前回に続いて狛江駅周辺の古墳めぐり。北口には南口よりもさらに多くの古墳が点在しています。今回ご紹介する9基もまた駅近くにあるため、徒歩で気軽にまわれます!現在の保存状態はかなり個体差がありますが、それすらも楽しめる方にはおすすめの古墳群です。
前回はコチラ
⑦駄倉塚古墳
さてさて、北口へ移動して引き続き狛江古墳群めぐり。1つ目は駄倉塚古墳なのですが、あいかわらず姿が見えません。
どうやら、ビルの横についているこちらの丘が駄倉塚古墳のよう。付近はかなり歩行者が多いのですが、これが古墳と知っている人はいったいどれくらいいるのでしょうか。
このビルは各フロアに病院が入っているタイプ。エントランスを進んでみると、路上とは別の角度から見ることができます。ただし、立入禁止のフェンスがあるため近づくことは不可なようです。
もう少し違う角度から見たいと思い、エレベーターで上のフロアへ進んでみたところ、窓から古墳の全貌がばっちり見えます!石段や石灯籠、祠が設置されており、きちんと整備されている様子。生えている植物も手入れされています。
さらにうっすらとですが、墳丘のてっぺんには石碑の姿も。もしかしたら、狛江古墳群の中で一番見ごたえがあるかもしれません!登ってみたかったです。
⑧東塚古墳
Google Mapによると駄倉塚古墳のすぐ近くに東塚古墳があります。近くを探してみたのですが、やっぱり見つかりません。
マップが示すあたりにあるこちらの豪邸、門の奥には小高い山が見えます。もしかして、人の家の敷地内にあるタイプの古墳なのでは・・・。
調べてみたところ、予想通り「民家古墳」でした。私有地内にあるため、道路からちらりと眺めることしかできません。塀が高いためほとんど見えませんが、凄く立派な気配なのでちょっと残念です。
⑨松原東稲荷塚古墳
民家の合間に見える小さな山。こちらは比較的簡単に見つかりました!
なのですが、近づけません。この古墳も⑧東塚古墳と同様に民家古墳。お庭の中にあるため、フェンスで囲まれており立ち入ることができないのです。
ただし、フェンス自体はそれほど高くないため見ることはばっちり。
墳丘上には階段が設けられており、その奥には祠のようなものが見えます。しっかりと手入れされていますが、民家の方が行っているのでしょうかね。庭に古墳がある暮らしってどんな感じなんだろう。庭付き一戸建てならぬ、古墳付き一戸建て、ぜひとも住んでみたいです。
⑩飯田塚古墳
ローソン狛江中和泉三丁目店の脇の細い道を進んでいくと、民家と民家の隙間に赤い鳥居が見えます。
こちらが飯田塚古墳。稲荷神社が祀られている神社古墳です。
案内板などはなく、言われないと古墳であることはわからないかもしれません。それでも、1mほど土が盛り上がっており、わずかに墳丘を感じることができます。前回訪問した③猪方稲荷塚古墳に比べれば、まだぎりぎり古墳要素が残されていますね。
⑪白井塚古墳
マップの示す場所に行ったのですが、それらしきものは(以下略)。
どうやらこちらの株式会社白井造園の敷地内にあるようです。民家古墳ではなく企業古墳とでも呼びましょうかね。
門の外から眺めてみたのですが、どれが古墳なのかよくわかりません。となりのアパートの駐車場からはそれっぽい山が見えますが、特に案内なども無いため詳細はわからず・・・。なんとなく造園会社の敷地内であったら、しっかりと手入れされていそうな気はします。
⑫兜塚古墳
住宅街を進み、見えてきたのは柵に囲まれた墳丘。いかにも古墳らしい出で立ちに、これこれ!という気持ちでいっぱいです。
フェンスがありますが、カギはかかっていないため、自由に出入り可能(たぶん)。東京都の史跡に指定されており、石碑と案内板もばっちり完備。
直径43m、墳高4mの大きな円墳で、周囲を取り囲む周溝は直径70mにも及んでいたと考えられています。当初よりは小さくなっていますが、狛江古墳群の他の古墳に比べたら墳丘の保存状態は良好です。
墳丘に登ることができるクライミング古墳。草木はしっかり刈られており、手入れされていることがわかります。このあたりはさすが都の指定史跡。
主体部の発掘調査はなされていないため被葬者の詳細はわかりませんが、このあと紹介する⑬亀塚古墳の次世代の盟主が眠っていると考えられているそうです。
~休憩タイム:古民家園~
古墳めぐりのついでに立ち寄りたいのが、古民家園。⑫兜塚古墳・⑬亀塚古墳の近くにあり、無料で利用できます。
ここには旧新井家住宅主屋と旧高木家長屋門の二棟が移築されています。堂々と佇む茅葺きの民家は雰囲気抜群!小田急線の立体交差および複々線化にともない解体されましたが、この地に移築・保存されたそうです。
内部も自由に見学できます。中に上がって畳や縁側に座ることもできるので、古墳めぐりの休憩にぴったり。開園時間は9:30〜16:30までと決まっているのでご注意ください。
⑬亀塚古墳
さあ、やってきました狛江古墳群最大規模といわれる亀塚古墳。狛江古墳群について調べているとよく名前が出てくるので、代表的な古墳なようです。
住宅街を進んでいくと、亀塚古墳公園として整備された姿が見えてきました。ベンチや水飲み場のある公園内を進んでいきます。家々に囲まれており、かろうじて残っている雰囲気。かつてはもっと狭く見つけにくかったそうですが、2020年に公園と整備されたことにより、立ち寄りやすくなりました。
さあ、こちらが亀塚古墳!
思ってたより小さい・・・。
もともとは帆立貝式前方後円墳で、その全長は40m、後円部の直径は31mにも及んでいたそう。土地開発などによって削られてしまい、現在はほんのわずかしか残されていません。それでも、立派な石碑が立てられている点は、狛江古墳群の他の古墳に比べると風格を感じさせます。(ちなみに、石碑の文字は徳富蘇峰によるものらしいです。)
昭和26年6月に行われた発掘調査では、数多くの豪華な副葬品が出土しました。そのことから、かつてこの地を治めていた盟主が眠っているのではと考えられています。
⑭経塚古墳
お次は亀塚古墳の近くにある経塚古墳。六郷さくら通りを進んでいるのですが、一向に見つかりません。
地図を確認すると、通り過ぎていました。
ということで引き返して見つけたのがコチラ。
フェンスで囲まれたただの森です。④清水塚1号古墳と同様、ステルス古墳ですね。フェンスに扉はありますが、カギがかけられているため、立ち入りは不可。
案内板はかろうじて道路からも見ることができます。こちらの古墳も直径40mという大型の円墳であったそう。「経塚」という名が示す通り、かつて経典が埋められていたという伝承もあるそうです。
見学希望の方は、となりにある狛江ガーデンハウスの管理室か、道路挟んで向かいの泉龍寺へ伝えると入ることができるそうです!
⑮弁天池塚古墳
ラストは弁天池塚古墳。狛江駅のすぐ近くにあるためアクセス良好です!・・・なのですが、狛江市弁天池特別緑地保全地区として保護されており、近づくことができません。
1〜3号墳と3基あるそうですが、詳細わからず。柵の外からは、自然が豊かな内部を見渡すことができます。生い茂る木々に包まれたひょうたん池では、水鳥たちがすいすいと泳いでいました。
古墳がよく見れず残念ですが、駅のすぐ目の前にこれほど豊かな自然が残されてるってスゴイです!しかも、周辺に並べられたベンチは道路ではなく、柵の中の自然を向いています。腰かけて眺めると、穏やかな気分になれます。
めぐってみた感想
今回15基めぐってみたのですが、なかなか見つからなかったり、ほぼ原形が残ってなかったり、そもそも見れなかったりと、いろいろあってとっても楽しかったです!
あえて事前に細かく調べないでめぐったのですが、「次の古墳はどんな状態なんだろう」とどきどきしながら散策が楽しめました。見応えのある古墳は少ないのですが、街にとけこんでいる様子や信仰の地となっている姿など、それぞれ個性があるのも面白いポイントです。
ちなみに、15基めぐった所要時間は4時間ちょうどでした。古墳めぐりが好きな人以外は、石室見るならば①猪方小川塚古墳、こんもりとした墳丘見るならば⑫兜塚古墳の2ヶ所だけでも充分な気はします。
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