歴史の深い道後温泉には、現在3つの公衆浴場が営業しています。それぞれ趣の異なる温泉施設ということで、3湯めぐりしてみることにしました!私と同じようにめぐる方は、順番には要注意かもしれません・・・?
歴史ある道後の湯
古来より人々に愛されてきた道後温泉。その歴史はとても深く、縄文土器なども出土していることから3000年の歴史があるといわれています。伊予国風土記や伊佐爾波神社の社伝によると、聖徳太子や中大兄皇子、神功皇后なども訪れたとされています。
有馬温泉(兵庫県)、白浜温泉(和歌山県)と並び、日本三古湯(さんことう)にも数えられており、日本を代表する温泉の一つ。
そんな道後温泉には公衆浴場が3つ。道後温泉駅からアーケード商店街、道後ハイカラ通りを抜けた先にあります。いずれも営業時間は6:00~23:00ととても長く、位置も近いため3つ全て巡るのも楽々です。(※椿の湯のみ6:30からとなっています)
歴史を感じる「道後温泉本館」
明治時代に近代和風建築として造られた建物。1994年には日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財にも指定されました。
情緒あふれる木造建築は「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルのひとつともされています。日本全国に「ジブリ映画のモデル」といわれる場所はありますが、実際のところ明言されていないパターンがほとんど。しかし、道後温泉本館はきちんと公式からも明言されているとのことです!
そんな道後温泉本館は、2017年から2024年にかけて大規模な改修工事を行っております。建物を覆うテント膜がかけられているのですが、色鮮やかなラッピングアートがされておりインパクト抜群!賛否はわかれそうですが、流行のカラーウォールのような出で立ちは伝統を保ちつつも変化を厭わない強い姿勢を感じます。
工事に伴い、「神の湯」や、大広間・個室での休憩、日本で唯一の皇室専用浴室「又新殿(ゆうしんでん)見学」などは閉鎖中。2021年12月現在は霊(たま)の湯の入浴のみとなっています。
霊の湯の浴室は花崗岩、壁は大理石でできている石の風呂。石鹸などの備え付けはありませんので、持参するか受付で購入することになります。小さな浴室なので、散策ついでにさっと入浴するのが良さそう。
モダンで便利な「飛鳥乃湯泉 霊の湯」
本館の改修に伴い、代替施設として2017年にオープンした新しい温泉施設。かつて聖徳太子が入浴に訪れたという歴史にちなみ、飛鳥時代をイメージして造られています。
温泉前の広場は、蜷川実花さんの写真を使用したカラフルなアートが広がります。まるで異空間のような演出に思わず眼が眩みます。ここもまた賛否が割れそうですね~。
浴室は愛媛県で生産されるやきもの「砥部焼」の陶板壁画で装飾されています。また、本館とは異なり露天風呂(半露天タイプ)があるのもポイント。シャンプー、コンディショナーなども備えており、スーパー銭湯感覚で利用できます。髪を洗うならココですね。
2階には大広間休憩室と、5つの個室休憩室があります。休憩付きの入浴券を購入すれば、ひと休みしていくことも可能です。ただし、いずれも利用時間は入浴込みで90分。軽くひと休み程度の利用になりそうです。
また、本館では閉鎖している皇室専用浴室「又新殿」を再現した特別浴室もあります。ここでは見学だけでなく実際に入浴することも可能とのこと!湯帳(ゆちょう)という入浴用の衣服を着て、レアな入浴体験も楽しめます。
地元民に愛される銭湯「椿の湯」
1953年に建設された公衆浴場。他の2ヶ所に比べるとシンプルな外観で、観光客よりも地元民に愛されているような印象です。
湯舟は一つだけで、石鹸などの備え付けもありません。町なかの銭湯といったイメージのシンプルな浴室。休憩室などもなく、本当に温泉に入るためだけの施設です。
温泉街散策の合間にちょっと温まるくらいでの利用が良さそうです。
3つめぐった感想
3ヶ所全てめぐってみましたが、温泉自体にはそれほど差はないので時間が無い方はどれか一か所でも良い気もします。もし全部行く予定の方は、まず本館で混雑状況を確認してから、めぐる順番を決めるのがおすすめです!
また、いずれも温度は高めなのであまり長湯には適さない印象。温泉街には他にもたくさんの見どころがありますので、散策しながらひと休み感覚でさっと入浴する感じが良いかもしれません。
なお、「本館」「椿の湯」には休憩所はおろか、湯上りにちょっと腰かけるようなベンチもありません。「飛鳥乃湯泉」も、休憩付きプラン出ない限りは同様。もしカップルやご夫婦で入浴する場合は、湯上りの待ち合わせがちょっとだけしづらいかもしれませんね。
※掲載の情報は2021年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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