名古屋栄三越の屋上に残る小さな観覧車。日本に3ヶ所しかない屋上観覧車の中でも、現存最古であり登録有形文化財にも指定されています。もう乗ることはできないというウワサですが、どのような状態で残っているのでしょうか。
屋上までの道のり
栄の交差点にそびえ立つ名古屋三越栄店。その屋上に観覧車があるのをご存じでしょうか。
外観からはほとんどその姿は見えません、ということで、屋上へ行ってみます!
エレベーターに乗り最上階のRを押すも「その階には止まりません」とのこと。あれ、夜は屋上へは行けないのかな?もしかしたら1つ下のフロアから階段で行くパターンかも!そう思い9階で降りるも屋上へのルートが見つからず。
階段の辺りでうろうろしていると、屋上へは8階からとの案内が。これは予想外でした!ということで、8階へ降りて店舗を抜けると、屋上への出口が。
広々とした屋上、照明は少なくちょっぴり寂しい雰囲気。あれ、観覧車見当たらない気が・・・・。
静かに佇む観覧車
奥へ進むと見つけました!こちらが三越の屋上観覧車。
高さは12m、脚間は6.2mというコンパクトな姿。直径10mの円形ホイールには、4人乗りのゴンドラが9個。赤色・緑色・黄色の三色カラーでとっても華やかです。
サンシャインサカエの「スカイボート」のような建物と一体であるビルトイン型は多数見かけますが、このように屋上に置かれただけのタイプは非常にレア。ここ以外では、「幸せの観覧車(東急プラザ蒲田)」と、「日光ランドマーク」、合計3ヶ所にしかありません。その中でもこの観覧車は、最古であるそう。
オリエンタルビルとは
この観覧車の名前は「オリエンタルビル屋上観覧車」。「三越」ではなくビルの名前であることにちょっと違和感がありますが、この建物はもともと「オリエンタル中村百貨店」であったことからその名が残っているようです。
初代の観覧車は1954年のオリエンタル中村百貨店開業時に設置され、その後1956年にビルが3階建てから7階建てに増築されると、観覧車も2代目に。屋上遊園地となっており、メリーゴーランドなど他の遊具も多数設置されていたそうです。
1977年には三越がオリエンタル中村に資本参加し、オリエンタル中村百貨店から名古屋三越に改称。遊具は徐々に削減されていきますが、この観覧車だけは残りました。
登録有形文化財にも指定
この観覧車、乗れません!!!
夜の訪問なので営業終了かと思いきや、日中でも乗車はできないようです。2005年に整備のために営業を終了、再開されることなくそのまま幕を閉じました。
前述のように日本国内に現存する最古の屋上観覧車であることから、登録有形文化財にも指定されているのです。
日曜と祝日の12:00・15:00に運転しているそうです。安全面から人は乗車できませんが、稼働する姿はぜひ見てみたいものです。
おまけのカンガルー像
観覧車のそばにはカンガルー像が置かれています。解説などは見当たりませんが、いったいこれは何でしょうか?
前述の通り、このビルはオリエンタル中村百貨店から名古屋三越に変わっております。三越のシンボルであるライオン像が置かれることになりましたが、それ以前にオリエンタル中村のシンボルとして置かれていたのがこのカンガルー像。元県立芸大学長であった河野鷹思さんがデザインしたそうです。
観覧車の傍にはゲームコーナーがあります。17:00以降は機械の電源が落ちていますが、入ることはできます。
何気なく入ってみたところ、内部には観覧車の説明や先ほどのカンガルー像の解説が!文化財として観覧車を見に来た方は、お見逃しなくです。
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