利尻島 Part 9 見ごたえ抜群!利尻町立博物館で知る島の自然と歴史(利尻町)

利尻島・礼文島

いわゆる島の小さな博物館ですが、展示物のクオリティが非常に高いです!写真やパネルはもちろん、ジオラマや実物大の再現模型などで感覚的に楽しめるミュージアム。内容もとてもわかりやすく、新しい発見に出会える場所です。

訪問日:2022/9/18(日)

島の小さな博物館

利尻島の南部、仙法志(せんぽうし)にある利尻町立博物館。いかにも堅そうな雰囲気に見えますが、この博物館は知識がなくても楽しめるタイプ。入館料も200円と格安ですので、近くを通った際はぜひ足を踏み入れてほしいです。

館内はそれほど広くありませんが、解説などが非常にわかりやすく書かれており見ごたえ充分。展示物は全て写真撮影可能、というのも非常にありがたいです。

トレッキング中に見かけた花の名前がわかったりすることも・・・!

利尻の漁の風景

入館者を出迎えるのは、ニシン漁やタラ漁に使用されていた川崎船。漁師の人形たちも乗っかり、迫力あります。

こちらはコンブ漁の風景。磯船という小型の船を用いて、長い柄のマッカと呼ばれる道具で巻き取って採取しているそうです。やってみたいけど、かなり力が要りそうですね。

こちらはウニ漁。ガラス箱で海中をのぞき、柄の長いタモ網でウニをすくい上げるそう。これはコンブよりも難易度が高そうです!

繁栄を極めたニシン漁

明治時代後期、小樽や稚内ではニシン漁が盛んに行われていました。沿岸部にはニシン漁で財を成した者が建てた豪邸「鰊御殿」が立ち並び、隆盛を極めます。

利尻島でもニシン漁が盛んに行われ、獲れたニシンは、アイヌとの交易の場や場所請負制度の大事な商品として重宝されていたそう。北海道では春先の産卵期に回遊してくるため、ニシン漁=春の訪れを感じる風物詩であり、ニシン=春告魚(はるつげうお)とも呼ばれていたそうです。

こちらは、そんなニシン漁の様子を再現したジオラマ。女性たちは背負ったもっこでニシンを運び、数の子や白子などの選別を行っていました。

3月になると北海道の道南や東北から島に人が集まり、大いに賑わっていました。そんな人々のことをヤン衆と呼んでいたそう。こちらの模型はヤン衆と、彼らの暮らした番屋の再現模型。

スピーカーからはヤン衆たちの会話が聞こえてきますが、訛が強すぎて何を言ってるかはさっぱりわかりません!(そしてしっかりとマスク着用してます。)

ちなみにこのヤン衆たちは16歳ですが、この博物館がオープンしたのは1980年。そのため、若い衆歴は40年ということになります!

島に暮らす生き物

目を引くのは大きな剥製。トドゴマフアザラシなど、利尻島で見ることができる生き物が剥製として展示されています。

他にもコオリガモウミアイサなど、他の地域では見かけない水鳥の姿も。

唐突に現れるのは「ヒグマの爪」。利尻にヒグマは生息していませんが、1912年に海を越えてきた個体がおり、この爪はその個体のものとのこと。2018年に106年ぶりのヒグマ出現をきっかけに、博物館に寄贈されたそうです。

海を渡ったヒグマについては郷土資料館にも写真や詳しい内容の展示があります!資料や考察もあり、気になる方は合わせての訪問がおすすめ。

ちなみに、利尻島にはヒグマだけでなく、キツネ、ウサギ、シカなど北海道でおなじみの動物もいません。となると、島の生態系の頂点はどの生き物でしょうか?オオワシやオジロワシ、もしくはアオサギなどの大型の鳥類だったりするのでしょうか。

利尻の魚介類

利尻でとれるサカナもたっぷりと紹介されています。マダラ・サケ・ホッケ・ニシンなど、北海道らしい有名なサカナに加えてらケムシカジカやカスベなどちょっとマニアックな魚の姿も。

左がキタムラサキウニ、右がエゾバフンウニ。島の人は、前者を「ノナ」、後者を「ウニ」「ガンゼ」と呼ぶそう。夏に利尻に来たら、ぜひとも食べたいグルメですよね。

利尻といえばコンブ!一般家庭でもなじみ深い海藻ですが、異形世代交代型という変わった生態を持っています。

普段目にする大きな姿のコンブを胞子体と呼びますが、それとは別に1mm程度の小さな配偶体という世代があり、配偶体→胞子体→配偶体というように世代が変わっていきます。

配偶体として生まれたコンブは、大きくなることはなく卵子と精子を残してその役目を終え、その配偶体から生まれたコンブは胞子体として大きく成長します。その胞子体から生まれた胞子は配偶体となり、次の胞子体を生む役割を持つのです。

普段見慣れたコンブにこんな不思議な生態があるなんて、初めて知りました。


想像していたよりも遥かにクオリティが高い展示で大満足の博物館。時間も忘れて、見入ってしまいました。利尻の島内をめぐる際は、ぜひこちらにお立ち寄りください!

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