自然博物館という名前ですが、実はかなり本格的な水族館でもあります。黒潮の大水槽やマニアックな生物など、小さいながらも見ごたえたっぷり。大人でも楽しめるミュージアムです。
休館日:月曜日
料金:470円
どうみても水族館!広がる水中世界
水族館のような博物館こと和歌山県立自然博物館。和歌山市内ではなく、隣接している海南市という街にあります。
入館してすぐに目に入るのは黒潮の海をテーマにした大型水槽。これ、完全に水族館ですよね!?
幅15mの水槽内では、1mを越えるロウニンアジが悠々と泳ぐ。ベンチも設置されているため、時間の許す限りゆったりとサカナを眺めることも。
ナポレオンフィッシュことメガネモチノウオもゆったりと過ごしています。
カラフルな熱帯魚が泳ぐサンゴ礁水槽もあります。
海水魚だけではなく、ワニガメ、カミツキガメ、アリゲーターガーなどの危険な外来生物も。きっと、県内の河川や湖沼で捕獲されたものなのでしょう。
なお、勢いで「水族館のような博物館」と書いてしまったのですが、博物館法によると水族館というのは「自然系博物館のうち、生きた水族を扱う博物館で、その飼育する水族が百五十種以上のもの」を指します。したがって、水族館は博物館のうちの1つの種類なのです。
マニアックな生き物多数
博物館とつくだけあって、エンターテイメントよりは学習向きの水族館。かなりマニアックな生き物も多数そろっています。
「ウミサボテン」
昼間は泥の中にいるが、夜になると水を吸って膨れ上がる。刺激を与えると光るらしい。なんだか怪しい生物ですが、ソフトコーラルの一種。サンゴでした。
「テヅルモヅル」
クモヒトデの仲間で、5本の腕がひたすら分岐してます。大型個体になると36,000本以上になるらしい。多足ダコもびっくりですね!食事の際は、ツルを伸ばして海中に浮遊する有機物を捕らえるらしい。
「サケガシラ(標本)」
体長2.3m、リュウグウノツカイをシンプルにしたようなデザインの大きな魚。この標本は、釣り人が和歌山市内にある片男波海岸で釣り上げたそう。
「シビレエイ」
どら焼きみたいな小さくてかわいらしいエイ。なんと発電器官があり、小魚などを麻痺させて補食するそう。小粒でもピリリと辛いタイプです。
「ウミウシカクレエビ」
オオイカリナマコにくっついている、ウルトラ兄弟みたいな配色の小さなエビ。
「ナンキシャコ」
「南紀」の名を冠した、尾が青くてキレイなシャコ。
今まで発行された図鑑に写真が載ったことがないというレアな生き物。ネットで調べてもほとんど情報がでてきません。解説板には「見逃したら人生半分損するかも」との書き込みも!
海だけじゃない和歌山の自然
和歌山の自然に関する展示も数多くそろっています。
こちらはツキノワグマやカモシカなど野性動物の剥製や森林を再現したジオラマ。
カラフルな「ヤイロチョウ」
見たことないなと思ったら西南日本に飛来する鳥でした。漢字で書くと「八色鳥」。この場合の「八」は「たくさん」という意味。8色の鳥ではなくカラフルな鳥くらいのイメージかと思います。
他にも鉱石や化石、土壌など地学的な展示も続きます。
ひときわ目を引くのは、和歌山県で発見されたモササウルスの化石のレプリカ。モササウルスは、恐竜の時代に海で暮らしていた大型爬虫類。和歌山県内では、有田川町にて発掘されたそうです。
モササウルスといわれてもピンとこない人も多いはず。そんな方のための生体復元模型はコチラ。
制作は海洋堂の古田悟郎さん。串本海中公園にあったアーケロンの模型と同じ作者です。
月刊クイズにチャレンジ
意外と面白かったのが、入口で配布している月刊クイズ。
なんとなく子供向けっぽい雰囲気だったので、きっと「モササウルスの暮らしていた時代は?」とか展示見なくても解けちゃうような問題なんだろうな。
そう考えていたのですが、問題を見てびっくり。
A. ハカマカズラ
B. ヌスビトハギ
C. ナツフジ
D. ヤハズエンドウ
A. 緑色の細長い結晶が集まってかたまりになっている。
B. 金属光沢があり、磁石にくっつく性質をもつ。
C. 昔、中国では「丹」と呼ばれ、不老長寿の効果があるとされていた。
めっちゃ難しい!!!
展示を隅々まで見てないと解けない問題も多くあり、館内を何度も行ったりきたりしてしまいました。実際は大人でも楽しめる内容でした。
このクイズ、景品が当たるらしい。5月の景品はなんと『タヌキの足跡標本』でした!当たったらどうしよう。
このあとは、ユニークなアイディアで観光客をあつめるローカル鉄道・貴志川線へ向かいます。
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