研究所の敷地内にある、予約不要で見学できる展示施設。これまでに産総研が開発してきた技術を学ぶことができる科学系ミュージアムです。実際に動くロボットや、体験できるコンテンツもあり、楽しく科学に触れることができるスポットです。
研究所併設のミュージアム
経済産業省所管の公的研究機関、産総研(産業技術総合研究所)。その広大な敷地内には、サイエンス・スクエアつくばというミュージアムを併設しております。
こちらは誰でも無料で見学可能。予約も不要であり、通常の博物館のような感覚で訪問することができます。
最初に展示されているのは「AIST History」。旧通信産業省工業技術院の15研究所と計量教習所が統合再編され2001年4月設立された産総研。様々な技術を開発した歴史を時系列で見ることができます。
館内は一部屋だけのコンパクトな展示室。様々な技術が、実物や解説パネル、タッチパネルにて紹介されています。展示数はそれほど多くありませんが、無料ということを考えると満足度は高いです。
開発された様々な技術
びっしりと紹介された最新研究成果。少々難しめのものも多いですが、イメージしやすく解説されています。
こちらは「光応答性ゲル」。堅いゲル状物質ですが、紫外線を当てることで流動性のあるゾルに変わります。この素材を活用すれば、表面のキズを光を当てるだけで自己修復してしまうのです。
太陽光でエネルギーを作る「人工光合成」。太陽光と水から貯蔵可能なエネルギーの「水素」を生むことができるそうです。
他にも、魚の鮮度を保ち速やかに冷却するため海水から素早く氷を作り出す「海水シャーベット氷」、呼吸するように湿度を調整できる「多孔質セラミックス調湿建材」など様々な技術がたっぷり。今後日常生活を大きく変えてくれそうなものもあり、なんだかとってもワクワクしてきます。
ハイテクなロボットがずらり
展示されている二足歩行のヒューマノイドロボット「HRP-2」。様々な動作が可能な働く人間型ロボットです。ブルーのボディは、まるでロボットヒーローみたいなルックスですね。
こちらはHRP-2の後継機「HRP-3」。滑りやすい路面の歩行も可能であり、遠隔操作機能も充実しているそう。こちらもまた正義の味方のようなイケメン顔。何かあっても守ってくれそうです。
このアザラシのぬいぐるみはセラピー用ロボットの「パロ」。動物のように楽しみや安らぎの効果を与え、人の心を豊かにするために開発されたロボットです。人を認識し、コトバも理解しているそう。医療機関を中心に、世界に30ヶ国・5,000体が活躍しているとのことです。
クゥークゥーと鳴く姿がとってもかわいらしいパロ。ここではさわったりだっこしたりしてもOK!ちなみに一般販売しており、誰でも購入できるそうです。気になるお値段は約42万円!メンテナンスパック付きで約49万円だそうです。
体験できる不思議なテクノロジー
展示の一部には、実際にさわったり聴いたりして体験できるコーナーもあります。
こちらは「3D触力技術」。スライドパッドでモニターのカーソルを操作するのですが、モニターに映るスイッチをオン・オフにしたり、ダイヤルをまわしたときに、実際のスイッチやダイヤルを操作しているような感覚を体験できます。
不思議なことにスライドパッドはまったく動いておらず、微妙な振動や音によって、まるで実際のスイッチを触っているような感覚に脳をだましているそう。
こちらのテント、中にはスイッチがあり、押すと様々な音が流れてきます。でも、どこにもスピーカーが見当たりません。
実はこのテント、「ファブリックスピーカー」という音が鳴る布でできています。伸縮性のある柔らかい布から、従来のスピーカーのように音を出すことができるというとんでもない素材。車の座席シートやスマートウェアへの活用が考えられているそうです。
布から音が出ているということはわかったのですが、脳が追い付きません!!!
テキストで説明が難しいので、ぜひ実際に現地に足を運んで体験してみてくださいね。
アクセスと営業情報
車でアクセスする場合は、産総研つくばセンター中央に入ってすぐ左手の守衛所前に停車、受付で通行証を受け取り、駐車場の案内を受けて進む必要があります。
また、つくば駅からは、つくばのミュージアムをめぐる「つくばサイエンスツアーバス」も土日祝日限定で運行しています。「地図と測量の科学館」や「筑波実験植物園」など他の施設を合わせてめぐる予定の方は、こちらの利用がおすすめです。
開館時間 | 9:30~17:00 |
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休館日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.aist.go.jp/sst/ja/ |
※掲載の情報は2024年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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