知られざる伝統産業の世界『京都伝統産業ミュージアム』(京都市左京区)

京都府

京都市の伝統産業がすべて集まるミュージアム。実物の展示はもちろんのこと、体感型の展示もあり、楽しく学ぶことができるスポットです。さあ、京都市の伝統産業、いくつ言えますか!?

訪問日:2025/3/29(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

京都市の伝統産業ってなに?

古くから伝わる技法や技術が用いて造られる産業を伝統産業と呼びます。有名なところでは、岩手県の「南部鉄器」や神奈川県の「箱根細工」などが全国的にも知られた伝統産業。

似たワードで「伝統工芸」というコトバがありますが、この違いは諸説あります。一説によると、伝統的な技法のものづくりの中で、産業として成立しているものを指しているそう。

さぁ、ということで本題に入ります。

京都市の伝統産業といえば何を思い浮かべますでしょうか?

ぱっと思い浮かんだのは「西陣織」「清水焼」。実はもっともっとたくさんあります。

準備は良いですか!?

西陣織、京鹿の子絞、京友禅、京小紋、京くみひも、京繡、京黒紋付染、京房ひも・撚ひも、京仏壇、京仏具、京漆器 、京指物、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京石工芸品、京人形、京表具、京陶人形、京都の金属工芸品、京象嵌、京刃物、京の神祇装束調度品、京銘竹、京の色紙短冊和本帖、北山丸太、京版画、京袋物、京すだれ、京印章、工芸菓子、京竹工芸、造園、清酒、薫香、伝統建築、額看板、菓子木型、かつら、京金網、唐紙、かるた、きせる、京瓦、京真田紐、京足袋、京つげぐし、京葛籠、京丸うちわ、京弓、京和傘、截金、嵯峨面、尺八、三味線、調べ緒、茶筒、提燈、念珠玉、能面、花かんざし、帆布製カバン、伏見人形、邦楽器弦、矢、結納飾・水引工芸、和蝋燭、珠数、京菓子、京漬物、京料理、京こま、京たたみ、京七宝

その数、驚きの74品目!!!めっちゃありますね!!!

みやこめっせのミュージアム

そんな伝統産業74品目の全てを知ることができるのが京都伝統産業ミュージアム。入学式や卒業式、「京都国際マンガ・アニメフェア」などが開催されるイベントホール「みやこめっせ(京都市勧業館)」の中に入っています。

展示室はエスカレーターで降りた地下一階。2019年に閉館した「京都伝統産業ふれあい館」が、2020年に「京都伝統産業ミュージアム」としてリニューアルオープンしました。

入館料は500円。京都国立近代美術館や京都市動物園など岡崎エリアの施設と相互割引も行っています。半券を持っていると100円割引、さらにショップで利用できる200円オフクーポンももらえました。

伝統産業の展示がたっぷり

来館者を出迎えるのは「74CRAFTS WALL」。伝統産業74品目がずらりと壁面展示されています。ほとんどが実物展示されているためイメージしやすいです。

展示室には収まりきらない【造園】【伝統建築】は、写真などで展示されています。

タッチパネルでは、各品目の詳細な解説はもちろん、製造工程の動画も。

さらに、なんと職人さんによる実演も開催!品目は日替わりとなっており、訪問した際は【数珠】の職人さんが実演しておりました。黙々とこなしていく様子はずっと眺めていたくなりますが、集中している姿をあまり見ていてはいけない気がして、ついつい脇目でこっそり見てしまいました。

ちょっぴり意外な品目

【西陣織】【京友禅】【三味線】など、イメージしやすいものから、【京料理】【京菓子】のように「これも伝統産業なんだ!」と思うようなものまで、そのバリエーションはとっても豊か。

こちらは【京金網】。湯豆腐すくい、焼き網、茶こしなどの台所用品や、料理の器としても利用されています。美しさと実用性を兼ね合わせた工芸品です。

なんと【きせる】も伝統産業。展示されていたのは50cmを超える大きなもので、武器になりそうな力強さです。

聞き慣れない【京指物(きょうさしもの)】は、板を組み合わせてつくる家具や道具のこと。たんす、机、茶道具などがあるそう。

体感型のコンテンツ

「74CRAFTS WALL」の隣に広がる「74CRAFTS EXHIBITION」は、ものづくりの過程を肌で感じることができるエリア。解説パネルは実物もあわせて展示されているため、イメージしやすい内容です。

【清水焼】ができる工程が、9つに分けて展示されています。くっきりとした下絵が焼き付けを経て艷やかになっていく様子が、直接見比べられます。

こちらは【京仏具】の「おりん」。鳴らしてみると澄んだ音色が館内に響き渡ります。展示されているものはドレミファソラシドに調律されているので、好きな和音を作ることもできます。

香木などの香料を調合して香りを作り上げる【薫香】。ここでは実際に香料の香りを体験することができます。並んでいたのは「桂皮」「丁子」「竜脳」「藿香」「鬱金」。「竜脳」は刺激があって最初は少しキツく感じましたが、なんだか妙に落ち着くような香り。

どこかで嗅いだことがある気がするけど、思い出せずもやもやしていましたが、どうやら防虫剤として利用されるそう。

たぶん、タンスにゴンです。

アクセスと見学情報

地下鉄東西線「東山」駅1番出口より徒歩約10分。「京都市京セラ美術館」や「京都国立近代美術館」のすぐ近くにありますので、美術館めぐりと合わせての訪問がおすすめです。

開館時間 10:00~18:00
休館日 月曜
料金 500円
公式サイト https://kmtc.jp/

※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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