横浜市イギリス館と隣り合わせで立つ洋館。見学できるのは1フロアというこじんまりした施設ですが、独特な建築や内装は見ごたえあり。オープンテラスのカフェも併設しているのでひと休みにもおすすめです。
公園内に残る洋館
港の見える丘公園内にある西洋館、山手111番館。かつてアメリカ人の両替商ラフィンが横浜で出会ったミヨという日本人と結婚。その後、8人の子どもを授かり、結婚する長男のために1926年に建てたのがこの洋館です。
その後、ラフィン夫妻の手を離れ、何人かの所有者を経て1996年に横浜市の所有に。1999年には一般公開が開始され、同年横浜市指定有形文化財に指定されました。
赤い瓦屋根に白壁のコントラストが美しい外観。館内は無料で見学可能で、入口で靴を脱いで入るタイプの施設です。
開放的な館内
来館者を出迎えるのは吹き抜けのホール。煌めくシャンデリア、壁につけられた燭台、石膏プラスター引摺り仕上げの壁、美しく組まれた床板など細部まで意匠を凝らした装飾が施されています。
ホールと隣接している食堂。暖房として装飾された暖炉があり、先ほどのホールと背中合わせになっています。窓からは手入れされた美しい庭園の眺めが広がり、開放的な気持ちになれる部屋です。復元にあたり、家具は「横浜家具」が新たに制作されたそうです。
館内には展示室もあります。ここは貸しギャラリーとなっており、訪問した際は水彩画や油絵が展示されておりました。
バスタブが置かれた浴室。壁は四角形のタイル、床は六角形のタイルが張られています。温かい照明でぬくもりあふれる空間です。
独特な建築スタイル
比較的小さな洋館ですが、少々複雑な造りをしています。2階建てかと思いきや、館内に置かれた模型で全体を見渡してみると3階建て。正確には地下1階、1階、2階となっております。
設計者は、アメリカ出身の建築家・J.H.モーガン。同じく山手の西洋館である「ベーリック・ホール」や、競馬場遺構として今も残る「旧根岸競馬場一等馬見所」などを手掛けた人物です。
館内の階段を降りた地下1階はトイレとなっていますが、外からまわると地下部分も地上に面しており、美しいテラスが広がっていました。
ここはカフェローズという喫茶室であり、ローズソフトやハンバーグなどの食事メニューを取り扱っています。カジュアルで入りやすそうな雰囲気のお店です。今回閉館時間ぎりぎりに来たのですが、それでもほぼ満席状態・・・!かなり人気なお店のようです。
年数回の特別ガイド
2階部分にはスリーピングポーチと会議室という2つの部屋がありますが、通常は立ち入り禁止。
こちら、月に1回程度開催される「館内特別ガイド」に申し込めば、見学することが可能。隣の横浜市イギリス館とともにめぐるツアーで料金は500円。
開催月の1日から電話・来館にて受付しているそうです。2025年は1月15日(水)と、3月19日(水)。いずれも平日であり、なおかつ定員はわずか6名(先着順)であるため決して参加しやすくはありませんが、通常非公開のエリアに入ることができるチャンスです!
アクセスと営業情報
みなとみらい線の「元町・中華街駅」下車、6番出口(アメリカ山公園口)から徒歩7分。すぐ近くには「大佛次郎記念館」、「横浜市イギリス館」があるので合わせての訪問がおすすめです。
開館時間 | 9:30~17:00 |
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休館日 | 第2水曜、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/yamate111/ |
※掲載の情報は2024年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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