お次は島の北西部、徳之島空港を擁する天城町へ。ムシロ瀬、ウンブキ、犬の門蓋など、ダイナミックな地形を体感できるスポットが盛りだくさん。ユイの館では、島の歴史や文化を学ぶことができます。
ダイナミックなムシロ瀬
徳之島の北西端にある観光スポットがムシロ瀬。駐車場からすぐに展望台が見えてきます。
目の前には多数の巨岩・奇岩が連なる壮大な景観が!ムシロを敷き詰めたような景観がその名の由来になっているそうです。
岩場には整備された遊歩道があり、奇岩の中を散策することができます。
一部の奇岩には名前が付けられています。こちらの「カメ」のようにシンプルなものから「傷だらけの岩」「自然が作りだした椅子」など、なかなか独創的なネーミングも。
そびえ立っているのは「ろうそく岩」。鋭く尖った姿はゴシック建築のようです。
名前のついている岩を全部見ても20〜30分くらい。
不思議なウンブキ
ウンブキ(浅間湾屋洞穴)は、徳之島空港のすぐ近くにある観光スポット。駐車場からは階段を降りていきます。
すぐに見えてくるのは広場。木々が生い茂り、秘境感あります。
その奥にあるのがウンブキ。ここは真水の池ですが、地下の水脈が海と繋がっています。このような池を「アンキアライン」と呼ぶそう。
ここにはLED投光器が設置されており、スイッチを押すとしばらく点灯。水中が見やすくなります。
海水が混じる汽水域であるため、カワアナゴやリュウグウモエビなど様々な生き物が生息しています。ここで発見されたイワアナゴもおり、ウンブキアナゴという名が付けられているそう。
なお、この洞窟はめっちゃ蚊がいました!気になる方は虫除けのご用意をお忘れなく。
さっと見るだけなら15分くらいです。
奇岩が並ぶ犬の門蓋
徳之島を代表する観光スポットで、ポスターなどでもおなじみの景勝地!読み方は「いんのじょうふた」と、とっても難しいです。名前の由来は諸説あり、人畜を襲う野犬を海中に投じたという逸話や、野犬の群れがいたことにちなむと言われていますが、いずれも根拠はないそうです。
広くてトイレ付きの駐車場があります。お店や自販機はなく、「伝泊 展望台のある宿」という一棟貸しタイプの宿があるだけ。
駐車場の目の前にそびえ立っている展望台。12〜4月は、ここからクジラが見えることもあるそう。
展望台の南側はウミガメに会えるという千間海岸。砂浜にはキノコ岩と呼ばれる奇岩群が見えます。一箇所にだけ集まっている様子が不思議な景観ですが、それも含めてキノコ感あります。
展望台から150mほど歩いた先にあるのがめがね岩。波の浸食によって出来上がったアーチ状の岩で、奇岩が点在する犬の門蓋で最もポピュラーな景観です。
この周辺は荒波が打ち寄せる断崖。めがね岩に限らず、ダイナミックな地形がたくさんあります。荒れていても水色のキレイな海と、ダークブラウンの岩は、まるでチョコミントみたいな色合い。
展望塔、めがね岩をめぐって15分ほど。もし展望塔から見下ろした「キノコ岩」へ向かう場合はどれくらいかかるのか、そもそも行けるのかどうかは不明です・・・。
歴史を学べるユイの館
徳之島は3つの自治体それぞれに資料館があります。今回紹介させていただくのは、天城町の天城町歴史文化産業科学資料センター、通称「ユイの館」。館内には、徳之島の史跡・景勝地などを紹介した映像とジオラマがたっぷり。徳之島の歴史を学ぶことができるミュージアムです。
ホール部分には大きな岩を模したモニュメント。下部に設置されたディスプレイでは、闘牛の映像なども見ることができます。
床が高く正方形な徳之島の民家、芭蕉布を織るハトゥン(機織機)など、様々な民具も並んでいます。
こちらはサタグルマ。サトウキビを搾り、黒糖造りを行うための道具です。
個人的に気になったのは、薩摩藩の支配下の事件に関する展示。江戸時代に薩摩藩の支配下に置かれた奄美群島の島々は、重い負担をかけられていました。
そんな中、文化13(1816)年におこったのが「母間ドンギ」。母間(ぼま)村の掟(区長)である喜久山という人物が、村での入作の負担米の軽減を代官所に訴えたところ、牢屋に入れられてしまいます。これに怒った母間村の農民が牢屋を破り救出。さらに喜久山は村人とともに15人で鹿児島に直訴に行きましたが、越訴の罪で捕らえられてしまいます。3年の獄中生活を経て、6人は帰島、8人はトカラへ遠島、1人は獄中で命を落としたそうです。
さらに文久4(1864)年には犬田布騒動がおこります。島民である新山為盛が砂糖の横流しの疑いにより捕らえられ、拷問にかけられます。犬田布の村人は為盛救出のため150人が集まり、仮屋を包囲。役人を追い、森に7日間篭城したそう。奉行所も村民全員を罪人にはできず、首謀者とされる数名が遠島や体刑にすることで解決。この騒動は奄美群島全域に知れ渡り、その後の砂糖取締りは大いに緩和されたそうです。
それほど大きい施設ではないので、30分もあれば一通り見てまわれそうです。
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