日生港から船でたどりつき、集落内を散策したのが前回までの話。ここからは島を一周する自然研究路を進んでいきます!灯籠堂・勘三郎洞窟・灯台など、島内の見どころスポットを石仏に導かれながら進んでいきます。
春日神社からスタート
大多府島は、自然研究路が整備されており島をぐるっと一周することができます。どちら周りでも可能ですが、入り口がわかりやすそうなので時計回りに進んでいくことにしました。
ちなみに、天候は雨と風が強く、なかなかハードモード。今回は登山用のレインウェアを持ってきていないので、日生のDAISOで購入したレインコートで挑みます!
15:10
港から5分で春日神社が見えてきました。鳥居の先には木造の立派な社殿が見えます。
参道にそびえるソテツが南国感あります。左右に置かれた狛犬は赤褐色の陶製であり、この地域が産地である「備前焼」かもしれません。
春日神社の裏手に自然研究路の入り口が。未舗装ですが整備されており歩きやすい。
木々の隙間から見えるのは夫婦岩。この角度からだと分かりにくいですが、港方面から見ると寄り添うような2つの岩を見ることができます。
立派な石垣に立つ灯籠堂
15:15
案内板に従って進んだ先には、木々が開けたスペースに鎮座する灯籠堂。ここまで港から10分ほどです。
岡山藩によって大多府港が開かれた後に築造された灯籠堂。江戸時代の1714年に障子の張り替えの記録が残るが、いつ建てられたかは不明であるそう。
現在の灯籠堂は1986年に再建されたものですが、石塁は当時のものを活用しております。加工された石が積み上がる「切込接(きりこみはぎ)」、近世城郭のような立派な石積みに高い技術力を感じます。
岩場と森を抜けて
木々の道から海沿いの岩場へ。少し道がわかりにくいですが、路肩に置かれた石仏が目印となっています。この天候だと、柵のない断崖はなかなかのスリル。
15:40
一度舗装路に出ますが、そこから脇道に進むと屋根付きの休憩所とトイレがあります。ここまで港から35分ほど。公園の公衆トイレみたいな佇まいで獣避けのネットが張られていますが、内部はきれいに掃除されています。
ここは貴重な屋根付きスポット。雨が強くなってきたのでバックパックをレインコートの中で背負って防水力を高めます!
15:50
休憩所から石仏に導かれて岩場に出ると、目の前に広がるのはダイナミックな光景。岩場を頑張って進みますが、どう見ても道がありません。おかしいなと思い休憩所に戻ると、奥の森に道がありました!石仏に頼り過ぎるのはキケンかもしれません。
15:55
道をそれたところに展望休憩所があります。曇り空であるため何も見えませんが、天気が良いと小豆島や遠く家島諸島まで見渡せるようです。
展望休憩所の先の岩場に道がありそうですが、引き返して森の中の道へ。
勘三郎洞窟の入口
16:05
勘三郎洞窟への入り口が見えてきました。ここからは岩場の道を下っていくのですが、雨と強風に加えて波が高くてちょっとコワイ。
道の先は行き止まり。完全に崩落しており、気合いでどうにかなるレベルではありません。
港の案内マップにも「勘三郎洞窟の中には入れません」との案記載があったので入れないことは分かっていましたが、洞窟入口を見ることもできませんでした・・・!
この先にあるはずの洞窟では、勘三郎という男が隠れて藩札を偽造していたという伝説が残っております。
不思議なカタチの灯台
16:18
勘三郎洞窟から先に進んだところにあるのは大多府島灯台。灯台そのものの高さを示す塔高は11m、平均海面~灯火を示す灯火標高は30m。
気になるのはその独特なフォルム。上部が固定されており、光は一方向だけを照らすようです。
灯台とは別に「照射灯」という光波標識があります。これは暗礁などを照らして、船に危険な場所を知らせるためのもの。もしかしたらこの大多府島灯台も、それに近い働きをしているのかもしれません。
仏塔がそびえる慈雲寺
16:23
灯台の先も自然研究路は続いているようですが、これより先は大きな見どころも無さそう、なおかつ天候が悪いので港・集落方面の道へ。お墓を過ぎたあたりから舗装路に変わります。これまで雨の中の山道を歩いていたので、感動の歩きやすさ。
16:28
立派なお寺が見えてきました。こちらは慈雲寺というお寺。案内板などがないため宗派や創建などの情報はわからず。Webを検索しても非常に情報が少ないです。
境内に立つのは、傘を被り錫杖と鉄鉢を持ったお坊さんの像。これはおそらく修行時代の空海。この像があるということは、おそらく真言宗の寺院でしょう。もしかして、さきほど自然研究路で見かけた石仏は、八十八ヶ所巡礼の札所であったのかもしれません。
そびえ立つのは大きな仏塔。あまり他では見かけないデザインの仏塔です。
船までの待ち時間
16:45
港に戻ってきました!島内の見どころをめぐって、所要時間は1時間45分。雨が降っていたのと、滞在時間に合わせてあえてゆっくり目に回ってこのタイムでした。
さあ、船まで1時間以上あるぞ!港の休憩所である加子番所へ。
同じく船を待っている岡山から来ているお二人としばらくおしゃべり。潮干狩りに来ているらしく、収穫した大量のアサリを見せてもらいました!
このお二人は、日生港ではなく頭島から船で来ているそう。こっちからならわずか15分、160円。車があって、なおかつこの島だけに行くならば、こっちルートの方が良さそうです。
降りやまない雨の中、大生汽船のNORINAHALLEがやってきました!本日4度目の乗船。お世話になりました!
これにて日生諸島めぐりはおしまい!普通の離島めぐりとはちょっと異なる、変わった諸島でした。明日は、島めぐりのついでに食べた「カキオコ」について、その次は兵庫県の「家島諸島」編になる予定です!
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