松之山の山中にある、里山の自然を学べる博物館。感覚的に知ることができる展示が多く、大人から子供まで幅広い世代が楽しむことができます。真っ暗な階段を登った先には、里山を見渡す展望台にもなっています。
松之山エリアの中核施設
3年に一度開催される大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ。松之山エリアの中核施設であるのが、森の学校キョロロ。2003年に開催された第2回にて「まつだい農舞台」とともに建設されました。
外観は全面が赤く錆び付いてますが、これは決して手入れがされていないわけではありません。耐候性鋼板「コールテン鋼」という、表面が錆びることで内部を守ることができる素材でできているのです。
なお、「キョロロ」という印象的な名前は、アカショウビンという鳥の鳴き声から取っているそうです。里山を代表する野鳥であり、南国から松之山に渡ってきて営巣をするそう。
里山の自然博物館
「森の学校」の名前の通り、内部は自然博物館。里山の自然や風習について学ぶことができる展示がたくさん。いずれもわかりやすく、ちょっとした体感型の仕掛けもあります。
手を入れて感触で中身をあてるびっくりボックス。もし中身が里山の虫とかだったらとおそるおそるやってみたところ、生き物はいませんでしたのでご安心ください。
こちらは棚田ジオラマ。ボタンを押すと、里山の生き物や風習の解説が始まります。
これはヤマドリの羽だ!キジのような長い尾を持つ鳥ですが、人里には姿を表さないため実際に見るのはなかなか困難。いつか生で見てみたいな~。(※実はこの数年後、隠岐にて遭遇するのですが、それはまた別の話)
生き物に会える森の水族館
館内には「森の水族館」と称されたエリアもあり、里山の生き物の生体展示を行っています。
各水槽には、なんとタッチパネル付き!その生き物の特徴や分布、見分け方、そして鳴き声など様々なデータがつまっています。情報たっぷりなので、かなり見ごたえがあります。
かわいいモリアオガエル。滑らかな素肌がおもちゃみたいですが、足を伸ばしたら10cmくらいありそうな大型です。
暗闇に光るアート作品
館内を奥に進むと、真っ暗な階段が。こちらは展望台へと続く階段です。明るかった博物館から一転して暗闇の世界が広がります。
四角い螺旋階段は、これ自体が《大地、水、宇宙》by 逢坂卓郎というアート作品。暗闇に伸びる階段は、赤と青のダイオードが道しるべです。
この階段では、常に水の音が響いています。その音の正体は《キョロロのTin-Kin-Pin —音の泉》by 庄野泰子。螺旋階段の中央の吹き抜け部分に設置されており、建物裏から湧き出る水を利用した水琴タイプのアート作品です。
展望タワーからの眺め
160段の階段を登ると、そこはタワーのてっぺん。階段のみでキツイかと思ったのですが、アート作品の作り出す神秘的な世界のおかげで、あまり疲労感はありません。
最上部は展望台。足元まで広がる壁一面の大きな窓は、高所恐怖症の方にはちょっとだけスリルがあります。
窓から見えるのは松之山の里山。周辺の森は「キョロロの森」と名付けられており、自然観察などの体験プログラムも開催されています。
なお、真っ暗な階段は下りの方がコワイです。足を踏み外さないようにご注意くださいね。
アクセスと営業情報
越後湯沢駅北越急行ほくほく線「まつだい駅」よりバスに乗り、バス停「堺松」下車後、徒歩20分。冬季はバス停「松之山分校前」下車後、徒歩30分。
開館時間 | 9:00~17:00 ※11月末~2月末は16:00まで |
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休館日 | 火曜 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://www.matsunoyama.com/kyororo/ |
※掲載の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント
[…] 十日町市のアート作品のほとんどは10時オープン。早く開くところでも9時から。そんな中、貴重な朝から行ける場所でもあります。今回はすぐそばにある「森の学校キョロロ」がオープンする前に立ち寄りました。 […]