インド様式の仁王門を持つ寺院『最上稲荷山妙教寺』(岡山市)

岡山県

日本を代表するお稲荷さん、最上稲荷。神仏習合が強く残り、様々な信仰がなされている寺院です。インド様式の仁王門や巨大な本殿など、見ごたえのある建築も魅力的なスポットです。

訪問日:2025/5/8(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

神仏習合が残る寺院

突然ですが、「日本三大稲荷」ってご存じでしょうか?真っ先に京都の「伏見稲荷」が浮かぶ方は多いと思いますが、問題は残る2つ。様々なパターンがあり、愛知県の「豊川稲荷」、茨城県の「笠間稲荷」、佐賀県の「祐徳稲荷」など、各地を代表するお稲荷さんがラインナップしています。

今回ご紹介する岡山県の最上稲荷も、そんな日本三大稲荷に数えられることがあるお稲荷さん。

読み方は「さいじょういなり」。ずっと「もがみいなり」だと思っていた方は、私だけではないはず・・・。

この最上稲荷、稲荷神社かと思いきや日蓮宗寺院。かつて日本では仏教と神道を混在させた「神仏習合」という信仰がありましたが、明治時代の神仏分離令に伴い、その多くは失われます。ここは明治以降も神仏習合が許された貴重な場所なのです。

インド様式の仁王門

目を引くのは石造りの仁王門。インドの殿堂様式を取り入れたという建築は、エキゾチックな仕上がり。平成21年(2009年)に国の登録有形文化財に指定されています。

仁王門の名の通り、左右には金色の仁王像が安置されています。お寺の門というよりは、彫刻作品を展示した美術館のようです。

門をくぐり背面部分を見ると、こちら側にはシルバーの狐像が。さきほどの仁王像も、こちらの狐像も、近くに設置されているボタンを押すとライトアップします!

巨大な本殿

仁王門をくぐり、階段を上った先にあるのが本殿。「最上位経王大菩薩」「八大龍王尊」「三面大黒尊天」からなる最上三神が祀られています。

写真では伝わりにくいかと思いますが、めっちゃでかいです!!!

間口は24m、梁高も24m、さらに奥行も24mと、非常に均整の取れた建築。屋根を加えれば、横幅は30mはありそうです。

この本殿は開山千二百年記念事業として昭和54年(1979年)に完成したもの。お賽銭箱もめっちゃ横長、さらにスマホでお賽銭、スマホでおみくじも。平日の昼下がりであったため参拝客はほとんどおりませんが、初詣は岡山県屈指の参拝者を誇るお寺なのです。

本殿の裏には、法華経をモチーフとした《生命の連環〜法華経より》という彫刻作品があります。これは最上稲荷教立教50周年記念事業の一環として製作されたもの。縦8m・横24mという見ごたえある作品なので、お見逃しなく!

良縁と縁切り祈願

本殿の奥にあるのが縁の末社。男女の縁だけでなく仕事や学業など様々な福縁を結ぶ良縁成就、さらに悪縁を絶つ縁切りを祈願する場所です。

まずは左の離別天王にお参りして悪縁を断ち、その後に右の縁引天王にお参りして良縁を願うそう。さらにその奥にはお札や絵馬を撫でで祈る「縁切撫で石」と「良縁撫で石」も。

おみくじが貼りつけられた良縁みくじ奉納石。京都の安井金比羅宮みたい姿です。

旧本殿と七十七末社

縁の末社からさらに奥へ進むと、見えてくるのが旧本殿。寛保元年(1741年)に、日道によって再建された建造物。最上稲荷最古の木造建築で、檜皮葺の屋根が趣深い姿。

前述の新本殿が建立された後は、祈祷所として利用されているそう。

旧本殿を囲むように、びっしりと並ぶ社。こちらは七十七末社という、最上に仕える諸天王を祀る社です。それぞれ様々なご利益があり、プレートでちゃんと記されています。「厄除け」「眼病」「必勝」「学業成就」さらには「歯の痛み」まで。様々な願いに応えてくれます。

様々なご利益を眺めていると、「悩み事消除」というものも!!悩み事がなくなる、これはある意味最強かもしれません。

アクセスと営業情報

開門時間 24時間
料金 無料
公式サイト https://inari.ne.jp/

※掲載の情報は2025年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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