どこか遠くへ行きたい、海が恋しい、ちょっとした非日常を味わいたい…そんなニーズにお答えするのが海芝浦駅。ホームの目の前に海が広がるこの駅は、日常の喧騒を忘れてのんびりとした時間を過ごすことができます。
ホーム目の前には海
「都会のローカル線」ことJR鶴見線。鶴見駅から6駅、約11分の海芝浦駅へとやってきました。
車両からホームに降り立つと、目の前に広がる海のお出迎え!
この海芝浦駅、ホームの隣は海という超臨海駅なのです。日が暮れてからの訪問であったため、少々ダークですが、潮の香りと海の音が何とも心地良い。
このとき海芝浦駅で降りたのは私ひとり。しかし、ホームにはカメラを構えた人が数人待機していました。
外に出られない駅
ホームを進み改札へ向かうとそこには立入禁止の貼り紙が。その上に掲げられているのは「TOSHIBA」のロゴマーク。
海芝浦駅は、東芝エネルギーシステムズ株式会社の工場構内に直結しています。事業所の関係者利用を想定している駅で、関係者以外は改札の外に出ることができないのです。
ちなみに海芝浦という名前も、東芝の前身である芝浦製作所から来ています。
憩いの海芝公園
ここまでか、と思いきや改札のすぐ隣にはフェンス型のゲートが。
ゲートの先へ進んでいくと、手入れされた植木やベンチの並ぶ小さな公園へと繋がります。
ここは海芝公園。この海を望む素敵な景観を多くの人に解放するために、1997年に設置されました。辺りは真っ暗ですが、公園内は街灯が灯っているためなかなか良い雰囲気。
園内はものすごく静かなのでこの空間を独り占め!と思ったのですが、物陰になっているベンチで静かに過ごしている人が数人。最初気づかなかったので、めっちゃびっくりしてしまいました。
この公園の利用時間は、通常は9:00〜20:30と決められております。ただし元日に限り、始発電車に合わせて開園、初日の出を拝むことができるそうです。
広がる横浜の夜景
海芝公園の目の前には、暗い海に浮かぶ鶴見つばさ橋。橋長約1kmの斜張橋で、首都高速湾岸線が通り抜けています。また、鶴見つばさ橋の右奥には、うねる横浜ベイブリッジもうっすらと見えます。
対岸となる扇島に広がる工場夜景もわずかながら見ることができます。
愛媛県にあるJR予讃線の下灘駅や、長崎県にある島原鉄道の大三東駅のような大海原が広がる海駅と比べると、東京湾という都会の海なので少し情緒は落ちるかもしれません。しかし、都心からすぐ行けること、そして日が暮れても景色が楽しめることがこの海芝浦駅の魅力です。
アクセス情報
鉄道以外でのアクセスは不可となるため、もれなく鶴見線を利用することになります。
海芝浦駅まで来る電車の数はとっても少なく、1時間に1本程度。帰りの時間を事前に確認しておいた方がスムーズですが、時間に余裕がある方は、あえてノープランで訪れるのもローカル線の旅らしく面白いかもしれませんね。
なお、海芝浦駅は終着駅となっているため、到着した電車はしばらく待機した後折り返します。ちょっと見に来たくらいの方は、折り返し乗車すれば滞在時間15分ほどで訪問を済ませることが可能です。
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