神峰山にある太平洋を望む動物園。定番アニマルに加えて、個性的なサルやマニアックな爬虫類なども揃えており、満足度は高いです。行動展示も多く、夢中に動きを追っていると、いつの間にか時間が過ぎています。
休館日:年末年始
料金:520円
アクセスと駐車場
常磐道の日立中央ICから5分とアクセス良好。日立と聞くと茨城県北部の遠いイメージですが、高速道路を利用すれば三郷から1時間半ほどで向かうことができます。アクアワールド大洗やひたち海浜公園へ行くのとそこまで差はありません。
ただし、かみね公園には、駐車場が複数あるため迷う可能性があります!
カーナビに任せていた私がたどり着いたのは「見晴らし駐車場」。ここから動物園までは5分ほど山を下るルートでした。歩きたくない方は、「正門前駐車場」に停めればすぐ目の前です。
かみね動物園の特徴
1957年に開園したかみね動物園。2017年に開園60周年を迎えた、老舗の動物園です。
山の上にあるため、園内は少々起伏があります。しかし、そのおかげで動物を様々なアングルから見ることができるように上手く利用しているポイントも。動物と同じ目線で見たり、上から見たりできるのも、山沿いの動物園ならではの特徴です。
また、各動物の檻には、名前だけでなく解説やイラストが多く設置されています。まじめな生態から、思わず人に話したくなるような雑学まで、情報量はたっぷりです。じっくり読んでいくと、いろいろな動物に詳しくなれます。
ときおり、動物園スタッフの紹介も混ざっているのも楽しい!こちらはゴミ分別力とそうじ力が異様に高いひさしちゃん。ローカルな魅力が光ります。
園内あちこちに「みちじゅん」と記された案内板があるのもユニーク。これには数字が振ってあり、この看板通りに進んでいくと園内を一通り見てまわれます。
実は動物園で順路があるところってとってもレア。いつもは園内マップを逐一見ながら、見逃してる動物が無いか確認してまわっていました。この順路表示のおかげで、気楽に園内をまわることができます。
決して一方通行では無いため、自由に見たい人は従わなくても全く問題ありません。
人気者の動物たち
キリン、サイ、カバ、ライオン、トラなど、動物園で人気な動物たちは一通りそろっています。
入園して最初に現れるのは2頭のアジアゾウ。大きな体をゆらゆら揺らしています。エサやり体験も行っており、掘の向こうからにゅーっと鼻を伸ばしてエサをとる姿を見ることができるそうです。
貫禄のあるエゾヒグマ。北海道にのみ生息している大きなクマです。黒くて大きな体からは圧倒的な強さを感じます。よく見ると、ツメの先を地面につけないように歩いています。
個性的なおサルさん
様々な種類のサルに出会えるのもかみね動物園の魅力の1つ。
とても小さいワタボウシパンシェ。名前の通り、ワタボウシのような白い毛を乗せています。好奇心旺盛で、人を見ると集まって来ます。
大きなサル山には、ニホンザルがたくさん。あちこちで繰り広げられるヒューマンドラマならぬモンキードラマを眺めていると、時間がいくらあっても足りません。
かなりアクティブで飛び回っているチンパンジー。サービス精神たっぷりで、カメラを構えたところ中二っぽいポーズでキメてくれました。
撮り終わると、次はなんと変顔までしてくれました!
「行動展示」が楽しい!
「行動展示」というコトバをご存じでしょうか。動物が本来持っている運動能力を発揮できる飼育環境にすることで、動く姿を自然に引き出す展示方法。北海道の奥地にある旭山動物園も、この展示で国内屈指の来園者数を記録する人気動物園へと進化しました。
ここかみね動物園も、そんな行動展示を随所に見ることができます。
本来木の上で暮らしているレッサーパンダ。樹木や組まれた木の板の上を、ぐるぐる歩き回っています。
クモザル舎には、高くそびえるタワーが。張り巡らされたネットにぶら下がって移動する姿を見ることができます。
見ていて一番面白かったのが、アメリカアカリス。筒状のケージがながーく伸びており、いろんなところで姿を見ることができます。頭上を走り抜けたり、縄張りを主張したりと、かなりアクティブで見ていて楽しすぎます!
なお、このトンネルが掛けられている柱、よく見ると物干し竿置きでした!
刺激的な爬虫類たち
2018年に新しくオープンした「はちゅウるい館」。個性的な爬虫類たちがラインナップに加わりました。
芝生でのんびりしているアルダブラゾウガメ。通路よりも少し高くなっているため、とても見やすいです。お子様だったら目線と同じくらいの高さになります。
めっちゃでかいビルマニシキヘビ。本来は黒と茶色ですが、アルビノ個体のため白と黄色であざやか。ちなみにユウサクという名前が付けられていました。
鋭い目つきのマングローブオオトカゲ。120cmにもなる大きなトカゲで、名前の通りマングローブが生えるような水辺に暮らしているそう。泳ぐのが上手いらしいです。
日立といえば「ウ」
さて、はちゅウるい館の「ウ」の文字だけなぜカタカナのか。それは、爬虫類に混ざり、鳥の鵜(う)が一緒に展示されているからなのです。
ここでは、日立市の鳥にも指定されているウミウを2羽展示しています。動物園でウミウの展示ってほとんど見たことがありません。案内板によると、ウミウが見られるのはこことアクアマリンふくしまの2施設だけらしいです。
ウミウのケージには、スノコがかけられています。おそらくウミウを脅かさないように配慮されているのかと思いますが、隙間から覗くので妙にドキドキ。
なぜウミウが日立の鳥に指定されているのかといいますと、日本で唯一ウミウを捕獲して鵜飼地域に供給しているため。有名な長良川の鵜飼いに使用される鵜も、ここ日立から送られているそう。
気になる唯一の理由ですが、それはいたってシンプル。「他の捕獲地が閉鎖してくなか、最後までやっていたから」と、それだけらしいです。
なお、このケージの下は水槽になってます。毎日13:30がごはんタイム。この時間に来れば、水中に潜り、泳いで魚を獲る姿を見ることができるそうです。
滞在時間は1時間30分ほど。想像していたよりもずっと展示内容が充実しており、あっという間でした。
今回利用した見晴らし駐車場、行きは下りでしたが、帰りは登りなので少しハード。ただ、駐車場のすぐ近くには展望台が設置されています。
最後に日立の街並みを見渡してから帰路につきました。
コメント