与論島 Part 6 離島にそびえる大規模なグスク『与論城跡』(与論町/奄美群島)

与論島

与論島の南部に残る琉球王朝時代の城跡。かなりの規模の城であり、現在も立派な石垣が残されています。石垣でできた道は、抜群の眺望と吹き抜ける海風がとっても爽快です。

訪問日:2024/9/21(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

大規模な琉球王朝の城

与論島はそれほど大きな島ではありませんが、島内には城跡が残されています。その名も与論城跡

14世紀に沖縄本島にて勢力を拡大していた北山王国は与論島も勢力範囲に加えます。与論城は1405~1416年に北山王国第2代国王・珉(みん)の三男・王舅(おうしゃん)が築いたとされています。

与論城の推定面積は3万平方メートルにも及びます。沖縄本島以外では最大規模という、離島にしては大きすぎる城跡。その理由は謎に包まれていますが、一説によるとさらに先の奄美群島へ拡大を考えていたとも。また、海上から見える大きな城を築くことで、他国を牽制したとも考えられています。

実際のところ、築城の途中で北山王国が滅亡してしまったため、未完成であったようです。

長く伸びる石垣

断層による急峻な崖を取り込んだ縄張りが特徴的。城跡は整備されており、そんな石垣を歩くことができます。標高は約90メートル。高いところにある石垣を歩くのって、凄く心地よいです。

北側から南東側は200メートルに渡りのびる石垣。これは、龍を象っているとされています。

積まれた石は自然の石を加工せずに積み重ねた「野面積み」スタイル。サンゴ礁などが堆積してできた琉球石灰岩が使用されています。

本丸跡と龍頭

石垣を進んだ先にあるのは「龍頭はこちら」という案内板。龍頭ってなに?ドラゴンヘッド?気になったので進んでみることにしました。

こちらが龍頭。その正体は、崖の上の石塁のこと。先ほどの石垣が龍を象っていたので、その先端となるここが龍頭ということになるのでしょう。かつてはもっと石が積まれていたそうですが、長い年月で少しずつ崩れているようです。

ここは海から攻めてくる敵を睨むように作られたそうです。ということは、物見櫓のような機能の場所であったと考えられます。この場所はかつて本丸があったそうなので、城主はきっとこの龍頭から辺りを見渡していたのでしょうね。

琴平神社と地主神社

城跡内に立つサザンクロスセンターの隣には2つの神社が鎮座しています。1つ目が、地主神社。読み方は「じぬし」ではなく「とこぬし」です。木で作られた小さな社殿が力強く立っています。

もう1つが琴平神社。こちらはコンクリートのがっしりとした造りです。

ここは、与論島を代表する伝統芸能「与論十五夜踊り」の舞台。国の重要無形文化財にも指定された祭事であり、旧暦3月、8月、10月の十五夜の日に開催されるそうです。この催しについてはサザンクロスセンターにて映像やお面を見ることができます。

ヤンバルクイナの像

城郭を歩いていると、突然現れるのはブルーのヤンバルクイナ

こちらは2000年3月に沖縄国頭村より「友好のきずな」として贈られたもの。県は異なりますが、与論島と沖縄北部の国頭村の距離は25km程度。すぐお隣という感じがします。

今回訪れたのはちょうど日没のタイミング。与論城跡はサンセットビューポイントとしても知られています。夕陽に照らされたヤンバルクイナが素敵です。

与論島内には、ここ以外にももう一体のヤンバルクイナ像がありますが、それはまた後程。

アクセスと営業情報

与論空港、与論港、茶花の市街地いずれからも車で10分ほど。すぐそばにある「サザンクロスセンター」には、与論城跡発掘調査の展示もあります。合わせての訪問がおすすめです。

開門時間 24時間
料金 無料

※掲載の情報は2024年9月時点のものです。

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