首里城の側に静かにたたずむ王の墓。内部に入ることはできませんが、石造りで重厚なルックスは非常に見ごたえがあります。石に彫られた様々な彫刻も見どころの1つですが、その中に不思議な生物を見つけてしまいました。
玉陵への道のり
首里城のすぐ近くにある玉陵(たまうどぅん)。「玉」は王様のタマシイ、「陵」は御殿。王様のタマシイが眠るところ、すなわち王家の墓です。ガジュマルの茂る道を抜けて行きます。
迎えるは石の門。首里城と比べると装飾もなくシンプルで小さな門ですが、古代遺跡のような雰囲気が感じ取れます。
2つ門があるのですが、2つ目の門は高さ151cm。ほとんどの人がかがまないと通れない高さに造られています。かつての琉球の人々は皆小柄だったのでしょうか。それとも、必然的に頭を垂れるように意図的に小さな設計にしたのでしょうか。
数々の門をくぐり抜けて進む首里城とは違い、入り口からあっという間に玉陵へ到着です。
石造りの遺跡
こちらが玉陵。石造りの外観は遺跡の情緒があふれています。規模はそれほど大きくないのですが、ずっしりと重厚な質感でとても迫力があります。
前述の通り、こちらはお墓。三角形の破風形屋根がついた破風墓(はふばか)と呼ばれる、沖縄でよく見かけるタイプです。この玉陵は最初の破風墓にして、最大の破風墓でもあります。
第二次世界大戦時の戦火によって大部分が焼失してしまいますが、その後復元。2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されております。
さらに2018年には沖縄県の建築物で初となる国宝にも指定されました。
謎の生き物を発見
側面には様々な生き物の彫刻が施されています。そこに描かれているのは、龍や鳳凰など神社でも見かけるラインナップから、沖縄らしい植物などバリエーションは豊富です。
そんな中、見慣れない生き物を見つけました。
コウモリのような羽が生えた不思議な生き物。長い尻尾や腕が生えており、神獣というよりは、まるで妖怪や悪魔のようなルックス。気になって調べてみたのですが、うまくヒットしません。
沖縄の神話に出てくる生き物でしょうか?
詳しく知るには資料館
受付のある建物の地下が資料館になっています。写真やパネルによる解説があり、ここを見てから玉陵を見学すると、より理解が深まります。
玉陵の断面図。外観からは内部構造が全く想像つきませんでしたが、3つの部屋から構成されています。
向かって左の東室は国王と王妃のお墓、真ん中の中室は遺体を置いて洗骨する場所、右の西室は王子・王女や家族のお墓とそれぞれ機能が分かれています。
「コレがお墓の中だ!」と指さしている水色のキャラクターは、マスコットでしょうか?
謎の生物の正体
あれ?
もしかしてこのキャラクター、さっきの謎の生物モチーフでは!?
コウモリ羽に手足、尻尾と特徴が完全に一致します・・・!!
那覇市のサイトにとんでみたところ、しっかりとキャラクター情報が掲載されていました。その名も「たまちゃん」。
解説を見ると「玉陵キャラクター。玉陵にデザインされている蝙蝠をモチーフにしている。」とのこと。
整理すると、謎の生き物の正体はシンプルに蝙蝠(コウモリ)でした!!
コウモリになんで腕と尻尾があるんだーーー!と突っ込みたいところですが、東照宮の獏や象のように、装飾に使用される生き物って独自のアレンジが加えられていることはよくあります。
今回は完全に深読みし過ぎました。玉陵へ訪問される方、ぜひとも不思議なコウモリを探してみてください・・・!
アクセスと営業情報
ゆいレール首里駅、または儀保駅より徒歩約15分。首里城の守礼門から徒歩5分ほどなので、合わせて訪問するのがおすすめです。
開館時間 | 9:00~18:00 |
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料金 | 300円 |
公式サイト | https://www.city.naha.okinawa.jp/kankou/bunkazai/tamaudun.html |
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