赤く染められた石室壁画が残る『虎塚古墳』(ひたちなか市)

茨城県

赤い塗料で描かれたインパクト抜群の石室壁画が発見された前方後円墳。近くにある埋蔵文化財調査センターでは、古墳からの出土品と合わせて実物大に再現された壁画を見ることができます。

訪問日:2024/8/12(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

森の中の前方後円墳

茨城県のひたちなか市に残る虎塚古墳は、史跡公園として整備されています。埋蔵文化調査センターの駐車場からは、森の中を200mほど歩いて行きます。

見えてくるのは大きな墳丘。草木が茂っているためその全貌が掴みづらいですが、カギ穴のような形の前方後円墳。墳丘長は56.5m、後円部の高さは7.5m。ぐるっと一周することができますが、山にしか見えません。

前方部は登ることができる、「クライミング古墳」です。(注:オリジナルワード)

緑のアーケードが張られている場所は石室の入口。扉には厳重なカギが掛けられていました。

埋蔵文化財調査センター

そんな虎塚古墳をより詳しく知るために、埋蔵文化財調査センターへ。

無料で見学できる館内の展示室には、市内の埋蔵文化財約500点を常設展示。周辺の貝塚より出土した縄文土器や弥生土器、虎塚古墳と同じくひたちなか市にある磯崎東古墳群、大平古墳群、笠谷古墳群などの出土品が並んでいます。

こちらは大平古墳群の黄金塚古墳より出土した「乳飲み児を抱く埴輪」。よく見ると胸の部分に赤ちゃんが象られています。

そして、こちらが虎塚古墳石室の出土品。刀子、鏃、輪などが並びます。墳丘の規模に対して、出土品が少ないのも特徴です。

見つかった彩色壁画

虎塚古墳は、1973年に発掘調査が行われます。その際に石室の扉石が開かれると、そこには誰も予想もしない光景が・・・!

なんと石室内には壁画が描かれており、それが状態も良く残されていたのです。

先ほど見た通り、石室はカギがかけられており、内への立ち入りは制限されています。ただし。春と秋の特定日に一般公開がされており、タイミングを合わせれば誰でも見学が可能。2024年秋は11月14日(木)~17日(日)の4日間とのこと。

ちなみに、春と秋に公開される理由は、石室内の温度と外の気温が近いからであるそう。温度差によって石室内にかかる負担をなるべく減らすためなのです。

実物大のレプリカ

公開日にあわせて訪問するのは難しいけど石室壁画は体験したい・・・ご安心ください!この展示室には、そんな石室の実物大模型が置かれています。

中を覗き込むと、赤い塗料ベンガラで描かれた不思議な模様が。

上部にめぐらされたトラス模様や、奥の壁に記された赤い円。よく見ると鉢のような道具も描かれています。

不思議な魅力を放つデザインは、シンプルながらもずっと見ていられます。この壁画にはいったいどのような意味があったのか・・・。被葬者に向けたメッセージなのか、それとも蘇りのまじないなのか。いろいろ考えてみると、壮大な古代ロマンがあふれてきます。

キャラクター&グッズ

虎塚古墳には、なんと壁画擬人化キャラクターが存在しております!その名も虎塚ちゃん

描いているのはヨスミナミさん。調べてみると「古墳にコーフン協会茨城支部長」である方のようです。

埋蔵文化財調査センターでは、そんな虎塚ちゃんの缶バッジやアクリルスタンドなどの推し活グッズも販売中。さらに、虎塚壁画のクリアファイルや手ぬぐいなんかもあります!

訪問した際は次の目的地へ急いでいたためさらっと素通りしてしまったのですが、今になって買っておけば良かったかなとちょっぴり後悔・・・!

アクセスと営業情報

古墳自体は見学自由ですが、「埋蔵文化財調査センター」は時間が決まっております。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜
料金 無料
公式サイト https://hitachinaka-maibun.jp/

※掲載の情報は2024年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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