遺跡のような巨大レンガ橋と穴あきトンネル『めがね橋(碓氷第三橋梁)』(安中市)

群馬県

重厚なれんが造りの大きな橋、その正体はかつて利用されていた鉄道橋。現在その鉄道跡は遊歩道となっており、橋の上を歩いたりトンネルを散策したりとちょっとした冒険が楽しめます。めがね橋から続く6号トンネル、通称「穴あきトンネル」は必見です!

訪問日:2018/9/22(土) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

巨大なレンガ橋

国道18号線を群馬県から軽井沢方面へ走っていると、カーブの先に突如現れる巨大な橋。

嫌でも目につく大きなアーチ橋の正体は「碓氷第三橋梁」。その形状から、通称「めがね橋」とも呼ばれています。

この大きな橋の正体は、かつて利用されていた鉄道橋。群馬県の高崎から新潟県の直江津をつなぐ信越本線が走っていました。全長は91m・川底からの高さは31m、200万個以上のレンガを使用した現存するレンガ橋では国内でも最大クラス。近くで見ると、その大きさに圧倒されます!

見る角度や天気で雰囲気が変わるめがね橋。青空も良いですが、曇天だとヨーロッパのような雰囲気が出そうな気もしますね。

橋の上へ続く遊歩道

めがね橋をくぐると、そのまま遊歩道へと繋がります。森の中ですが、しっかり整備されているので普段着でも大丈夫です。

階段を登りきると、めがね橋の上につながっていました。このめがね橋の上の道は、碓氷峠鉄道文化村から伸びる遊歩道「アプトの道」。昔は機関車が走っていた道ですが、今は人が歩くための道として生まれ変わりました。

下を走る道路を見下ろすと、みんながこちらに向かってカメラをかまえています。ちょっとしたスター気分!

上から見るめがね橋も迫力あります。色褪せたレンガは寂しくも力強い。

アプトって何?

アプトの道の「アプト」というのは、スイスのカール・ローマン・アプトという人物によって考案された鉄道のスタイルの名前。

東京の上野から新潟の直江津をつなぐ本州横断鉄道建設の際に、最後まで難所として残されたのがこの碓氷峠。高低差553mの峠を越えるため、スイッチバックやケーブルカー方式などいろいろ検討されたなか、採用されたのがアプト式

鉄道レールの中央にラックレール(歯軌条)を敷き、それを車両の歯車と噛み合わせて坂道を登る歯車式鉄道。これにより、通常の鉄道では登ることのできないような急な坂も登ることができるようになりました。

ちなみにこのような歯車で登る鉄道を「ラック式鉄道」と呼び、アプト式はそのうちの一種とのこと。歯車の鉄道が全てアプト式というわけではないみたいです。

詳しく知りたい方は、近くにある「碓氷峠鉄道文化村」へ!模型による解説や、実際に歯車が搭載された車両の展示もあるので、とってもわかりやすく知ることができます。

不思議な穴あきトンネル

めがね橋の両端はトンネルとなっているのですが、こちらも遊歩道の一部。自由に通り抜けることができるので、ちょっとだけトンネル探検してみることにしました。

外の光の入らないトンネルですが、ところどころに照明があるためライトなどはなくても大丈夫。

めがね橋から西へと続く6号トンネルを歩いていると、壁に規則的な穴が空いているのを見つけました。太陽の光が射し込み、神秘的で不思議な光景です。

こちらの穴は排煙口。かつては機関車が走っていたため、その煙を逃がすために穴が開けられているようです。

天井にも天窓のような穴が。現在はガラスが張ってあるのですが、そこに落ち葉が積もりステンドグラスのような美しさ。

この先まだまだアプトの道は続きますが、車を置いてきているのでこのあたりで折り返しました。

ちなみにアプトの道ハイキングコースは、フルで歩くと約13km約4時間という長い道のり。見どころも多く楽しそうなコースですが、あまり時間が無い方はこのめがね橋を起点に周辺散策すると、その雰囲気を味わうことができます。

アクセスと駐車場情報

群馬県側からは、上信越自動車道の松井田妙義ICから約20分。長野県側からは軽井沢駅から車で約20分。めがね橋の目の前に駐車スペースはありませんが、軽井沢方面は300mほど進んだところに駐車場があります。

めがね橋やアプトの道は見学自由ですが、トンネル内の召命は18:00になると消灯してしまうのでご注意ください!

※掲載の情報は2022年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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