和歌山城の入り口に立つわかやま歴史館。お城のおまけくらいの気持ちで立ち寄ったところ、小さな展示室であるにも関わらず見応え抜群!!ゴールドの「獅子紐印」や「石橋」など歴史的な展示に加えて、南方熊楠や松下幸之助など和歌山出身の偉人に関する展示も。
和歌山城にあるミニミュージアム
和歌山城の北側に立つわかやま歴史館。1階は観光案内所やショップ、2階が展示室となっている、観光客御用達なスポット。今回は和歌山城へ訪問する前に立ち寄ってみました!

階段を上った2階、和歌山城や紀州徳川家がメインとなる「①和歌山城の歴史文化」と、和歌山市出身の偉人をテーマにした「②わかやま人物探訪」という2つの展示室があります。
「シアタールーム」もあり、「よみがえる和歌山城」という、和歌山城をCGで再現した映像を上映中。和歌山城の天守閣は弘化3年(1846年)に落雷で焼失後、嘉永3年(1850年)に再建されます。ここで見ることができるのは、再建後の姿です。
金色に輝く獅子紐印
まずは「①和歌山城の歴史文化」から!来館者を出迎えるのは、獅子紐印。紀州徳川家に伝来した黄金色の金属製の印です。

親獅子、子獅子、直方体という3つのパーツに分かれています。親獅子と子獅子はそれぞれ1面ずつ、直方体は6面と、合計8面の印面を持つ印。

この3つは組み合わせて収納することができます。子獅子の内部に直方体が入り込み、それを親獅子の身体の下のスペースにはめ込みます。これ、実際に組み合わせてみたい!!1階のショップでお土産用のレプリカ売ってないかな?
様々な歴史資料
横たわる火縄銃。徳川家が入る以前の中世後期、和歌山市のあたりは「雑賀衆(さいかしゅう)」という地縁的共同体による自治が行われていました。この雑賀衆は早くから火縄銃の扱いに長けており、鉄砲傭兵集団として活躍していたそう。

和歌山城杉戸は、その名の通り和歌山城で使用されていた杉の戸。描かれているのは中国の仙人・琴高仙人。水の中から鯉に乗って現れたという逸話があり、その様子を描いたものです。鯉の滝登りを連想させることから、出世を祈る吉祥画としても広まったそう。

実際庵の実寸大模型も。10代藩主・徳川治宝が造った大名庭園「養翠園」にあり、現存する紀州徳川家ゆかりの茶室です。内部もしっかり再現されてます。

徳川頼宣は、「石橋(しゃっきょう)」というむかしの能を復活。古い言い伝えを調べながらも、紀州オリジナルに仕上げます。そこに使用される「獅子口」の面、独自の装束「胸掛」、さらには作り物の「牡丹の花」なども展示されていました。

和歌山市ゆかりの偉人
和歌山生まれの松下幸之助や、紀州藩の勘定奉行であった陸奥宗光など著名な人物の紹介パネルや資料が並びます。

松下幸之助がつくった最初の商品「改良型アタッチメントプラグ」、一つの配線で2つの電気製品が使用できる大正時代のヒット商品「二灯用クラスター」、初めてナショナルの文字が入った「角型ランプ」など、創業期の製品が展示されています。

「知の巨人」とも呼ばれた天才・南方熊楠も和歌山生まれ。生物学や民俗学など様々な学問に精通し、英語・フランス語・ドイツ語など数ヶ国語を読解できたという恐るべき頭脳の持ち主。常軌を逸したエピソードが多数ありますが、その片鱗を見れるのがこちらの展示。

こちらは熊楠が「干支のサルについての論文」を書くための構想メモ。
まったく意味がわかりません。
そもそも干支のサルという論文のテーマも意味がわかりません。どんな風に話し、どんな表情で語ったのか、その話しぶりまで想像したくなる人物です。
アクセスと営業情報
南海線の「和歌山市駅」から徒歩約15分。
| 開館時間 | 9:00~17:30 |
|---|---|
| 休館日 | 月曜 |
| 料金 | 100円 |
| 公式サイト | http://wakayamajo.jp/tenji/index.html |
※掲載の情報は2025年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


コメント