猿田彦の妻であるそう。お社の両サイドには、可愛らしい天鈿女命と猿田彦の像も置かれています。
多数の摂社・末社の中で気になったのはこちら。なんと蛇神を祀ったものも。実はこの神社、蛇と非常に関わりが深いのです。
ずらりと並ぶヘビの家
この道通神社の社名にもなっている「道通様」は、蛇の姿をした神様。別名「トウビョウ」とも呼ばれています。瀬戸内海地方各地にある蛇神信仰で、この神社は総本宮にあたるそうです。
社殿の裏手には、信者によって奉納された瓦や石の小さな社がたくさん!この社、中を覗いてみると、全てヘビが祀られています。
他では見られない独特の光景。この様子は、漫画家・水木しげる氏によって、「蛇の家」として全国的に紹介されたそう。
道通様はどんな神様?
蛇神ときくと大蛇や水神のイメージがありますが、この道通様はそれらとは少し異なるヘビ。
10〜15cmほどの小さなヘビで、首に金色の輪っかがあります。人に憑いて災いをもたらしたり身体に痛みをもたらしたりする「憑き物」として恐れられ、これを鎮めるために祀られています。
なお、飼うと金持ちになれると言われており、上手くコントロールすると恨みを抱いた相手に憑かせることもできるそう。ただし、粗末に扱うと飼い主に取りつき悪さをすることがあるようです。
蛇神であることからか、卵のお供え物も見かけました。パック毎供えられていますが、カラスか何かに荒らされてしまったのか参道に落ちてしまっています。
私は特に気にせず素通りしてしまったのですが、参拝にきていたおじいさんが「落ちちゃってるね、もう一度お供えしようかね」と持ち上げてもとに戻していました。ああ、そうか、そうすべきだったのか。
アクセスと参拝情報
開門時間 | 24時間 |
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料金 | 無料 |
ホームページ | https://www.okayama-jinjacho.or.jp/search/18221/ |
※掲載の情報は2025年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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