通常は非公開!鎌倉五山の一角『寿福寺』(鎌倉市)

神奈川県

門は閉ざされており通常は拝観不可となっていますが、木々に包まれた石畳の参道や、境内の裏に広がるやぐら群は見学可能。やぐらの中には、北条政子と源実朝のお墓もあります。

訪問日:2025/1/11(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

鎌倉五山の第三位

鎌倉駅と北鎌倉駅の間、線路に面するかたちで立つ寿福寺は、臨済宗建長寺派の寺院。源頼朝が没した翌年である正治2年(1200年)、妻の北条政子が臨済宗の開祖・栄西を開山に招いて創建したお寺です。

もともとは源頼朝の父である源義朝の館があったといわれる場所。鎌倉に入った頼朝はここに館を建てようとしましたが、岡崎義実が義朝の菩提を弔うお堂を建てていたため断念したと言われています。

そんな寿福寺ですが、鎌倉三十三観音霊場の第24番に指定されており、さらに鎌倉幕府が定めた鎌倉のお寺の上位5つ鎌倉五山にも数えられています。一位から建長寺・円覚寺・寿福寺・浄智寺・浄妙寺の順であり、この寿福寺は第三位にあたるという、格式の高いお寺なのです。

美しい参道

総門から中門まで続く参道。樹木に包まれた美しい道で、静けさの中に木々のさざめきが響きます。

中門から先は立ち入り禁止。基本的に一般公開されていない寺院なのです。「長期休暇中のみ公開」という情報も見かけましたが、詳細は見つからず・・・。

門からは仏殿が見えます。どんな仏像を安置しているのでしょうかね。

そんなわけで、御朱印も休止しております。「鎌倉三十三観音霊場」や「鎌倉五山」の御朱印を集めている方はコンプリートがほぼ不可能なのかもしれません。

岩肌に掘られたやぐら群

伽藍をほとんど見ることができない寺院ですが、境内奥の墓地に残るやぐらを見ることができるそう。ということで、本堂向かって左側の道を進んでみることに。

進んだ先には閉ざされたフェンス。まさかやぐらも拝観停止かと思いきや、こちらは落石の危険があるため封鎖されているとのこと。ちゃんと迂回路の案内が貼られており一安心。

墓地を抜けて進んでいくと、岩肌に掘られた穴「やぐら」が見えてきます。

やぐらと聞くと「物見櫓」や「火の見櫓」、城郭における「隅櫓」などの建築物が頭に浮かびますが、ここ鎌倉においてやぐらといえば、岩肌に掘られた穴であり、内部には石碑や供養塔が祀られています。鎌倉では現代も非常に多くのやぐらが残っており、境内でやぐらを見ることができる寺社も多いです。

北条政子と源実朝の墓所

そんなやぐらの中でも注目はこちら、北条政子のお墓。源頼朝の妻であり、頼朝の没後は尼将軍として鎌倉幕府を支えた人物です。内部には五輪塔が建てられており、花やお供え物が見えます。

その隣のやぐらが源実朝のお墓。北条政子の息子であり、鎌倉幕府3代目将軍を務めた人物です。鶴岡八幡宮にて右大臣拝賀の儀式が執り行われた際、2代目将軍・源頼家の遺児である「公暁」に命を奪われこの世を去ってしまいます。これにより、鎌倉幕府の源氏将軍は断絶してしまいました。

やぐらではありませんが、他にも明治時代の外務大臣・陸奥宗光の長男「陸奥広吉」や、俳人の「高浜虚子」、作家の「大佛次郎」など有名人の墓もあります。ただし、一般の方のお墓も多数あるので、お墓参りしている方への配慮はお忘れなくです!

アクセスと営業情報

JR鎌倉駅西口から徒歩10分。

拝観時間 不明
公式サイト 不明

※前述の通り、基本的には拝観不可となっております。正月、ゴールデンウィークに境内特別開放があるという記載も見かけましたが、HPがみつからない以上はその情報がどこで周知されるのかわからず・・・。Xで調べてみると、2025年1月1日に本堂公開に参加した方を見つけたので、お正月は開放されているようです。

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