記録が全く残されていない古代の山城・鬼ノ城(きのじょう)。一部の門が復元されており、古代の城の雰囲気を感じ取ることができます。山道を歩くことになりますので、歩きやすい服装がおすすめです。
山上に残る古代山城跡
岡山県総社市の鬼城山にかつて築かれていた鬼ノ城(きのじょう)。石垣や土塁、城門などが整備・復元されており、歴史を感じることのできる人気の観光スポットです。
「日本100名城」のひとつに数えられていますが、このお城は7世紀後半に築造された「古代の山城」。歴史書にも記録が一切残されておらず、謎だらけのお城でもあります。
駐車場まで向かうには、山道区間が3kmほど。舗装されていますが、すれ違い困難な箇所も多いです。バスも通るため、運転にはお気をつけて。
駐車場のそばに立つのはビジターセンター。トイレや自販機もあるので、まずはこちらに立ち寄り。
まずはビジターセンターへ
館内では、映像やパネル、模型を通して鬼ノ城の解説がなされています。最初に立ち寄っておくと、その後の散策の解像度がぐっと上がります!
城の縄張を表したジオラマ。城壁は鬼城山の山頂を取り囲むように築かれており、その全長は2.8km。土塁のあいまに城門4ヶ所、水門6ヶ所、角楼1ヶ所で構成されています。城内の面積は約30ヘクタール!東京ドーム6.4倍という広大な敷地を持つお城なのです。
城門の模型も展示されています。お城ときいてイメージする、石垣や瓦屋根の近世城郭とは大きく異なる姿。
選べるコース
ビジターセンターから先は、山道を歩いてお城の様々な遺構を見学していきます。様々な見どころやルートがあるので自由にめぐることができますが、この3パターンが基本かなと思います。
一番見応えがあるのが「西門」。建築が再現されているため、当時の雰囲気を最も強く感じ取れるポイントです。西門までは片道10分弱。見学時間も含めて往復30分もあれば充分です。
西門の先は南門、東門と続きます。こちらは西門ほど見応えはありませんが、復元された遺構を見学できるポイント。東門までは片道30分ほど、往復1時間強なので、お時間と体力に余裕がある方はこちらまで進んでみても良さそうです。
さらに東門の先、北門を経由して戻ってくる一周コースもあります。こちらはトータル1時間30分程度かかるそう。せっかく来たのだから全部見ておきたい、そんな方向けなエキストラコースです。
当初は①西門往復コースで良いかなと思ったのですが、二度目の訪問なのでもう少し進めてみようということで、②東門往復コースに。そこまで行ったら往復しても一周してもそれほど時間に差はないので、結局③一周コースで進むことにしました!せっかく来たのだからぜんぶ見ておきたい派です!!
歩きやすい散策路
13:10
ビジターセンターを出発!最初だけ上り坂ですが、あとは平坦。この辺りは舗装されており、とっても歩きやすいです。
13:15
通常のルートから、少しだけ外れたところにある展望デッキ。ここに来ると、西門を遠くから拝むことができます。山上にそびえる姿が絵になります。
13:20
ビジターセンターから歩いて約10分で西門に到着。復元された三階建ての城門は迫力があり、目を奪われます。見晴らしの良いロケーションもめっちゃ良いです!
再現された西門
12本の柱の跡をもとに、それに見合ったサイズ感にて復元しているそう。瓦が出土していないことこから、屋根は板葺きが採用されています。
2階の櫓部分に張り巡らされているのは、文様が描かれた板。なんだか呪術的にも感じる仕上がりです。
建築にばかり目が行ってしまいますが、城壁の土塁も凄い!その高さは5〜7m。柱と板で囲った中に土を入れ、一層毎に踏み固め、さらに棒で突き固めて強度を上げる土木技術「版築工法」によって仕上げられています。
西門の先には敷石があります。調査によると敷石は多くの区間に施されており、総重量は数1,000トンにも及ぶそう。石畳のような通路としての役割に加え、雨水による倒壊を防ぐ目的もあったと考えられています。
このあとは、南門・東門・北門とめぐっていきますが、長くなったので続きはまた次回!
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