鶴見緑地にある「咲くやこの花館」は、花博の閉幕後も営業を続ける植物園。巨大な温室を中心とした屋内型の植物園で、熱帯や高山地帯など、世界各地の珍しい植物をたっぷりと楽しむことができます。激レアなラフレシアの花も見ることができますよ!

大温室を有する植物園
花博記念公園鶴見緑地内にある屋内植物園が「咲くやこの花館」。ここもまた花博のパビリオンであった建造物です。

延床面積6890㎡という日本最大級の温室は、5,000枚のガラスでできています。その外観は水面に浮かぶ睡蓮をイメージしているそう。
閉幕後も解体されず、30年以上が経過した今でも屋内植物園として営業。内部は「熱帯雨林植物室」「熱帯花木室」「乾燥地植物室」「高山植物室」「外部庭園」といくつかのセクションに分かれており、世界各国の様々な植物を展示。

温室の中央はとっても広いホール空間。花博開催時はきっとここで様々なイベントが行われていたのでしょうね。

個性的な熱帯植物
ここからは植物園内で見かけた植物の紹介をさせていただきますね!
ガジュマルに着生しているのはバンダ。東南アジア原産のランの仲間で、鮮やかな紫の花を咲かせています。

深い紫の花と、長いヒゲのような垂れ下がる個性的なルックスのタッカ・インテグリフォリア。上部の白い部分は花でなく、葉っぱが変化した苞(ホウ)。この部分がコウモリに見えることからバットフラワーとも呼ばれています。

巨大な水草としておなじみのオオオニバス。最大で直径3mにも及び、小さな子供なら乗っても沈みません。

葉の裏の展示もあります。トゲがたくさんある様子をじっくり観察できます。

大きく育った植物
めっちゃでかいタビビトノキ。2015年に種子を植えたとのことなので、たった10年でこのサイズになってしまうんですね!気になる名前の由来は、旅人が付け根に溜まった水分を飲んだとも、葉の向きで方角を知ったともいわれています。

天井まで届きそうなトックリキワタ。よく見ると上部にピンク色の花が咲いています。果実には種が付いたふわふわの綿のような繊維が入っており、風に乗って遠くへ運ばれるそう。

大きく膨らんでいるのはパラボラッチョ。幹がビール腹に見えることから、酔っぱらいの木とも呼ばれています。正式名称はトックリキワタ。あれ、先ほどの木と同じなのでしょうか!?、体型にはだいぶ個体差があるみたいですね。

ちなみにこのトックリキワタ、この大阪旅行の次の旅先、北大東島・南大東島にて何度か登場します!ある生き物観察のスポットとなるのですが、それはきっと1ヶ月以上先の投稿になりそうです。
2000年以上生きるといわれる超長生きの植物、キソウテンガイ。このブログではたびたび紹介しているのですが、今まで見た中でもかなりの大きさ。植物園で一般公開されいる株の中では、ドイツのベルリン植物園に次ぐサイズとのこと。ということは日本最大!?

レアな寒い地域の植物
温室=あったかいイメージですが、高山植物エリアは冷房が効いておりひんやり。標高が高いところに生える植物を育てているため、気温もそれに合わせています。
メコノプシスは青いケシのなかま。ヒマラヤ山脈など標高3,500m以上の高山に生息しています。

映画サウンド・オブ・ミュージックの挿入歌で有名なエーデルワイス。こちらはヨーロッパの高山に見られます。

激レアな北極圏の植物も展示されています。チョウノスケソウ、ヒメクジャクシダ、ミネズオウ。どれも未だかつて聞いたこともない名前ばかり!と思ったのですが、日本の高山地帯にも自生している種類があるようです。

貴重なラフレシアの花
館内に展示されているこちらの植物。きっとみなさんご存知ですよね?

そう、世界最大級の花を咲かせるでおなじみのラフレシアです!花博では「政府苑」の目玉展示として大人気であった植物。インドネシア政府の協力のもと、スマトラ島で採取したものを、樹脂に閉じ込めて展示しています。
上部に鏡も設置されているため、全体像を見ることができるという仕掛けも。

このラフレシア、花が大きいだけでなくその生態もとってもユニーク!植物でありながらも自分で光合成は行わなく、根も葉も茎もありません。ブドウ科の植物に寄生して、宿主の中で育ち開花のタイミングになると外へ。強烈な悪臭を放ち、虫を集めて受粉、花はわずか数日でしおれてしまうのです。
「世界一大きな花」というワードを耳にすると脳裏に浮かぶのは「ショクダイオオコンニャク」。こちらの花はラフレシアよりも大きく見えますが、実は小さな花の集まりである「花序」とそれを覆う「仏炎苞」の複合体。独立したひとつの花としてはラフレシアが圧倒的な大きさなのです。
この2つの植物、分類的には遠く離れていますが、どちらも開花期間が非常に短いという共通点があります。そして、どちらも激臭を放ちます!このラフレシアは樹脂に包まれているため匂いは感じませんが、どんな臭いなのかとっても気になります。
そんなわけで植物園の見学もおしまい。このあとはもう少しだけ鶴見緑地を歩きます!花博に参加した世界の国が造り上げた「国際庭園」をめぐってみることにしました。つづく。


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